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(これからみんなで、ドラマの立ち稽古を行う。
本番へ向けて、良い準備をしたいな)
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物語は、佳織のモノローグから始まるんですよね。
曲でいえば前奏のようなもの……頑張って演じます!
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人生にドラマみたいなことなんて起こるわけがない。
なぜなら私は、ごく普通の人間だから。
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容姿も学歴も、おおよそ平均程度。たまたま、
それなりの会社へ就職できたけど、ただそれだけ。
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人並みの恋愛経験を通して、気付いたことがある。
それは、白馬の王子なんて、迎えに来ないということ。
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とはいえ、別に悪くはない人生だと思う。
夢を見ることは忘れてしまったけれど。
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人生にドラマみたいなことなんて、
起こるわけがないのだから……。
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と、そう思っていた。
そう、あの日までは……。
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わぁっ♪ 歌織さん、ナイス普通って感じでした!
とっても面白かったです♪
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そうかしら? ふふっ、ありがとう、麗花ちゃん。
佳織のこと、ちゃんと演じられそうな気がして来たわ♪
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次は、好美のキャリアウーマンっぷりを表現する
シーンね。見てて、プロデューサー♪
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私も、台本はしっかり頭に入れてきたつもり。
最高にセクシーな助演女優を目指すわ!
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……この企画書、今のままじゃダメね。
もっとインパクトのあるものに作り直してちょうだい。
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いい? 今度のプレゼンは、我がミリオン商事に
とって非常に重要なものなの! 気合いを入れなさい!
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……あら、電話が。はい、もしもし。……ええっ、
また、総務二課でトラブルですって!?
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だから、それ私の担当じゃないって言ってるのに……。
ああもう、なんとかするわ。ちょっと待ってて。
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……はぁ~。頼られるのはうれしいけど……。
今日も終電で帰ることになりそうね。
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こーのみ♪ 今日、ヒマだったら合コン来ない?
今回のメンツは何と、弁護士なのよ!
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莉央……。この前のニートしかいない
合コンで懲りたのかと思ってたわ。
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まさか! いい男を捕まえるその日まで、
私は諦めないわよ!
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すごい……! このみさんの、ちょっとくたびれた
感じの演技、リアリティたっぷりでしたよ!
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ふふ、ありがと。会社員時代のことを思い出しながら
演じてみたんだけど、正解だったみたいね!
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似たようなこと、たくさんあった気がするわ……。
もう会社ごとなくなっちゃったけど。
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そういえば、このみ姉さんの会社員時代の話って、
あまり聞いたことないわね。今度、聞かせてよね♪
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さて。次は、玲香の家のシーンだ。
4人共、準備してくれ。
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荒れてるわね、楓果。
彼氏にデートでもすっぽかされたの?
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おかえり、好美。それがね、楓果の彼……
他に奥さんがいたんですって。
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えええっ!?
つまり……既婚者だったってこと!?
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はぁ~。
相変わらずの不幸体質ね、楓果……。
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ひっく……。結婚の約束までしてたのにぃ……。
玲香ぁ~、おかわり~……。
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お酒はもうダメです! その代わり、
楓果ちゃん、ぎゅぎゅぎゅ~っ♪
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ひゃっ! どうして急に抱きついて……!?
だ、台本と違うよ、麗花ちゃん?
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いや、このまま続けてみてくれ。
本番でも、アドリブは入るだろうし。
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わ、わかりました……。
麗花ちゃん、お手柔らかにね……?
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うん、イヤなことは眠って忘れるのが一番です!
今日はみんなで「五」の字になって眠りましょう♪
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よ、4人で五の字に……
うん、なるなる~! 私が真ん中の棒だからね~!
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アドリブにちゃんと対応して……
すごいわ、風花ちゃん!
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毎日毎日、仕事ばかり。
どこかに私に釣り合う男はいないかしら。
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好美! スゴいものを手に入れたの。
セレブパーティーへの招待状よ!
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この機会にセレブになって、人生を変えましょう!
セレブ王子を捕まえて、玉の輿に乗るの!
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セレブになれば、あの人を見返せるかも……!
うんっ、わかった! そのパーティー、参加するわ!
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ちょ、ちょっと待って、みんな落ち着いて!
私達がセレブパーティーだなんて、そんな……。
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こんなチャンス、二度と来ないわ! 白馬の王子が
迎えに来ないなら、自分から迎えに行くの!
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そ、そうね。楓果のことも心配だし……。
決めたわ。私もパーティーに出席する!
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お疲れさま。これで、今日の立ち稽古は終わりだな。
いい感じだったと思うぞ!
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この前のエレオノーラ役も楽しかったけど、
こういう、自分に似た役も面白いわね♪
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私も、すっかり感情移入してしまいました。
演技をする上では、よくないのかしら……?
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そうだ、今日は飲みましょうよ!
女磨きのための作戦会議♪
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いいわね! あ、でも私は、もう少し残って
練習するわ。1話は私の台詞、少し多めなのよね。
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私も、もう少し残ります。
ドラマへの本格的な出演は、これが初めてですから。
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そう? じゃあ、先に私達、麗花ちゃんの家で
飲み会の準備しとくわね♪ ムリはしないでよ?
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俺はこのみさん達に付き合いますよ。莉緒の
言う通り、ムリのないところで切り上げましょう。
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(その後、一時間ほど残って、演技レッスンをした。
ふたりとも少しずつ役の演じ方に慣れてきたみたいだ)
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今日はこれぐらいにしておきましょうか。
演じてみての感触はどうですか、歌織さん。
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不思議な感じです。なんだか、別の人生を歩んだ
場合の私になりきっている、というか……。
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いろんなところを重ねてしまいますね。
でも、ドラマの中の佳織の方が立派ですけど。
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それは……プロデューサーさんがいないのに、
新しい世界に飛び込もうとしているところです♪
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新しい世界に続く、レッドカーペット……。
私ひとりでは、歩き出せませんでした。
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なるほど……。でも、俺はただのきっかけですから。
カーペット自体、みたいなもんです。
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まあ。それじゃ、エスコートは
してくださらないんですか?
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……はは、すいません。
もちろん全力で、エスコートしますよ。
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このドラマが、歌織さん達がトップアイドルになる
ためのレッドカーペットですからね!
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ふふっ、まずは私たちがアイドルとして、ドラマの
好美たちに負けない輝きを身につけないとね。
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さあ、明日からも磨き上げるわよ~!
私達だって、まだまだ花盛りなんだから♪
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(今回のドラマに出演する大人なアイドル達……)
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(彼女達の花を、より綺麗に咲かせるために、
もっと、プロデュースを頑張っていかないとな!)