MLTD Archive(β)

決められた枠の中で

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大変だわ、星梨花ちゃん。 いつのまにか、みんながいないみたい。
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あの、あずささん。みんながいないんじゃなくて、 わたしたちがはぐれたのかも……?
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わたしが小さいころ、こんなふうに 迷子になった記憶があるので……。
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あら……私、またやってしまったのかしら……? なんだか空模様も怪しくなってきたし……。
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早めにみんなと合流したほうがよさそうね。 えーと、こっちかしら……?
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あずささん、そっちはお手洗いです! ……あっ。雪が降ってきちゃいました……。
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まあまあ……あら? あっちの方に東屋があるわ。 星梨花ちゃん、ひとまずあそこに避難しましょう。
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そんなに積もるわけでもなさそうだし…… ここでやり過ごしましょうか。
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はい。ちょうどいいところに、 休憩スペースがあってよかったです!
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館内はスマホも使えないし……プロデューサー さん達が見つけてくれるまで、待つしかないかしら。
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なんだか不思議な施設だけど…… 星梨花ちゃん、楽しめてる?
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はい。さっきの花瓶がたくさんある コーナーも、面白かったです。
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書いてあるとおりにさわったら倒れちゃったので、 びっくりしましたけど。あの花瓶、映像だったなんて。
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面白くて、楽しくて……。 その気持ちは本当なんですけど……。
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? 星梨花ちゃん?
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わたし、自分の何を表現したらいいのかわからなくて。 こういう気持ちをダンスに乗せたらいいんでしょうか?
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コンテンポラリーダンスのことね。 ……悩んでいるのは私も同じだから、わかるわ。
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作品として、自分を表現することが必要なら…… 自分が心から感じたことだけを、表現したいものね。
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ポジティブな気持ちも、それ以外の気持ちも。 私達は、いろいろなものを感じているはずだから……。
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そこに向き合わないと、いい加減なものになって しまうから。時間はかかるけど……頑張らなくちゃね。
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あの……わたし、わかります! わたしも、あずささんと同じ気持ちです!
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楽しいもうれしいも、本当の気持ちなんですけど…… わたし、それだけじゃなくて……。
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わたしが、ずっと言葉にできなかったことを、 言葉にしてもらえて……胸がすうっとしました!
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そうかしら? 私の方が年上だし、 もっときちんと解決してあげたかったけど……。
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そんなことないです! それに……同じ悩みの人が そばにいてくれるの、とっても心強いです!
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あっ、でも、あずささんが悩んでるのが うれしいんじゃなくて! え、えっと……!
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うふふ。大丈夫よ、星梨花ちゃん。 ちゃんと伝わってるから。
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それなら、ふたりでもう少し…… 一緒に、迷っていましょうか。
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はいっ! ……あれ?
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星梨花ちゃん、どうかしたの?
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建物の中から、こっちを見てる人がいるんです。 ……あの人たちに、出口を聞いてみましょうか?
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まぁ、名案だわ! ……あの、すみませ~ん! ……あら? 行ってしまったわ。
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手を振ったら、振り返してくれましたけど…… なんだか、ライブの時みたい……?
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…………
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あっ、ふたりともここにいたのか! 見つかって良かった。
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あっ、プロデューサーさん! ごめんなさい、わたしたち、はぐれてしまって。
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さっきから、色んな人が通りかかるんですけど…… 誰も助けに来てくれなくて、困っていたんです。
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ああ、それには理由が……ええと、言葉じゃわかり にくいと思うので、海美とロコを呼んで説明しますね。
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館内から見て、あそこがふたりのいた東屋です。 星梨花、あずささん、覗いてみてください。
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あっ! 向こうに、海美さんとロコさんが見えます!
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まあ……! この模様が 額縁の役目を果たしていて……。
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そうなんです。こうやって、実際にいる人が額縁の中に 収まって、絵になるっていうギミックなんです。
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そういうことだったんですか……見る人が、 こっちに近づいてこなかったのは……。
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はい。わたしたちが、 絵になっていたからなんですね……!
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