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(『昏き星、遠い月』の公演が近付き、みんなの
レッスンに熱が入ってきた。中でも熱心なのは……)
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あら、プロデューサー。
ちょうど良かったですわ。
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わたくし、プロデューサーに
聞きたいことがありましたの。
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ええ。あ、あくまで役作りの上の、
ちょっとした疑問なのですが。その……。
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もし……もし、ですわよ? プロデューサーが
アレクサンドラの妹の、ノエルだったら……。
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本当のことを話して欲しいと思いまして?
その真実が、喜ばしいことではなかったとしても……。
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優しい嘘なら……いえ、たとえどんな理由であれ、
嘘をつかれるのはイヤですわよね……?
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理由によるんじゃないかと思います。アレクサンドラは
大切な妹だからこそ、ウソをついたんでしょうし……。
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それは……そうですわね。けど、大切な人につく嘘が、
必ずしもそういう理由とは限りませんわ……。
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なら……俺は、
相手の人が話してくれるのを、待とうと思います。
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それに、本当の事を言うと、どっちでもいいんです。
嘘をつかれていても、いなくても。
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はい。大事なのは、目の前にいるその人ですから。
その人の事が信じられれば、大丈夫だって思います。
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プロデューサー……。
もう、貴方という方は、とんだお人好しですわね。
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そんなことでは、いつか悪い人間に
だまされてしまうかもしれませんわよ?
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でも、勇気……そうですわね……。
わたくしもいつか、そんな勇気を持てたら……。
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アレクサンドラの話なのに、そんなに真剣に……。
千鶴さん、役に入り込んでますね。本番が楽しみです。
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えっ!? え、ええ。そのとおりですわ!
この公演、わたくしが必ず成功させてみせますわよ!