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エンゲージメント・ダンス 秋月律子

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(律子主演のホラー映画が完成し、遊園地で プロモイベントが行われることになった)
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ふふふっ……。雰囲気のある夜になってきましたね。 さあ、準備万端。私はいつでもいけますよ。
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おおっ。気合い充分だな、律子。
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当然です。私は映画の広告塔で宣伝役なんですから。 お客さんをたっぷり怖がらせて、アピールしないと!
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確かに……宣伝は大事だな。 でも、怖がらせる自信はあるのか?
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そうですね。ホラー映画のお約束は予習しましたけど、 ……私の、最新の経験も活かしたいと思ってて。
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最新の、経験……?
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だって……映画のポスター用のスチルを撮った時、 私、ほんっっとに怖かったんですからね!
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あ! あははは……! そ、そうだったな。ははは……。
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わ、笑わないでくださいよ! プロデューサー!
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突然、すごい数のゾンビメイクの集団に囲まれて、 本気で泣きそうになっちゃったんですからね!
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ごめんごめん。あれ、予告なしでやったからな。 だけど律子は、その恐怖体験を活用したいんだろう?
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そうですっ。ああ……でも、今回お客さんを脅かすのは 私ひとりだから、人海戦術は使えないわけで……。
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何か、別の策が必要だよな……。ところで、 スチルを撮った時の律子は、何が一番怖かったんだ?
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それはもちろん、不意打ちでいきなり たくさんのゾンビ役が押し掛けてきたことですよ!
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私の驚きや恐怖の表情を自然に撮るためとはいえ、 気を抜いている時だったから、もう……。
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まあ、気持ちの油断を誘えば、人はより一層 怖がるってことかな。おかげでいい写真になったよ。
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あ……それだわ! お客さんを油断させればいいのよ! 先に軽く笑わせたり、気持ちを緩ませたりして……。
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なるほど、それで行こう! イベントの前に少し 時間をもらえるよう、遊園地側と相談してみるよ。
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ええ! ふふっ、ミニライブやトークなんかで、場を 楽しい雰囲気にしてから、突然、照明が暗転……!
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……お客さんには、しっかりと驚きと恐怖を 楽しんでもらいましょう! ……ふっふっふ!
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(その後、ゾンビメイクを施した律子はお客さん全員を 恐怖に陥れた……背筋が凍るほどの大成功だったぞ!)
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