1
(『聖ミリオン女学園』の撮影も
そろそろ佳境……今は合間の、休憩時間だ)
2
プロデューサーさん、
ちょっとお話いいですか。
3
ええ、構いません。
だけど、どうしてこの場所で?
4
うふふ。ご存じでしたか?
ここは秘密の花園なんです。
5
秘密の花園……単にドラマの設定ってだけじゃ
ないですよね。ここ、本当に秘密の雰囲気が漂ってて。
6
はい。実際に学園の中庭とは繋がっていなくて、
開かずの扉をくぐらないと、入れませんから~。
7
今この場所に出入りできるのは、鍵を預かった
ミス・ラベンダー役の私だけ……。
8
なので、誰にも見つからずにふたりきりになるには
ちょうどいいような……そんな場所なんです。
9
何かドキドキしてきましたが……
それで、お話ってなんですか?
10
あっ、実はさっき……とある人から
撮影オファーを頂いて。
11
私の、衣装姿の写真を、どうしても
この場所で撮りたいそうで……。
12
あれ、俺は知らないですね、その件。
どうしてあずささんに直接、そんな話が……。
13
その場で思わず「はい」って答えてしまったんですけど
この件は内密にして欲しいって、念を押されて。
14
写真を撮るのに、そんなに秘密にしなくては
いけないことがあるんでしょうか?
15
ええっ!? それは怪しいです!
秘密の写真撮影なんて、裏があるに決まってる……!
16
俺が直接、話をしてみます! その人の顔とか覚えて
ませんか? 名前がわかると一番いいんですが……。
17
はい。名前もわかりますよ。
松田亜利沙ちゃん、です。
18
わかりました。松田ですね! まつ……
……あ、亜利沙!?
19
秘密の撮影も楽しそうなんですけど、
どうせなら、みんなも一緒のほうがいいと思って。
20
亜利沙ちゃんに、そう言いに行こうと……あれ、
プロデューサーさん、どうしてため息を?