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えへ。ジュリアーノとお出かけするの初めてかも!
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いや、お出かけっつーか……。
えっと、翼はどっかあるのか? 行きたい所。
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えっ! わたしが決めていいんですかぁ~!?
それじゃあー……。
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うん! 美希先輩が、ここの服好きって言ってたから!
ほら、雑誌で着てたスカート!
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先輩がブルーだったから、わたしピンクにしよっと。
あ、これ! ジュリアーノに似合いそう!
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……はぁ!? 着れるわけないだろ、そんなフリフリ!
ムリムリムリムリ!
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ジュリアーノもたまにはスカート履けばいいのに。
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そーゆうのは似合うヤツが着ればいいの。
あたしにはあたしの好みがあるんだからな。
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……。ねえ、ジュリアーノ?
ジュリアーノって、何でアイドルやってるの?
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……。実は……よくわからないんだ。成り行きで
始めて、何かと理由つけて続けちゃいるけど……。
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皆ほど、アイドルにもなりきれない。
スカート履いてダンスってのも、苦手だしさ。
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わたしはスカートも絶対似合うって思いますけどー。
きっと何着ても、ステージに立てば……。
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いつものジュリアーノだよ。
会場をぐるっと見渡してから、こうニッて笑うの。
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(……。翼のヤツ、あたしのそんなところ見てたのか)
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……よし! 次はどこ行くんだ!?
今日はトコトン翼に付き合ってやるぜ!
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(その後、あたしは本当にトコトン翼に付き合った。
ゲーセンにオモチャ屋にペットショップに、まあ色々)
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えへ。このスカート履いたら、
美希先輩に一歩近づけるかな♪
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翼はホントに美希が好きなんだな。
オーディションのダンスもだから頑張ったんだろ?
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何だ? 落ちたこと気にしてんのか? 大事なのは
他人の評価より、自分が納得出来るかどうかだぜ。
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だってわたし、美希先輩みたいなアイドルになりたいん
だもん。だから先輩に駄目って言われたら、悲しいよ。
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なあ翼……。あたしの歌はあたしだけのものだ。
あたしにしか作れない。
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アイドルだって同じじゃないか? 例えお揃いの服を
着たって、オマエは決して美希にはなれないんだぜ。
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……。ジュリアーノってば、
そんなの当たり前じゃないですかぁ~。
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美希先輩はお手本ですけど。声も顔も違うのに先輩本人
にはなれないですよぉ~。わたしはわたしだもん。
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だから頑張ってダンスとか真似して、それでいつか
わたしもトップアイドルになりたいなって。
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そうしたら毎日、苦労も悩みもなくて
モテモテで……キラキラで……。
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きっと……そこにあるのは、最高の人生だって
思うんです。それが、わたしの夢。
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(トップアイドルだって、苦労や悩みがないわけがない
……翼の思い描く楽しいだけの未来は、そこにない)
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(誰だって知っている。アイドルは夢だけでは
語れない。人真似だけでトップに立てる世界じゃない)
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(ただ、未来に夢を見る……14歳の女の子の瞳だ)
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どこ行きますー?
わたし、カラオケでパーッと歌いたいな!
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そう言うと思ったぜ。……あたしについて来な。
カラオケよりハマるアソビを教えてやるよ。
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(翼を誘ったのは、あたしのギターに合わせて
翼が歌う、路上ライブだった)
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(翼のヤツ、気持ち良さそうに歌うんだな。優しく
リードしてやれば、無邪気に後ろを付いて来る)
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(まるで広い空に放すほどに……
それだけ高く飛んでゆくみたいだ)
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よしっと。悪いな、片付けまで手伝わせちゃって。
それじゃあ二人とも、気を付けて帰れよ。
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ウチらはちょっとシアターに戻るよ。
明日のライブ……嵐が起きるぜ。