如月 千早 アイドルトーキング
2
「今まで海の底にいると思っていた。
でも、もっと深い場所があったんだわ。
それを教えてくれたのは、あなたね、
春香。……明日があると思うから、
人並みの幸せを願うから、もぎ取られた
時の絶望は、もっと、もっと深くなる」
3
「行かなくちゃ。遠くへ……人のいない
世界の果て……いいえ、海がいいわ。
水底の氷の中ならば、きっと私の絶望の
歌も届かないはず。……ベルノワール、
レディ・グレイス、さようなら。
もう会うことはないでしょう」
4
プロデューサー、私の『絶唱』
はどうでしたか? 数百キロメートル先
まで届き、耳にした者に悲しみと絶望を
植え付ける、そんなすさまじい歌を
歌うには、気力も体力も必要です。
私のすべてを出し切って挑みます。
5
セイレーンにも、私のように仲間と
プロデューサーがいてくれた
ら、絶望に落ちずに済んだのでしょう
か。セイレーンの孤独な魂には、今は
ジャスティスが寄り添っています。いつ
かセイレーンの心が溶けますように。