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(映画の撮影開始まで、あと少し。志保は
プレイボーイな役柄に、苦戦しているようだ……)
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「へえ……髪型変えたんだ。よく似合ってる」
……違うな。ここはもっと、軽い感じで……。
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お疲れ様、志保。
なかなか納得いかないみたいだな。
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あ、プロデューサーさん。お疲れさまです。
納得……そうですね。
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そもそも、どうやって納得すればいいのかわからない
というか……自分とは、あまりにかけ離れているので。
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確かに……。なら、少しずつ考えてみたらどうだろう?
志保はこの役柄、人物について、どう思ってるとか。
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好きか嫌いかでいうと、好きじゃありません。
でも、嫌いなままで演じられる気もしなくて。
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できれば彼……有馬朔夜という人を、きちんと
理解した上で演じたいと思うんですけど。
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女性を喜ばせるために、やたらと褒めそやす色男……
言葉だけでいうと、女性の敵みたいな存在だしな。
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そうですね。ただ、妥協はしたくないんです。
本番までに、できる限りのことはしたくて。
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大勢の女性を褒めそやしていても、決して彼女達に
嫌われない……そこにヒントがあるのかもしれないな。
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大勢の女性を……あっ。
いるじゃないですか、そういうのが得意な人。
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プロデューサーさんのことです。
得意ですよね? 女性を褒めて、喜ばせるの。
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ええっ!? いやいや、そんな事はないぞ!
褒め言葉なんて、劇場のみんなにしか……あっ。
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自覚しました? いつもみんなのことを褒めて、
喜ばせてあげていますよね。
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そういう時、どんな思いで言葉選びをしているのか……
教えてください、プロデューサーさん。