1
(今日はアクアリウスのメンバーと、ステージ演出の
打ち合わせ……の、予定だったものの……)
2
サヨが遅れるなんて、めずらしいな。ウチらで遅刻
するのは、あたしかレイって決まってるんだけど。
3
めずらしいよね。あっ、もしかして、
遅刻っていう新境地へのチャレンジとか?
4
そんなチャレンジはしないと思うけど……
待てよ? チャレンジ……?
9
プロデューサー?
麗花さんとジュリアも、どうして3人そろって……
10
あっ、ごめんなさいっ! 打ち合わせでしたよね!?
つい熱中しちゃって……すぐ行きます!
11
いや、そんなに急がなくても大丈夫だよ。
打ち合わせは、少し休んでからにしよう。
13
ずいぶん頑張ってたみたいだな。
……千鶴さん、紗代子はどれくらいレッスンを?
14
1時間ほどですわ。でも……ご安心くださいまし。
あまり根を詰めすぎないよう、見ていましたから。
16
ははーん。さては早速、自分なりの歌い方を
探してみた、ってところか?
17
そうなんだけど……はあ、全然ダメみたい。
やっぱり、なかなか見つからないね。
18
私がまだ子供ってことなのかなぁ。
大人っぽい感じを出そうとしても、手応えがなくて。
20
あーそれ、あたしの方がまずいかもなぁ。
実際、大人じゃないし?
21
たしかに、あの歌の切なさの表現には、
大人っぽい雰囲気も必要かもしれないな……。
22
ちなみに紗代子、
千鶴さんには相談してみたのか?
25
そうか、千鶴なら間違いなく大人だもんな!
しかも、言っちゃなんだけどレイより大人っぽいし!
26
もう、ジュリアちゃん失礼だよ!
千鶴ちゃんは私より、ずーっと大人っぽいの!
28
私、ずっとレッスンに夢中で……盲点でした!
千鶴さん、聞いてもいいですか!?
29
も、もちろん、わたくしに答えられることなら、
なんでも力になりましてよ。
30
ありがとうございます! 早速ですけど、どうしたら
大人っぽく、恋愛のせつなさを出せると思いますか?
32
はい。……私、前にお姉さんぶって、ウィルゴのみんな
の恋愛相談に乗ったことがあるんですけど……。
33
いざ自分が恋の歌を歌うことになったら、
なんにも出てこなくて……うう。
35
ウィルゴ……シズとユリコと昴か。
そういや、いい感じに恋の歌を歌ってたっけ。
36
すごいよね~、まだ中学生なのに。
もしかしたら、ステキな恋を経験しちゃったのかも♪
37
ま、マジか!? 最近の中学生はどうなってんだ?
つーかそういうの、マズいんじゃないのか!?
38
いやまあその話は後にするとして、えーと。
それより、どうですか千鶴さん?
39
……わたくしも、それほど詳しくはありませんけど。
紗代子、顔をあげてくださいまし。
41
恋愛のせつなさというのは、きっと……
自分の思ったとおりにいかないこと、ですとか……。
42
それに思い悩む心や、もどかしい想い、情景……。
そういうものではないかと、わたくしは思いますわ。
43
思ったとおりにいかないこと……。
思い悩む心、もどかしい想い……情景……!
44
わあ~♪ 聞いてるだけで、
とってもせつない気持ちになっちゃいました!
45
楽しそうだけどな……。でも、マジでいいとこ
ついてると思う。さすが大人だぜ、千鶴!
46
あっ、参考になりそうですの? それはよかった……
コホン。まあ、当然ですわ! オーッホッホッホ!
47
でも……そういうのはきっと、
いくらレッスンしても身につきませんよね?
49
どうしよう。私、頑張ることしかできないのに。
このままじゃ、いつまでも……。
50
つっても、いきなり大人にもなれないしな。
うーん……。
52
そ、そうですわね。
ですから、それは……えっと……。
53
(千鶴さんが目で合図を送ってきている……。
そうですよね千鶴さん、こういうときは……!)
56
こういうときに必要なのは、気分転換だ。
ちょっとアクアリウスで出掛けてみないか?