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(今日は律子と可憐、ふたりだけの新曲レッスンだ。
地方公演のレッスンと平行だけど……)
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うん、いいじゃない。その調子よ、可憐!
今のは軸もブレてないし、堂々としてて良かったわ!
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はぁ、はぁ……り、律子さんの、おかげです……。
丁寧に、アドバイスしてくれたから……。
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私はただ、アドバイスをしただけよ。
頑張ったのは可憐だってこと、忘れないで。
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(律子と可憐……意外だけど、案外
いい組み合わせだったのかもしれないな……)
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ふたりとも、お疲れさま! かなり進んだし、
今日はここまでにしよう。しっかり体を休めてくれ!
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(あ、律子さん……まだ、帰ってなかったんだ……。
本、読んでるみたいだけど……何の本なのかな……?)
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(声を、かけてみようかな……。
でも……じ、邪魔しちゃうかな……うぅ……)
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ふぅ。可憐、どうしたの?
さっきから、うろうろして。
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ひゃあっ!?
あ、あの……き、気づいてたんですか……?
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ふふっ、そうね。可憐が近くにいると、なんだか
いい香りがするんだもの。今日は何をつけてるの?
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あ、え、ええと……
ローズマリー……です……。
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ローズマリーって、料理とかに使う?
スーッとした香り……アロマにも使ったりするのね。
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は、はい、そうなんです……。ローズマリーは、
自信が出る香りとも、言われてるんですよ……。
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なるほどね。可憐が最近調子がいいのは、
そのアロマのおかげかしら?
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そ、それは、香りというか、律子さんのおかげで……。
あの……ど、読書の、邪魔じゃないですか……?
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ううん、大丈夫よ。
ちょっと休憩しようかと思ってたところだから。
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あ……えっと……。な、何の本を読んでたか、
聞いてもいいですか……?
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これ? ただの恋愛小説よ。
今回の新曲は恋の歌だし、ま、研究ってとこかしら。
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け、研究……!? さ、さすが……。
私も、見習わなきゃ……。
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あの……り、律子さんは、こ、恋とか……
したこと、あるんでしょうか……?
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え!? な、ないない! ない……と、思うけど……。
そ、そういう可憐はどうなのよ?
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わ、私!? わ、私は、恋だなんて……
そんな心の余裕、ないです……。
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心の余裕……たしかにね。
私たちはアイドルだし、やることがあるものね。
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でも、アイドルだから恋愛に興味を持っちゃいけない
ってこともないわよ? こうして必要な時もあるし!
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私も、研究なんてちょっとカッコよく言ってみたけど。
本当は単に好きなのよ、こういう小説が。ふふっ!
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えっ……そ、そうなんですか?
ちょっと、意外……ああっ、ご、ごめんなさい!
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あはっ、いいのよ! 自分でもそう思うもの。
それよりこの本、可憐も読んでみる? 面白いわよ!
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(ん? あそこにいるのは……律子と可憐か。
最近、よく一緒にいるみたいだな)
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プロデューサー、お疲れさまです。
今日は仕事、大丈夫なんですか?
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う、うん。今度は溜めないようにするよ……。
ところで律子、可憐と何をしてたんだ?
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可憐が、本に挟むしおりをくれたんです。
私が本を読んでる時に話しかけちゃったからって。
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気にしなくていいって言ったら、「なら、いつも
レッスン見てもらっているお礼に」ですって。
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そうだったのか。
いい香りがするのは、そのしおりか?
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ええ。プロデューサー、知ってますか?
これ、ローズマリーの香りなんですよ。
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この前、私が「いい香りね」って言ったからかしら。
ほんと可憐って、周りに気を遣う子ですよね……。
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ああ。でも最近は、随分明るくなってきた気がするよ。
律子に任せて正解だったな。
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私は何も……あ、そうだ、プロデューサー。
ちょっと話したいことがあるんですけど、いいですか?