1
(ひなたを探していると、更衣室にいた。
熱心に鏡をのぞき込んでいるみたいだけど……)
2
あっ、プロデューサー。お疲れさんです。
ありゃあ、見られちゃったべさ……えへへ。
3
お疲れさま、ひなた。
そんなに鏡をのぞき込んで、どうしたんだ?
4
うん。えっと……ちょっこし恥ずかしいから、
みんなにはナイショにしてねえ。
7
うん。今度、劇場で『果てしなく仁義ない戦い』の
試写会とお渡し会をするって聞いたからねぇ。
8
挨拶の時くらい、組長さんらしく
怖い顔になれんかなぁと思ったんだけども……。
10
はぁ……そうだよねぇ。さっきから練習してるのに、
なんだか、ちっとも怖くならないんだわ。
11
映画の中では、ちゃんとできたと思ったんだけども。
やっぱり、お芝居は難しいべさ。
12
桃子センパイに相談したら、「怖いセリフを言って
みたら?」ってアドバイスをくれたんだけども……。
13
なるほど。確かに、怒ったりしている時のほうが
怖い顔になるかもしれないな。
15
そうだな。じゃあ試しに、俺に怒ってみたらどうだ?
魅梨音組の幹部……木下組の敵対勢力だと思って。
16
プロデューサーを……わかったべさ。
……あ、あー。
17
あんたが、魅梨音組のプロデューサー?
へぇ……そうかい。
18
このあたしに楯突くとは、
あんた、いい度胸してるねぇ……。
20
おお……今のは良かったんじゃないか? ひなた。
ひなた組長っぽかったと思うよ。
21
本当かい? 練習したかいがあったよぉ。
ありがとね、プロデューサー。
22
けど、困ったねぇ。挨拶の時は、
誰に怒ればいいんだろか……? う~ん……。