1
目を閉じれば、広がる空。冒険の大地。
陽気な港町に吹く潮風。堅牢な城壁に守られた王都。
2
崖の下に眠る財宝。深海の都。出会いも、涙も、
笑顔も、約束も……全部、私の手の中にある。
5
……はぁ。やっぱり『アデライトと七つの世界』は
最高だなぁ。でも、いつもいいところで終わっちゃう。
6
この本、よく見ると『上巻』って書いてあるし、
続きがあるってことだよね……。続きが読みたいなぁ。
7
この村を出ることができたら、たくさん本を買うんだ。
きっとそこにはこの本の続きも……ふふっ♪
8
あっ! もう寝ないと。おばあちゃんに怒られちゃう。
それじゃあ、おやすみなさい。
10
……ふぅ。
勇者さん、突然わたしを見たらびっくりしちゃうかな?
11
でも、大切な御役目をまかされたんだもの!
妖精族の代表として、がんばって説得しなくちゃ!
12
勇者さんのおうちに到着です! でも、おうちの中に
入れません。どうしよう~……あっ!
13
えへへっ。窓が空いていてよかったです。
勇者さん、勇者さんっ。起きて、起きてくださいっ。
14
今日は百合子さんの15歳の誕生日です!
旅立ちの日が来たんですよ!
15
んん……たびだち……。……え? ……ええっ?
……ちいさい……女の子。……妖精? 本物!?
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あっ! ……あなたは……まさか……?
風の妖精エルフェリオンね!?
17
いえ、わたしは普通の妖精で、星梨花っていいます。
勇者さん、よろしくお願いしますね。えへへっ♪
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かわいい……じゃなかった。旅立ちってどういうこと?
私、ごく普通の村娘のはずだけど……。
19
はい!
百合子さんはあの伝説の勇者の末裔なんです!
20
ミリオネージュ大陸の半分は魔王に支配されています。
でも、妖精の国には予言が伝わっていたんです。
21
『大地が闇に覆われし時、さいはての森に、勇気の光が
ともるであろう』と! それが、百合子さんなんです!
22
わ、私……? 確かにご先祖さまの伝記には、
たくさん冒険のお話が書いてあったけど……。
23
私にあんなすごいことができるとは思えない。
私、運動神経はあまりよくないの。
24
百合子さん……。
でも、わたしたちには百合子さんしかいないんです。
25
この世界の人々を救うために力を貸してくれませんか?
世界の未来は、百合子さんにかかっているんです!
26
世界を……救う? 未来が……私にかかって……
……ああ……!
27
魔王の圧政から民衆を解放するには、
それしか手立てがないんですよね!?
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わかりました。私、勇者を引き受けます。
今日から私は勇者リリィ・ナイト。
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この先にどんな困難が待ち受けていようとも、私は
決してくじけない。正義を信じ、突き進んでみせます!
31
これからよろしくね、エルフェリオン……
じゃなくて、星梨花ちゃん!
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魔王さま、魔王朋花さま~!
……わわっ! うう……いたた……。
34
無様ですね~♪ あまり無様な真似ばかりをしていると
四天王からコメツキバッタ役に降格ですからね~?
35
そ、それだけはカンベンしてください~!
ありさ、きっと魔王さまのお役に立ちますから~!
36
うふっ。……まあ、いいでしょう。
それで、なに用ですか~?
37
そうでしたっ! ありさアンテナに反応アリです!
さいはての森の勇者ちゃんが動き出したみたいですっ!
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うふふ、困ったものです。私の野望を阻もうとは、
なんと愚かなことを考えるのでしょう~。
39
魔王さまのお手をわずらわせることもありません!
勇者ちゃんの件はこの四天王ありさにお任せください!
40
ふふふ、いいでしょう。この件は亜利沙さんに
一任します~。けれど……わかっていますか~?
41
ひ、ひぃ! わかってますとも。ここにたどり着く前に
始末してご覧に入れましょう! ……ムフフ♪