Tender memories ver.YH 萩原雪歩
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(雪歩と千早が主演の映画の撮影が終わった。
テーマは『心を持った人形とその主の絆の物語』だ)
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(ふたりは心を通わせ友達になるが、体の弱かった
主の時間はそう長くなく……という内容なのだが……)
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萩原さん、涙を拭いて。
大丈夫、大丈夫だから……。
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ふたりともお疲れさま! すごくいい演技だった……
って、えっ? 雪歩、いったいどうしたんだ!?
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あの、それが映画のストーリーに少し、
思うところがあったみたいで……。
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こ、こういうお話っていうのは、わかってたん
ですぅ……最後に、お別れがあるってことも。
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でも……。それでもあんなに仲良くなれたのに……
お別れだなんて、やっぱり、悲しすぎますぅ!
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たしかに、すごく切ないストーリーだったからな。
演じてた雪歩達は余計そう思うんだろうな。
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そうですね、それはあるかもしれません。
でも、私は萩原さんとは少し違う感想も持ちました。
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え……? 違う感想?
ち、千早ちゃんは、悲しくなかったの?
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そんなことはないけれど、でもそれだけじゃないわ。
だって、『千早』は悲しむことができたんだから。
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ただの人形だった彼女がそう思えたのはきっと……
ふたりの中に幸せな記憶があったからじゃないかしら。
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幸せな記憶……。そっか、そうだよね。ふたりで
過ごした時間は、悲しいだけじゃなかったもんね。
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大切な友達ができて、色々なお話をして……
きっと、最後まですごく幸せな気持ちだったよね。
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ええ。だから最後まで『千早』は、作ってもらって……
『雪歩』と友達になれてよかったと考えたと思うわ。
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千早ちゃん……。
うんっ、私も千早ちゃんと友達になれて良かったよ♪
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えっ? ああ、萩原さん、違います。
今言ったのは、映画の中の話で……。
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ひうっ! じゃ、じゃあ千早ちゃんは、
そう思ってないってこと……?
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そ、そんな、別に、そういうわけじゃ……。
プロデューサー、見てないで助けてください!
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ううぅ、千早ちゃん~~!
これからも仲良くしてね~~~!
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(映画でも現実でも、大切な出会いがふたりを成長
させていく。これからも見守……って、あれ、雪歩?)