(今日は劇場で、雑誌の取材がある。 紬もそろそろ来る時間だと思うけど……)
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(今日は劇場で、雑誌の取材がある。
紬もそろそろ来る時間だと思うけど……)
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おはようございます、プロデューサー。
すみません、お待たせしてしまいました。
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私服で来てほしいとのことだったので、
準備をしていたのですが。少々手間取ってしまって。
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え? ああ、おはよう。
大丈夫。全然待ってないよ、時間通りだ。
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そうですか。よかった……。
……あの、ひとつ聞いてもよろしいでしょうか?
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私が挨拶をした時、少しだけ間がありましたよね。
まさか、何かおかしなところでも!?
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いや、おかしなところはないよ。髪型とか服装とか、
いつもと雰囲気が違ったから、一瞬……。
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……なるほど、よくわかりました。
これ以上の言い訳は、不要です。
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見慣れたあなたでも、容姿が変わったことで、
私が誰なのか、判別がつかなかったというのですね。
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常々、鈍感な方だと感じていましたが……
これほどまでに薄情だとは、思ってもみませんでした。
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誤解だ、紬! まあ、見間違えたのは確かだけど……。
それは紬が綺麗だったから、一瞬言葉に詰まったんだ。
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え? ……えっ? き、れいに……ええっ!?
な、なな、なに言うとるん!?
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き、綺麗だなんて……
がんこ恥ずかしい台詞を、すらすらと……!
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え? なんか、ごめんな。
ただ、本当にそう思ったから伝えただけで……。
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で……ですから、そういうところです!
大人でしたら、恥じらいを持ってください!
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私も少々勘違いをしてましたし……。
その……褒めてくださったのは、本当に嬉しいです。
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ああ。でもよく似合……おっと、恥じらいだったな。
とにかく、この後の取材よろしくな。
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もちろんです。誠心誠意、私自身の言葉で、
しっかりとお答えできるよう努めます。ただ……。
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先に、メイクを直してきてもよろしいでしょうか?
……あなたのせいで、汗をかいてしまったようなので。