1
(現代伝奇ホラーの撮影は無事終了。狂気の妹役を
演じた桃子は、圧巻の演技を見せてくれた……!)
2
お疲れ様! 難しい役だったと思うけど、
さすが桃子。バッチリ演じきってたな。
3
ふふん、当然だよ。
桃子はプロだもん、どんな役でも関係ないよ。
4
はは、そうだな。でもさっきのシーンは、ただ演技が
すごいだけじゃなくて、まるで華子そのものだったよ。
5
ふぅん。お兄ちゃん、桃子の演技を見て
そんなこと思ってたんだ。
6
けっこう見る目あるんだね。
たしかにあの時、すごく役に入りこんでたかも。
7
そうか。……みんなが心配するくらい、桃子自身、
今回演じる役に思い入れがあるんだな。
8
ちょっとね……うまく言えないけど、演じるうちに、
華子の気持ちがわかってきたんだ。
10
うん。たしかに怖い子だし、みんなを
傷つけちゃうようなこともしちゃうけど……。
11
でもきっと、華子は寂しいんじゃないかなって。
大事な人が、自分から離れていっちゃったりして……。
12
撮影を通して、華子という人物の内面が
わかったって事か。
13
うん……それにそういう気持ち、桃子も知ってるし。
だからいつも以上に、思いがこもったっていうか。
14
……あ、別に今の桃子が、寂しいって思ってるわけじゃ
ないからね! 劇場のみんなやお兄ちゃんもいるし。
15
ああ、もちろんわかってるよ。それに、
俺もその中に入れてもらえてて嬉しいな。
16
当たり前でしょ! お兄ちゃんは
桃子のプロデューサーなんだし……。
17
だから、いい? これからも桃子のそばにいること。
じゃないと華子みたいに怒っちゃうんだからね!