MLTD Archive(β)

“supplication”

音声再生は内部プレビュー専用です。本文はどなたでも閲覧できます。

1
エミリー? うそ、ダメよ、エミリー! どこにいるの、ねぇ! 応えて……、いかないで!!
2
シホ! 落ち着いて、しっかりするの! エミリーはまだMIA、行方不明なだけ!
3
それより第二波が来る、今は……、危ない!!
4
SE
ガガーーーーーン!! ズガガガガーーーーーーン!!!!
5
また……まただ……。 どうして……どうして、どうして、どうして!!
6
もういい。わかったの。1万でも10万でも、 全部、全部、全部!! たたき壊すからッ!!
7
ミキ!! 待って、待ちなさい!!
8
!? ……先輩っ!?
9
SE
ガンッ! ガンガンッ、ギィン! ガインッ!
10
このっ、このっ、このぉぉぉ! 墜ちろ! 墜ちろ! 墜ちろ墜ちろーーーっ!!
11
SE
ガンガンガンッ! ブゥンッ!! ガキィィィン!!
12
何も知らないくせに! 何もいらないくせに! 怒り、憎しみ、破壊! それしかないくせに!!
13
SE
ズガガーン!! ブンブンッ、ギィン、ガィン!!
14
ただ世界を壊して!! 空っぽになるまで!! なんにもなくなるまで、全部壊れるまで!!
15
SE
ガガッ、ズガーンッ! ガガーンッ! ギィン!!
16
知ってる!! ミキ、知ってるから!! だって!!
17
「機兵は全部、ミキが壊すから」
18
ほら。ミキとおんなじ。
19
オンナジ バケモノ ダカラ……
20
……………………
21
先輩っ!!
22
SE
ズガガガガガーーーーーン!!
23
あ……。シホ?
24
敵中にひとりでつっこんだ挙句、ボーッとして! わざわざ死にに来たんですか!!
25
せっかく……エミリーが解き放ってくれた命なのに!! 無駄にしたら、ぶっ飛ばしますよ!?
26
ご、ごめん。……でも大丈夫だったでしょ? ミキ、わりとホンキで強いし。
27
強くないでしょ!! いつも命を削って戦って、心も体もボロボロになって!
28
今、やっとわかりました。 先輩はただ……。泣いてるだけじゃないですか。
29
ミキが……泣いて……。
30
……あのね。ミキ、約束したの。 絶対に、止まらないって。
31
止まったら、終わらないから。 ……終わらせたいから。
32
ミキ! まだ生きてる?
33
サヨコ! そっちは平気?
34
うん、でも完全に包囲された。どこかに突破口を開く しかないと思う。シホと一緒に、一方向に畳みかけて!
35
突破口って。 そんなの開いても、すぐ埋められるよ?
36
そしたらまた開いて! わりとホンキで強いなら、やってみせて。
37
今日からは……生きるために戦いなさい!!
38
サヨコ……。
39
!? 包囲外周の機兵の様子がおかしい……。 サヨコさん、確認お願いします!
40
!! 包囲外周に超高圧縮光学エネルギー反応! これは……全機レーザーに換装したの!?
41
そうか……いま距離を取って囲んでるのは、 近接戦闘を避けたわけじゃなくて……。
42
全機での超火力一斉飽和攻撃!? そんなの……エリア一帯が蒸発する!!
43
サヨコ! イクを連れ出して! お願い……生きてーーーーーっ!!!!
44
ダメ! エネルギー反応、臨界突破! イク、こっちに……えっ!? きゃああっっ!!!!
45
SE
カッ!!
46
(わたしが みんなを……)
47
え……? イク……?
48
あなた……、まさか……!!
49
…………………………………………………………………
50
―1ヶ月後―
51
月軌道 人工居留施設『フロンティア2』 軌道エレベータ施設
52
……。
53
ミキ、お待たせ。そろそろ出発しましょうか。 ……きっと、イクが待ってるから。
54
うん。 こないだ、ちょっと笑ってくれたもんね。
55
ふふっ、私には眠ったままに見えたけど。 ミキが感じたのなら、そうなのかな。
56
絶対そうなの。 ミキには、わかるから。
57
……『ブライト・キャンセラー』。 まだ、再現できてないんでしょ?
58
うん。人間が機兵と完全同期しての意識操作。 数万人で一斉同期して全機兵の停止を図る……。
59
イクの適合性を拡張した、本当の目的。 サスペンドパルスは、その副産物に過ぎなかった……。
60
荒唐無稽な空論のはずが、あの時イクが発動させて。 それから中央も……どの勢力も本気になってるけど。
61
きっと、もう再現できないって思うな。 あれはたぶん……あの時の、イクの意志だから。
62
生きたい、絶対守りたいって思った、あの時の……。
63
うん……。そうかもね。 イクが目を覚ましたら、聞いてみましょう。
64
うん。あと、今日はシホのお迎えにも行かなきゃね。 査問委員会、やっと終わったんだし。
65
まだ情報を引き出せると踏んでもらえるなんて。 ……ホント、優秀な副隊長なんだから。
66
じゃあ、早く合流するの! きっと……、エミリーも待ってるから。
67
……うん。……行こう!
68
テンタクルスの降下作戦『ダウンバースト』は、 離反した全機兵群の一斉停止という結末で幕を閉じた。
69
イク・セントラルバレイによるブライト・キャンセラー の発動は、人類に新たな希望をもたらしたものの……
70
イク本人は意識を回復しないまま眠り続け、 その後の検証・解明は進んでいない。
71
逮捕拘束されたシホ・ノーマンは、査問委員会での 情報取引により、監視を条件に原隊復帰を認められた。
72
エミリー・バトラーの機体は、まだ見つかっていない。 だがミキが存在を感じる限り……私は信じ続ける。
73
私の名はサヨコ・ハイランド。 戦いに終わりはなく、世界はまだ争いに満ちている。
74
けれど希望の光はまだ失われていない。 人は、人を想うことができるのだから。
ホイールで拡大 / ドラッグで移動 / ダブルクリックで等倍ピンチで拡大 / ドラッグで移動