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あの、プロデューサー。
ちょっとお願いがあるんですけど、いいですか?
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雪歩か。
そんなにかしこまって、どうかしたのか?
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はい……。今度のお仕事の台本なんですけど、
さ、先に読んでもらえませんか……?
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私、このお話の元になった絵本を持ってるんです。
でも、小さいころに読んで、怖くなっちゃって……。
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もしかしたら、この台本も怖いお話なのかなって思い
ながら読んでると、ぜんぜん頭に入って来なくて……。
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な、なるほど。でも大丈夫だよ。台本はもう目を通した
けど、怖いシーンなんてなかったから。
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ほ、本当ですか? よかったぁ……。
プロデューサー、ありがとうございます!
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ああ。毒リンゴを食べてしまったお姫様を、王子様が
キスで起こすなんて、ロマンチックなお話だし……。
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えへへ、そうですね。
ロマンチックなお話で、お姫様を……王子様が……。
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キスぅ!? そんな私、きき、キスだなんて……!
無理です、絶対無理ですぅ~~っ!!?
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えっ!? あっ、そうだった! 待ってくれ雪歩、
キスといってもフリだけだし、それに……!
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男の人に近づくのだって、プロデューサーで
やっと慣れてきたくらいなのに……ぐすっ。
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と、とにかく、キスなんて私にはできません~!
ううっ、失礼しますぅ~!
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(行ってしまったか。王子様役も女の子だってことは、
伝えたら解決に……なるのか?)