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(今日はミュージカルの練習日。
稽古は始まったばかりだが、みんな好調みたいだな)
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みんな、お疲れさま! もうこんなに
できあがってるなんて……この調子なら、安心だな。
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安心するのは早いのですよ、プロデューサー
さん。姫のお芝居は、こんなものではないのです。
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まつりはこれから、もっともっとわんだほー!な
キラキラまつり王子に、れべるあっぷ!するのです♪
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でも、本当に順調だと思います。
みんな、セリフもほとんど入っていますし……。
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歌も、とってもよくなってると思うわ。
演技は、私はまだまだ頑張らないとだけど。
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志保はどうだ?
なにか、やりづらいこととかは?
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いえ。プレッシャーは、あって当然ですし。今回は
みんな大人で、私も自分のことに集中できてますから。
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ああ……そういえば、このメンバーだと
志保が最年少ってことになるんだな。
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たしかに、そうですね。……ふふっ。どうりでみんな、
志保ちゃんの世話を焼きたがってると思った。
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はい。私だけでなく、まつりちゃんも歌織さんも……
休憩の度に、志保ちゃんにいろいろ勧めたりしていて。
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そうか……なるほどな。志保はしっかり者だから
同世代や年下から、何かと頼られがちだが……。
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このメンバーの中では、
志保が妹ポジションってことだな!
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別に、そんなポジションはいらないんですけど。
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このお芝居はまつりたち3人が王子様なのですから、
志保ちゃんは『姫ポジション』なのです!
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ふふふっ。……あ、いけない。
私、そろそろ次のお仕事に行かないと。
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ほ? ……姫もだったのです!
カボチャの馬車を呼ばないとなのです~。
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そうか、ふたりはこの後取材だったな。
気をつけてな!
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はい。それじゃ、失礼します。
志保ちゃん、歌織さん、また明日!
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いってくるのです~。
琴葉ちゃん、急ぐのです!
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はは、賑やかだな。
それじゃ、俺達も解散にしようか。
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あ、ちょっと待ってください。その前に……
志保ちゃん。歌のことで、ちょっといい?
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ふふ、そんなにかしこまらないで。
悪いところがあったわけじゃないから。
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志保ちゃんはもともと素質もあるし、勉強熱心だから、
このままでもきっといい舞台にできると思う。
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でも、もう少しだけ考えることができたら……
より高いところを目指せるんじゃないかなって思うの。
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では、質問! ミュージカルの登場人物は、
どうして歌い始めるんだと思う?
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それは……そういうものだから、じゃないんですか?
ミュージカルは、歌と演劇を合わせたものだから……。
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違うんですか? 歌織さん。
正直、俺も志保と同じように考えてたんですけど。
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プロデューサーさんもですか? ふふっ、
そうですね。答えを言うのは簡単ですけど……。
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今日のところは、宿題ってことにしましょうか。
志保ちゃん。焦らなくていいから、よく考えてみて?
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ええ。それで、志保ちゃんがどんな答えを出したか、
聞かせてね。楽しみにしてるから。
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(『ミュージカルでなぜ歌うのか?』か。
言われてみれば、ちゃんと考えた事はなかったな……)
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(俺も改めて考えないとな。その上で……
志保がどんな答えを出すかは、本人に任せてみよう)