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白いドレスのマーメイド 高山紗代子

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(南国リゾートでのウェディング撮影が終わった。 明るい日差しの中、紗代子は輝いて見えた……)
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すみません、プロデューサー。撮影終わった ばかりなのに、散歩に付き合ってもらって。
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いいよ、俺も歩きたかったし。 どうする? もう少し遠くまで行くか?
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あ、それなら……撮影で使った向こうのチャペルまで、 いいですか? もう一度見たかったなって。
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チャペル自体も素敵でしたけど、 ハイビスカスの花壇が、とっても綺麗で……♪
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そうだな、凄く綺麗だった。 でも綺麗って言うなら、紗代子も負けてなかったぞ!
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え……わ、私が!? そ、そんないきなり……! ええと……あ、あはは。
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ありがとうございます、プロデューサー。 嬉しいです。ちょっとビックリしましたけど。
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本当だよ。いい笑顔が撮れたって、スタッフの 評判も良かったんだ。きっといい写真になる。
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よかった……。正直、最初は自信なかったんです。 高校生の私が、ウェディングの格好なんて、って。
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でも、ドレスを着て、ビーチの風に吹かれて いるうちに、だんだん元気が出てきたんです!
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そうか……でも今日の紗代子は、元気っていうより、 しっとりした感じだったな。
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そうかも……頑張ろう!って感じじゃなくて。 だけど少しずつ、元気で嬉しい気持ちになって……。
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私もここにいていいんだ、って、自然に思えてきて。 なんだかちょっと不思議ですけど。
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もしかしたら、本物の花嫁さんも 結婚する時、そんな気持ちになるんでしょうか?
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ここに居ていい……居場所。 そうだな、そういうものかもしれない。
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私……また、あのチャペルを訪れたいです。 いつか、本物の結婚式をする時に。
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うん、その時は……よかったら、呼んでくれ。 末席で構わないから。
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末席なんて、そんな。プロデューサーは 私の隣です! あっ……そうじゃなくて、ええと……!
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離れて見守るんじゃなくて、近くにいて欲しいです。 その方が……私、心強いですから。
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はは、そうか。わかった。 できるだけ近くに居られるように、頑張るよ。
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は、はい……ええと、それじゃ行きましょう! どっちが速いか、競争しましょうか? ふふっ♪
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