MLTD Archive(β)

星達の夜

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劇場での合宿中、 ライブイベント前日の深夜……
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よし、見回り完了っと。俺もそろそろ寝ないと…… あれ? 屋上の鍵……、開いてる……?
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まあまあ、様になってるか……。 うん。こんなもんだろ。
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これも毎晩の特訓の成果……なんてな。 はは、衣装着るだけで、なにいってんだか。
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ジュリア?
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どぅわあああああああああっ!? だ、誰だ!? うわあっ、プロデューサー!!??
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う、うん。プロデューサーです。
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な、ななななんだよ、なにしてんだよ、こんな時間に! 明日本番だぞ!? 寝てろよ!!
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いや、俺は見回りだから。 ジュリアこそどうして……というか、その衣装……。
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くぅ! 人に見られない場所を選んでたのに……! こ、これは違うからな! 衣装に体を慣らしてたんだ!
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昼間はレッスンだし! みんなもいるし! 夜中にこっそりやるしかないだろ!?
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つまり、衣装を着こなす特訓……? そうか、アイドルに真剣に向き合ってくれてたんだな!
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へ? い、いや、真剣っていうか……!
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真剣じゃないか、本番前日に衣装チェックなんて! そっか、ジュリアはバンド出身だもんな。
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アイドル衣装には慣れてない、それをきちんと 着こなそうとするなんて……。ありがとう!
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いや、礼なんて……。 これは……あたしなりの筋の通し方ってだけで……。
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ほら、あれだ。 あたしをスカウトした時のこと、覚えてるか?
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もちろん覚えてるよ。ジュリアは、ロック歌手として スカウトされたって思ったんだよな……。
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あ、ええと……。 その節は本当に説明不足で、申し訳なかった!
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いや、いいよ、あたしが勝手に勘違いしたんだし。 そうじゃなくて……。その時に、あたしは決めたんだ。
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ここに来た以上、アイドルをやり抜く、って。 となると、衣装を恥ずかしがってる場合じゃない。
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まして明日は、アイドルの登竜門らしいからな。 デビューしたフェスとも、勝手が違う。
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アイドルのことがわかってないあたしが、 足を引っ張る可能性が高い……だから……。
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そういう心配をしてたのか……。 でも、そこは大丈夫じゃないかな。
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? なんでだよ?
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ジュリアも、麗花も、歩も、可奈も。 きっと、他のみんなも。
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『アイドル』っていう何かをなぞる必要はない。 ステージで自分らしく輝くだけでいいんだと思う。
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その姿が眩しくて、力をもらえて、それでみんなが 応援してくれる。……それがアイドルじゃないかな。
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……。なるほど……。 さすがプロデューサーだな?
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いや、俺もそんな、よく分かってないけど……。 でも、きっとそれでいいんだと思う。
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……うん。ほかのチームのみんなも、そうやって、 ここまで繋げてくれたんだよな。
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ああ。一歩一歩、自分のできることを頑張って、 みんなで繋いでここまで走ってくれた。それだけだ。
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それだけ、か……。 でもさ。
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それだけのことが、今日につながってるのって…… なんか、奇跡みたいだよな。
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……うん。そうかもな。
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……なあ、プロデューサー。そうは言っても、 あたしはアイドルらしい自信なんて、からきしだ。
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だから、明日はあたしがステージでやれること、 全部をぶつける。……それでいいか?
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もちろん! 明日も、こけら落とし公演でも。 これからの、全部のステージでそうしてくれ!
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なんだよ、ぜいたくだな。 ……でも。……オーケー、わかったよ!
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よし! ……それじゃ、そろそろ戻ろうか。 明日に響くといけないし。
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そうだな。……ところでさ……。 衣装着てたこと、誰にも言うなよ?
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え? なんで? 深夜に特訓なんて、立派だと思うけど……?
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だあああっ、いいんだよ! とにかく、この事は絶対に秘密! 絶対だからな!!
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