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2人だけの春宵 四条貴音

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(貴音も出演した『音楽フェスティバル』は 無事終わった。貴音は外にいると聞いたけど……)
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ここに居たんだな、貴音。 今日はお疲れさま。
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あっ。お疲れ様です、プロデューサー。 見てください。今宵は、見事な月が出ています。
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お、本当だ。大きくて綺麗だな。 月の光が、少しまぶしいくらいだ。
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ええ。力強き輝き……このような夜には、 歌を一句したためてみたくなります。
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プロデューサー。和歌の中には、 月を題材にした歌がいくつか存在しています。
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古の歌人は、趣深い景色を眺めながら 秘めた想いを句に託したのかもしれませんね。
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そうだな。前に和歌の現代語訳を読んだ時も、 同じことを感じたな。
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何を美しいと感じるかは、人それぞれですが…… 美しきものへ感じ入る心は、皆持ち合わせているもの。
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先人達は、今感じた想いを表現する手段として、 歌を用いていたのでしょう。
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なるほど。詠み手が伝えたいのは、 句から感じ取った印象……情景や感情ということか。
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「桜映ゆ 道の行く先 照らす月」……。
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その……あまりうまくはありませんが…… 今宵の記念に、この歌をあなた様へ。
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うまくないなんて……。 もしかして、貴音が考えた歌なのか?
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はい。今の心情をしたためてみたくなったのです。 きっと、魅力的な月のせいかと。ふふ♪
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改めて、本日はありがとうございました。 また明日からも、よろしくお願いいたします。
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ああ、もちろんだ! こちらこそ、よろしくな。
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プロデューサー、ひとつお願いが。 もう少しだけ、一緒に月を眺めませんか?
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