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ごめんね、真珠星ちゃん。
本番前なのに、急に呼び出したりして。
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あのね。私は、真珠星ちゃんに勝てないかもしれない。
アイドルとしてだけじゃなく……恋でも。
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アイドルは、私の憧れ。押し付けられたんじゃない。
自分で選んだ、大切なもの……。
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それで、湊くんは……芸能界の幼馴染みたいな存在。
……ずっと、心の支えだった。
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私にとって、大切なふたつ……
それが、真珠星ちゃんに奪われちゃうかもしれない。
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う、奪う!? 待って、なるちゃん!
私はそんなつもり、全然……!
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……真珠星ちゃんにそのつもりがなくても、
湊くんは違うんじゃないかな。
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でも私には、アイドルと同じくらい……
湊くんが必要なの……。
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お願い、手加減して。真珠星ちゃんは
新人賞にも、湊くんにも興味ないでしょ?
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……それは……できないよ。
藍さんにだって悪いし……。
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いくらなるちゃんのお願いでも、できない。
手加減なんて……。
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……そっか、そうだよね。
変なこと言ってごめん。
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そろそろ本番が始まるみたい。
……行こう、真珠星ちゃん。
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はあ、はあ……!
思った通りの動きが、全然……!
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コンディション調整ミスったわね。
はぁ……アンタって、本当に……。
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……まあいいわ。新人賞は
『Vermilion Red』が獲るでしょ。
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私たち以外で、あのクオリティに並べる
アイドルなんて、この場にいないもの。
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そして、『Vermilion Red』……
なるとクロエは、新人賞を獲得した。
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ちょっと! さっき言いかけてたこと、なに?
私、何かマズいことした?
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まだ気づいてないみたいだから、教えてあげる。
本番前、なると話してたけど……。
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あんなお芝居も見抜けないなんて、
アンタって本当にアホね、って言おうとしたのよ。
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なっ!?
ていうか、え!? お芝居って……。
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うん、そうなの。あれはお芝居。
ごめんね、真珠星ちゃん。
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はぁぁ!? ちょっ……信じられない!
私は、本気で悩んでたのに……!
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うん。
真珠星ちゃんなら、悩むだろうなと思った。
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私、演技は得意なの。
……これしか思いつかなくて。ごめんなさい。
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いい手だったと思うよ。
実際、真珠星は面白いくらい動揺してたし。
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単純すぎて、真珠星くらいにしか
通用しそうにないけどね。
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どうしても、勝たなくちゃいけなかったの。
……それだけ。
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(なるちゃんはきっと、嘘を吐いたわけじゃなくて。
真実を、勝負に利用しただけ……)
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(私に話してくれた気持ちは、本当で……
だったら……)
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でも、友達を騙すのは悪いことだと思う!
すっごく悪い! 謝って!
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うん……ふふ。
真珠星ちゃん、本当にごめんなさい。許してくれる?
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……わかった、いいよ。
今回は、許してあげる。
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でも、次は絶対騙されないし、負けないから!
覚悟しておいて!