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(律子と可憐の話し合いが始まった。
可憐は両手を、白くなるほど握りしめている……)
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あのね、可憐。別に永遠にさよならするとか、
公演に出ないって言ってるわけじゃないのよ?
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ただ、新曲ってやっぱり、公演の目玉だから。
違う子の方がいいんじゃないかって提案してるのよ。
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可憐、大丈夫だよ。ゆっくり話せばいい。
相手は、律子なんだから。
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律子は、可憐の言葉を受け止めてくれる。
今までもそうだっただろ?
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プロデューサーさん……は、はい。
あの……わ、私……。
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私、律子さんと新曲を歌えるのが、楽しみなんです。
律子さんのこと、す、好きだから……。
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私だって、可憐のことは好きよ。でもそれとこれとは
別。今の可憐なら、もっと上を目指せるわ。
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そ、そんな……。そんなこと、ありません……
全然、別なんかじゃないです……!
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私に勇気をくれたのも、ずっと見ていてくれたのも……
り、律子さんじゃないですか……!
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い、今から他の誰かとなんて、いやです。一緒に
ステージに立つのは、り、律子さんがいいです……!
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律子。可憐に、自信を持てって言ってたけど……
自信がないのは、律子も同じなんじゃないか?
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確かに劇場には、かわいいアイドルがたくさんいる。
でも律子もアイドルで、そのひとりなんだ。
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え、ええと……。
プロデューサー殿、そのですね。
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俺は、律子と可憐のデュオが見たいと思った。
可憐だって望んでるのに、やらないのか?
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律子さん、私……今よりもっと、がんばります!
だから一緒に、す、ステージに立ってください……!
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プロデューサー、可憐……はぁ。
わかったわ。私がやります。
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けど可憐、本当に私でいいのね?
後からクーリングオフって言っても、できないわよ。
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は、はい……! そんなこと、言いません。
律子さんがいいんです……てへへ。ぐすっ。
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律子、お疲れさま。
今回は、後輩に一本取られたな。
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初めから、断る必要なんかなかったんじゃないか?
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うーん……それを言われると、自分が
何に意地張ってたかわからなくなりそうですね。
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私、可憐のことがずっと気になってたんですよね。
美人なのに、いつも自信なさそうにうつむいてて……。
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そんな可憐が、一番輝けるパートナーを
見付けてあげたかった……ってところかな?
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『私よりいい相手がいる』なんて理由で逃げ回るのは、
先輩として感心できる態度じゃなかったですね。
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律子は全体を考えがちだけど……俺は律子自身も、
アイドルであるという事を忘れないでほしいかな。
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そうですね。今回は、ベストなパートナーになるために
自分が努力するってことが、抜けちゃってました。
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けど……可憐ったら、自分の気持ちをまっすぐ
ぶつけられるようになっちゃって。ふふっ。
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可憐は元々、芯の強い子なんだよ。
律子もわかってただろ?
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ええ。私の特訓にへこたれなかったくらいですし。
けど、可憐はともかく……本当に私でいいんですか?
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その答えも、もうわかってるんじゃないのか?
言って欲しいなら、いくらでも言うけど……。
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あー、わかりましたってば! そういうのはいいです!
もうその手には乗りませんよ、まったく……。
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(律子も可憐も、前を向く事ができたみたいだな。
後は地方公演に、全力でぶつかるだけだ!)