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律子、お疲れさま。今日のライブは普段と違って、
なんだか不思議な雰囲気だったな。
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はい! まるでタイムスリップしちゃったみたいで、
とっても楽しかったですよ!
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ははは、それは良かった。その不思議な気分を、
お客さんたちにも味わってもらえたんじゃないかな。
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あ、タイムスリップといえば……今日のお客さんに、
もうすぐ100歳のおじいちゃんが来てたんですよ!
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100歳!? たぶん最高齢の律子ファンだな。
でも、なんで知ってるんだ?
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さっきエントランスで、ちょっと話せたんです。
ライブ中から気になってましたからね~。
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すごく元気な方で、いろいろお話してくれて。
私を見ていると、初恋の人を思い出すんですって!
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「アンタそっくりの、すごい美人だったんじゃ」
って。……ふふ、ちょっと照れちゃいました。
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おじいさんの初恋相手か。もしかすると、
今の律子みたいな服を着てたのかもしれないな。
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そうそう、まさにそうだったらしいですよ!
銀座の街で見かけたモダンなお姉さんに一目惚れ♪
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なるほど……。じゃあ、きっと律子を見て、本当に
タイムスリップしたような気分になったんだろうな。
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あはは、おじいちゃんの美しい思い出を、
私がヘンな風に上書きしてなきゃいいんですけどね。
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平気だって。
むしろアップグレードしたかもしれないし。
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ふふっ、なに言ってんですか、もう。
あ、それとも……。
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もし、私達があの時代の銀座で出会っていたら。
プロデューサーも、私に一目惚れしました?
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もちろん。誰にもとられないように、
真っ先に声をかけただろうな。
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え、あ……そう、そうですか。ふうん……。
どうしようかな……。
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「うちの事務所に来て、アイドルにならないか?」
って。でないとすぐ、ほかの事務所にとられそうだし。
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へっ? ……あはははっ、なるほど!
プロデューサーらしいですね。
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まあ、あの時代にアイドルなんて言い方を
してたかどうかはわからないけど……。
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今日みたいなステージで、律子に歌ってほしいって、
俺なら思うだろうな。
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はいはい、よ~くわかりました。
ふふっ、ありがとうございます。
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じゃあ、もし本当にタイムスリップしちゃっても、
そこで、プロデューサーと出会えたら……。
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100年前でも、未来でも、……なんなら月の上でも、
私は……またアイドルになれそうですね!
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(出会いがいつだって、どこでだって。
彼女と共に目指すのは、きっと…変わらないだろう!)