(桃子が近代西洋が舞台の映画に出演する。わがままな お嬢様を演じることになり、その衣装が届いた……)
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(桃子が近代西洋が舞台の映画に出演する。わがままな
お嬢様を演じることになり、その衣装が届いた……)
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このポーズだと、こう見えるんだね。ふふ♪
……じゃあ、この動きはどうかな?
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お疲れさま、桃子。
おお! 本当にお嬢様みたいだな!
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お兄ちゃん、ちょうどいいところに。……どう、
この動き? 上品だけど活発な感じ、伝わるかな?
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ああ。きれいな動きの中にも、
元気な感じがして、いいと思うよ。
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ふーん……お兄ちゃんにそう見えるなら、
演技に取り入れてみるのもいいかもね。
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しかし、すごいな。衣装を着て、
すぐに動きのことを考えてるなんて……。
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何いってるの、お兄ちゃん。
桃子の役は、活発でちょっと素直じゃないお嬢様だよ。
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演技の練習は、いつでもできるけど。どういう風に
見えるかは、衣装を着てみないとわからないしね。
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確かに……。でも最後の社交界のシーンは、
お淑やかなレディとして成長してるんだよな?
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うん。あとで、そっちの練習もするつもりだよ。
クライマックスの一番失敗できないシーンだもん。
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レディになった姿を見てもらう大事な場面……。
桃子に求められてるのは、その説得力なんだから。
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そうだな。……あれ?
それなら活発な演技の練習は今しなくても……。
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お兄ちゃん! プロの女優は、
台本にない場面のことも考えなきゃダメなんだよ!
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そうか。てっきり、衣装を気に入って少しでも
たくさん着たい……みたいなのもあるのかと思ったよ。
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そ、それは……ちょっとはそういう気持ちもあった
けど……だってすっごくきれいで素敵な衣装だし。
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そ、それよりお兄ちゃん、桃子いっぱい動いたから
喉が渇いてきちゃったんだけど。
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ははっ、わかったよ。
すぐに持ってくるけど……ジュースでいいか?
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そうじゃなくて。お兄ちゃん、
映画での桃子の役、忘れたの?
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え? ……あっ。コホン。「ただちに、
冷たいオレンジジュースをご用意いたします。お嬢様」
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よろしくってよ。でも急がないと、
もっと命令しちゃうかも。気をつけてね、お兄ちゃん♪