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(猫の世界を舞台にしたファンタジー映画で、
主演を務める志保。撮影は今のところ順調だが……)
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あの、プロデューサーさん。撮影した映像は
あとどれくらいで見られるようになりますか?
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えっ? どれくらいって……あっ。
CGで加工した後の映像のことか?
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はい。猫たちは、人間のような動きをするから
CGで合成すると聞いて……。
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完成したら、見せてもらうことってできますよね?
少しだけでもいいんですが。
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ああ、完成したらな……。でも志保が言ってるのは、
それよりも前に見たいってことだよな?
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はい。今は私ひとりで撮影してますけど……
本当にこのままでいいのか、気になって。
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そうだよな……。相手がいないから、
会話のイメージとか掴みづらいよな。
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スタッフさんが、目の高さを教えてくれますし、
シーンの雰囲気とかも説明してくれますが……。
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……だよな。確か、簡単な合成でイメージの確認を
してるそうだから、あとで聞いてみるよ。
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よろしくお願いします。あっ、でもやっぱり早く……
い、いえ! 何でもありません……。
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志保……?
他にもあるなら、今のうちに言ってくれ。
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えっと……笑わないって、約束してくれますか?
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そ、その……早く、見てみたいなって、思って……。
猫の世界にいる、自分の姿を……。
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演技の参考にっていうのも本当なんですけど、
その……猫、が……。
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は、はい! 実は、小さい頃に想像したことが
あるんです。猫とお喋りして、仲よくなるお話を……。
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そんな世界が、本当にあったらいいのになって。
今は、想像してませんけど……。
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へえ。じゃあ今回の映画は、
昔の志保の夢を叶えたってことだな。はははっ。
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そうですね……って、プロデューサーさん。
笑わないって、さっき約束しましたよね?
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あっ、すまない! 可愛らしいなと思って、つい。
お詫びに映像の件、すぐに相談しに行くから!
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…………っ、はぁ、もう……。
お願いします。……早めに見られたら嬉しいです。
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(その後、簡単に編集した映像をみていた志保。画面を
みつめる瞳は、いつもより輝いていた気がする……)