MLTD Archive(β)

高みを目指して!

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(今朝、歩が何かを気にしているようだったけど、 結局聞きだすタイミングがなかった……)
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ふう……。 今日は、こんなところでしょうか~。
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お疲れさま。みんな、見違えたよ。 すごく迫力のあるダンスになってたぞ!
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ありがとうございます、 プロデューサー!
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やっぱり、今みたいなダンスの方が、 今のアタシたちにも合ってるのかな……。
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月のイメージと一口に言っても、ひとつじゃない。 いろいろ試して、レベルアップしていこう!
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今回の私達は、 夜の闇を彷徨う子豚ちゃん達を導く月……。
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激しいだけでも、穏やかなだけでもなく。力強さと 優雅さを兼ね備えていなくてはいけませんからね~。
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おお……さすが朋花、 しっかりしてるっていうか……。
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そうだね! いろいろ試して、 もっともっと表現の幅を広げていこう!
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あ、そうそう、歩さん? ちょっとこの後、残ってもらっていいですか~?
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へっ!? あ、アタシ!? 時間はあるけど……どうしたの?
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うふふっ。それは秘密、ですよ~。
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ん? 朋花、仕事の話なら、 俺も残った方がいいよな?
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何を言っているんですか? プロデューサーさんが残るのは当然です~。
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担当アイドルを置いて帰ろうとするなら、 罰を与えますからね~?
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……そ、そんなこと、するわけないだろ? じゃあ俺も残るから……紗代子、お疲れさま。
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では、準備をして来ますから、 少し待っていてください~。
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(というわけで、朋花と歩の居残りミーティングに 俺も付き合うことになった)
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……プロデューサー、どうしよう!? アタシ、朋花に怒られるかも……。
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えっ? どうしたんだ、突然?
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ほら、今朝も言ったけど、なんかアタシだけ、 みんなの役に立ててない気がしない?
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だってアタシ、物静かでも落ち着いてもいないし、 ミステリアスでもないし……。
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月の公演なのに、全然月らしいことできてないんだよ! でも、朋花はその辺カンペキだから……。
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いや、歩、それは……。
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……お待たせしました~。 実はですね、歩さん。
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ひぇっ。は、はいっ!
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歩さんに、ダンスの特訓をしてもらいたいんです。 お願いできませんか~?
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うんゴメン、できません! ……え? い、今なんて?
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? ダンスを教えてください、と言ったのですが……?
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ダンス!? って、なんで? 朋花なら、もうバッチリできてるじゃん。
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ふふっ、あの程度で満足してはいられません。 紗代子さんも言っていましたよね?
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私を崇拝する子豚ちゃん達のためにも、 聖母として、月として。高みを目指さなくては~♪
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……そういうことか。 なんか、アタシ……ますます肩身が狭いなあ。
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あら……。どうしてですか?
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うん……さっきプロデューサーにも言って たんだ。アタシだけ、全然月らしくなれてないって。
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月らしく……ですか? でも、歩さんはもう、 立派に月を体現してるじゃありませんか~。
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へ……? ど、どういうこと?
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歩さんは、本場のダンスを学ぶために アメリカまで行かれたんですよね~?
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えっ。……う、うん、そうだけど?
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本場の子豚ちゃん達にも喜んでもらうために、 たくさん努力をしたんですよね~?
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いや……っ。そんなに 大したもんじゃないんだよ!
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アタシはただ……みんなと一緒に最高に盛り上がれる くらい、踊れるようになりたかった……それだけだよ。
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そうですよね。そういう姿勢を、 私も聖母として見習いたいと思います~。
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え……?
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……そうだな。最高に盛り上がりたいっていう歩の 気持ちは、つまり、みんなに輝いてほしいって事だし。
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それで歩も最高に輝けるっていうなら……。 歩はこれ以上ないくらい、月らしいってことだ!
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ええっ!? そ、そうなのかな? そんなホメられる と……く、くすぐったいっていうか、恥ずかしいよ~!
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恥ずかしがることないだろ? もっと自信を持っていいと思うぞ!
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う、うん……わかった。 サンキュー、朋花! プロデューサー!
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おかげで、自信……とまではいかないけど…… うん、スッキリした!
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よしっ、んじゃバリバリっといきますか! さあ朋花、ダンスの特訓、スタートだ!
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ふふっ、ありがとうございます。 では、よろしくお願いしますね~♪
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(ふたりの特訓は夜まで続いた。さすがの朋花も、 歩にみっちりしごかれてヘトヘトみたいだ)
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大丈夫か、朋花? 歩は先に帰したし、朋花が帰るのは もうしばらく休んでからでもよかったんだけど。
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ふふ。私の心配だなんて、十年早いですよ~♪ 聖母として、月として……このくらいは当然です~。
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そうか。でも、無理だけはするなよ。 月だって、たまには雲間に隠れるんだからな。
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…………。
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ふふ、なんですか~? そんなことを言って 自分が休みたいだけじゃありませんよね~?
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いや、そんなつもりは…… あ、でも、ちょっと休みたいかな?
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……すぐバレるウソをつく人は、お仕置きですよ?
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はは、ごめんごめん。 大丈夫ならいいんだ。
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……ふふっ。安心してください。 今後、私に休息が必要な時は……。
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あなたに、私の雲となってもらうことにします。 責任重大ですよ、プロデューサーさん♪
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もちろん、構わないよ。 いつでも呼んでくれ!
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(朋花の顔に、普段とは少し違う表情が浮かんでいた 気がするのは……月のせいかもしれないな)
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