1
(引き続きレッスンも仕事も順調!
……なんだけど、朋花の様子が気になるな……)
3
あの、朋花ちゃん。
もしかして、悩みごととかあるのかな……?
5
うん。私の勘違いだったらごめんなさいだけど……
朋花ちゃんにしては、珍しく集中力がないっていうか。
6
言われてみれば……今日の朋花さん、
物思いにふけっていることが多いような……?
7
そういえば朋花さん、
おやつもちょっとしか食べてないです!
8
あの、もしお腹すいてて元気が出ないなら、
私が持ち帰ろうと思ってたおやつを……!
9
ふふっ、大丈夫ですよ~。
……みなさんに、心配をかけてはいけませんね~。
10
プロデューサーさん。レッスンの後、
すこしだけ私に時間をもらえませんか~?
12
『注目の若手アスリート! 記録を次々に
塗り替え、これからの女子陸上を背負う逸材……』
13
す、すごい……スポーツ漫画に出てくる天才が、
そのまま三次元に飛び出してきたような人ですね……。
14
しかも、私と朋花さん、
百合子さんと同じ中学生です!
15
前に、お仕事で棋士さんやモデルさんに会いましたけど
……スポーツにも、すごい人がいるんですね!
16
次世代のスターというやつだな。……あれ?
よく見たらこの子、朋花と同じ中学じゃないか?
17
はい、後輩になります~。実は……つい先日、
彼女から、とても熱のこもった手紙を貰いまして……。
18
そうだったんだ……。それじゃあ、
朋花ちゃんが悩んでいたのって……。
19
はい、返事をどうしようか迷っていて……
集中力を欠いていたなら、原因はこれかと~。
20
プロデューサーとしては中身が気になるけど……
学校でもらったなら、プライベートな手紙だしな……。
21
そうですね~。プライバシーを考えて、中身は
私だけが知っている方がいいと思います~。
22
変な内容だったら、プロデューサーさんに
とっくに相談してるはずだもんね……。
23
うん……。その後輩ちゃんの事を考えたら、
朋花ちゃんだけが知ってる方がいいと思う。
24
でも、そんなすごい人が送る、熱のこもった手紙って
どんなだろう……? うう、いけないいけない!
25
朋花さん。せっかく相談してくれたのに、
力になれなくてごめんなさい……。
26
いいんですよ~。お話が出来て、
私も頭の整理になりましたから~。
27
(朋花がああ言う以上、強引なことは出来ないな……。
ただ一点、気になることがあるけど……)
29
あら? プロデューサーさん、
まだ帰っていなかったんですか~?
30
ああ、お疲れさま。朋花が昼間話していた手紙の
ことを、もう少しだけ聞いておこうと思って……。
31
そのことですか~。手紙の内容については、
話す気はないと言ったはずですよ~?
32
うん、プライベートなものだからな。
でも手紙の内容以外の話なら、聞けるかもと思って。
34
朋花は今までにも、いろんな人から
そういう手紙を受け取ってきたんだろう?
35
だから、内容以外で気にしている点があるなら、
その話は聞くことが出来るかなと思って。
36
ふふっ……そうですね~。踏み込みすぎない、
従者としていい視点だと褒めてあげましょう~。
37
もちろん、どんな内容の手紙を受け取ろうと、
聖母の心が揺らぐことはありませんが……。
38
今回、私が戸惑っているとしたら……
自身の至らなさに対して、ですね~。
40
私は、自分の学校の子豚ちゃん達は、全て把握している
つもりだったんです~。……手紙の彼女以外は……。
41
まさか同じ学校の後輩……隣人に、
聖母の愛を届け損ねていたなんて……。
42
でも、その割にはよく知っている
みたいじゃないか。その後輩のこと。
43
有名人ですから~。だからこそ……頭の中で、
勝手に区分けをしていたのかもしれません~。
44
彼女も手紙をもらう側。他者から崇拝され、
見上げられる存在だと……。
45
聖母の役目を果たせず、愛を届け損なっていたのに……
彼女にどんな言葉を送ればいいのかと……。
46
なるほどな……でも、聖母の愛を
届け損ねていたっていうのは、違うと思うな。
47
だって、その後輩にも愛は届いていたはずだから。
だからこそ彼女は、今回手紙をくれたんだろう?
49
朋花がその子にどうしてあげたいかだけで、
いいんじゃないかな。
50
相手が誰であっても、聖母の愛は変わらない。なら、
今回の返事も難しく考えることはないと思うけど。
52
そこまで言うのなら、プロデューサーさんには
……返信の内容、一緒に考えてもらいますよ~?
53
それは構わないけど……。でも、手紙の内容は
読ませてくれないんだよな?
54
ふふっ、当然です~。私のプロデューサーなら、
それくらいはこなしてもらいますよ~♪