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(時代劇の主演が決まり上杉謙信を演じることになって
から、千早は毎日遅くまで居残り練習をしている……)
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「我こそは越後の龍、上杉謙信! 毘沙門天の加護に
より、この地に平穏をもたらしましょう!」……ふぅ。
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お疲れさま、千早。
ずいぶんと気合い入っているな。
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あっ、プロデューサー、お疲れさまです。
じきに全体稽古が始まりますから。
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私は主演ですし……役者の皆さんの足を引っ張らない
ためにも、しっかり仕上げておきたいと思って。
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なるほど、さすが千早だな。
でも、あまり根を詰めすぎるのもよくないぞ。
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いえ、そんなつもりは。自分が納得できていないまま
では、どうにも落ち着かなかっただけです。
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そうか。
さっきの演技も、すごくいい感じだったと思うけどな。
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そう言ってもらえて、嬉しいです。
でも、私はアイドルで、演技は専門外ですから。
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演技のお仕事は初めてではありませんが、
今回共演する役者の皆さんに比べれば、まだまだです。
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それに、今回は時代劇ですから。お芝居とはいえ、
演じるのは実在した人物なので……。
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上杉謙信ファンの人に見られて、
恥ずかしくない演技をしたいわけか。
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はい。
だから、できる努力はしておきたいんです。
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そうか。……うん、そういうことなら俺も、今まで
以上に協力するよ。できることがあれば、言ってくれ!
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あ、ありがとうございます。協力……
では、読み合わせに付き合っていただけませんか?
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お忙しいとは思うのですが、プロデューサーを
頼らせてもらえると、すごく心強いです。
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(千早の頼みは、もちろん了承。そして毎日、一緒に
練習を重ね……無事、最高の演技を披露してくれた)