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(MVを撮影した後、インタビューを受けていた
ジュリアが戻ってきたが……機嫌が良さそうに見える)
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待たせたな、プロデューサー。
楽しくて、つい予定より長く喋っちゃってさ。
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ちょっと熱が入りすぎたっていうか……
でも、お陰で初心に帰れた気がするよ。
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全然、気にしてないよ。
それよりも、何を話してきたかの方が気になるな。
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ああ……えっと。あたしがロック好きになった、
最初のきっかけについて聞かれたんだけど。
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前にも話したっけ? あたしのじいちゃんと
ばあちゃんが、バンド好きでさ。
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小さい頃、ふたりの家でレコードを聞いたのが始まり。
それが今のあたしに繋がってるんだ。
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そうだったのか。そのレコード、
よっぽどジュリアの心に響いたんだな。
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そりゃもう、恥ずかしいぐらいに響いたよ。
曲に合わせて、ギターの弾きマネをしたりしてさ……。
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じいちゃんにギターを買ってもらって、ちゃんと
弾くようになって。それからは、色々あったな。
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何せ、バンドをやってたはずが
今じゃアイドルになってるしな?
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はは、確かにそうだな。
伝えたかった事は、伝えられたか?
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言いたかったことが全部伝わったかどうかは、
正直なところ、あたしにもわからない。ただ……。
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読んでくれた誰かの心に、何かが響いたら、
それでいいかなって。
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あたしみたいに、音楽で、人生が
丸ごと変わっていく可能性だってあるしな。
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そうだな。俺がジュリアと出会えたのも、
元を辿れば、一枚のレコードのお陰って事だもんな。
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音楽に背中を押されたジュリアが、違う誰かの
背中を押すかもしれない。それは素敵な事だと思うよ。
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ま、夢を追うかどうかは人それぞれだけどな。でも、
絶対に悪いことにはならないって、あたしが保証する。
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結果がどうなったとしても……本気で
向き合った時間は、最高の思い出になるからな!
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(ジュリアの晴れやかな表情を見れば、誰もが
納得するだろう。その言葉に、嘘が一切ない事を)