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(今日はエミリーと、ポスターの撮影にやってきた。
エミリーは堕天使に扮して、カメラの前に立つ予定だ)
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仕掛け人さま、少しよろしいですか?
本日の撮影で、お聞きしたい事があって……。
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うん? もちろんかまわないよ。
俺に答えられることならいいんだけど。
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ありがとうございます! 私、今日の撮影のために、
資料を読み込んでいたのです。
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貼出しの撮影でも、役柄を知ることは大切ですよね?
表情とか、姿勢などの指針に。
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ああ、そうだな。熱心にやってくれてありがとう。
その資料でわからない事があったとか?
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はい、ええと……地上の人間達が
争いをやめない理由が、わからないんです。
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傷つき、嘆き……それでもなお……。
どうして人は、争おうとするのでしょうか……?
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えっ……うーん、難しいな……。
一緒に考えてみようか。エミリーはなんでだと思う?
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わかりません……。
天使は、一生懸命争いを止めようとしているのに……。
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それを無視してしまうなんて……あんまりです。
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うーん……でも人間達にも、
どうしても、ゆずれない事があるのかもしれないな。
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そうだな……たとえばエミリーは、オーディションで
仕事が取れたときは、やっぱり嬉しい?
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そういうオーディションで、他のアイドルに
手を抜いてくれって言われたら、どうする?
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えっ、それは……できません!
お仕事ができるのは、私だけの力ではありませんから。
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劇場のみなさんや、仕掛け人さま……。
それに、ごヒイキ様方のおかげです。
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みなさんのご恩に報いるためにも、
私は、本気で挑まなければならなくて……はっ。
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うん。人間達もきっと、今のエミリーみたいな
気持ちで、戦いに行くんじゃないかな。
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なるほど……! だから天使は、こんなにも
悲しんでいるのですね……どうしようもないからこそ。
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仕掛け人さま、ありがとうございます!
私、この役柄の悲しみが、わかった気がします。
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見ていてください。大和撫子として、
堕天使として……最高の貼出しにしてみせますっ!
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(仕事の話ができた事で、エミリーも気持ちが引き
締まったみたいだ。きっといいポスターになるぞ!)