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見てもらったのは、ドラマ『天国の鳥』の特別映像だ。
それじゃ、ドラマの内容を少し紹介するぜ。シズ。
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はい。高校生の静香は、ピアノが得意な女の子です。
コンクールでは上位に入る腕前を持っています。
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ですが、天才ピアニストと呼ばれた姉の千早を亡くし、
姉の分も、両親の期待を一身に受けますが……。
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静香の頑張りとは裏腹に、
なかなか期待に応える結果が出せないでいました。
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ある日、静香の前にジュリアと名乗る人物が現れ、
「静香に歌ってほしい」と言ってくるんだ。
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何度も静香に会って、口説き落とそうとするが……
スムーズに事は進まなかった。
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だけど、そんなふたりを繋いだのは、静香の姉、
そしてジュリアの友人だった千早の存在だった。
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姉が家族にも秘密にしていた事実を知り、
今まで触れたことのない世界を知った静香は……?
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……と、簡単なストーリーはここまでだ。
続きはドラマで楽しんでくれよな。
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ところで……ジュリアさんは、この「ジュリア」を
演じるのに苦労したことはありますか?
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いきなりだな。ま、いっか……。
苦労か……うーん……あんまりナイかも。
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あのジュリアも、住み慣れた場所から離れて、
別の世界で頑張っててさ。あたしに似てるんだ。
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スタンスも嫌いじゃないし、苦労はなかったかな。
シズはどうだったんだ?
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私は、そうですね……台本を読んだ時に、
親近感を感じたので、すんなり役を掴めました。
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憧れが目標に変わって、でも力の差を思い知って……。
それで焦って……。私と似てるような気がします。
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お互いに、やりやすい人物だったってことか。
それじゃ、次は楽曲の話をしようか。
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『ハーモニクス』は、歌ってて気持ちイイ曲だよな。
まあ、全力をぶつけるから、ヘトヘトになるけど。
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そうですね。私自身を試される曲なので。
全身全霊で挑まないと、曲に負けてしまうなって。
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それくらい難しい曲でした。でも、
たくさん悩んだ分、自信になったような気がします。
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ははっ、確かに。
あたしも、この曲には、ちょっとあってさ。
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迷うあたしに、気合いを入れてくれたヤツがいてね。
今でも、あの時のことは感謝してるんだ。
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アレがあったから、『ハーモニクス』も『餞の鳥』も
うまいこと気持ちが乗って、歌えたんだろうな。
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そうだったんですね。『餞の鳥』は……
気持ちを捉えるのに、少し時間がかかりました。
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姉への思いを、どう表現したら伝わるんだろう?って。
突然居なくなった寂しさや、才能への劣等感……。
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でも、苦しんでいた静香を救ったのも姉だったので。
だから、感謝もしてるのかも……。
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そうだな。『ハーモニクス』とは正反対な曲調だけど、
実は同じくらいの熱量を秘めてると思う。
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ジュリアの場合は、親友の喪失感と感謝。
あとは、将来に向けた前向きな思い……かな。
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そうですね。……歩みだしたふたりの思いは、
きっと、歌声と一緒にあの人に届いているはずです。
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もう、どうしてそんなこと言うんですか?
届いてますよ……絶対に!
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……そうだな。おっと、そろそろ時間か。
ここで一旦CMだ!
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(突然の打ち合わせで、テレビ局にやってきた。
番組は、律子に任せてきたから大丈夫だろう)
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(用事は終わったが……確か千早が収録のはず。
少し様子をみてみようかな?)
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助かりました、プロデューサー。
ふたりの番組は、見られないと思っていたので。
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いいんだよ。でも楽屋を覗いたら、
困ってるみたいだったから、少し驚いたけど。
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携帯からも見られるとは聞いていたんです。
でも視聴方法を聞くのを忘れてしまって。
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そうだったのか。
なら、楽屋を訪ねたのはちょうど良かったな。
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はい、ありがとうございます。このタイミングで、
ふたりの歌に対する想いが聞けてよかったです。
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だからでしょうか? 今すぐ歌が歌いたくて……。
ふたりの熱に当てられたのかも。ふふっ。
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失礼します! 如月さん、セットの準備ができたので、
スタジオにお越しください!
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わかりました! すぐ行きます!
……あの、プロデューサー。
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私は平気なので、ふたりのところに行ってください。
見守ってあげてほしいんです。私の代わりに。