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在りし日の歌姫 ジュリア

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(夏といえばホラー。肝試しの企画で、 ジュリアはかつての歌姫を演じたのだけど……)
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ふぅ……。
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お疲れさま、ジュリア。 まだ帰ってなかったんだな?
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ああ、あんたか……お疲れさん。 ちょっと、考えごとをしてたんだよ。
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あたしがやったの、女性シンガーの霊だったろ? なんか、乗っ取られてたとかみんな言ってるけど……。
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そうだな、全然別人に見えていたけど…… ジュリアはその時の事、記憶にないんだな。
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ああ。だから、イマイチ現実味がないんだけど…… もしあたしが同じ立場なら、とか考えちゃってさ。
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さ、さすがにそれは縁起でもない気がするが……。 何か悩みとか、辛い事でもあったのか?
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待て待て、ヘンな意味じゃないって! そんな悲しそうな顔するなよ……ったく。
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逆だよ、逆。後悔しないためにも、あたしは 全力で駆け抜けてやるって、気合いを入れてたんだ。
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なんだ……そうだったのか。 深刻な顔をしてるから、ビックリしたよ。
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はは、あんたの心配性は筋金入りだな。
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そりゃ心配もするさ。俺は ジュリアのプロデューサーなんだから。
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ん……まあ、なんだ。そう改まって言われると、 ちょっとくすぐったいな……。
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でも、あんたがいてくれるから、あたしは 安心してアイドルをやってられる。
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あたしとあんたは、いい感じにバランスが取れてると 思うし……だから心配すんなって。
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相棒を悲しませないためにも、 あたしは前を向いてないとな!
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そうだな。俺もジュリアの相棒として、 これまで以上に気合いを入れてプロデュースするよ。
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ああ! サンキュ、プロデューサー。
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(そう言ったジュリアは、穏やかな表情をしていた。 あの時のように……ん? あの時のように……?)
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