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(今日は短期特番、最終回の収録だ。
全員で、有終の美を飾れるといいな……!)
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はい、ふたりは先にスタジオに行ってます。
リハーサル前に、色々確認しておきたいからって。
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考えたい事……もしかして、
番組の事で何か引っかかってるとか?
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茜ちゃんも恵美ちゃんも、友達のこと、
色々考えてるんだなって思ったんです。
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はい。私はそんなふうに、ちゃんと
考えたことなかったかもしれないなって……。
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正直、アイドルになるまでそのことで頭がいっぱいで。
なってからも、結局アイドルのことばかりで……。
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私、ふたりに比べたら、普通の友達付き合いを
疎かにしてたから。友達が少ないのかなって……。
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たしかに茜と恵美は、友達が多そうだけど……。
あのふたりは、特別多いほうじゃないか?
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それに、紗代子が友達付き合いを
疎かにしてるとは思えないけどな。
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ああ。友達といっても、人によって付き合い方は
違うし。正解も不正解もないというか……。
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すみませーん!
高山さん、そろそろリハ始まります!
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おっと、もうそんな時間か。
できればもう少し話したかったけど……。
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大丈夫です! プロデューサーと
話したら、すこし気持ちが楽になりました。
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(そして、最後の企画『抜き打ちコールでウラ話!』
が始まった。トップバッターは、恵美だ!)
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「恵美のウラ話か~……あ、あれだ!
メッセージの未読が1000超えてるってヤツ」
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はいはいはーい、異議あり! それはカラオケとか
ファミレスとか、お店のメッセージだけだから!
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アタシが友達からのメッセージを
未読にするわけないっしょ~?
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「それはそうだけど、
いくらなんでも雑すぎん?っていう」
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「恵美の雑エピソード、多いよね~。こないだとか、
お昼ご飯忘れたからコレでいいや、って……」
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ストップ、ストッープ! もう! みんな
アタシのコト知りすぎてて、やりづらいって~!
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「野々原さんのエピソード……
意外と気遣いが細やかとか、そういう感じの?」
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おっ、わかってるぅ~! そうそう、そういうの、
そういうのもっとプリーズ!
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「ノリがいいのも、変に気を遣わせないためって
いうか。あと、男子のファンも多いよね?」
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そう! 茜ちゃんって、そういうタイプ!
アイドルだから、惚れちゃダメだゾ☆
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「周りとか全体をいつも見てて、でも自分をちゃんと
持ってて、変に合わせたりはしない感じ」
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そ、そうそう、そうなんだよね……ニャハ……。
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「自由気ままなキャラっぽくても、本当は誰に
対しても優しくて……尊敬してるよ、野々原さん!」
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ギギ、ギニャー!? 褒めすぎだって!
ムズムズする~! もっとイジっていいから!!
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「紗代子のエピソードかぁ……。
うーん……」
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「そんなにぱっと思いつくものがないかも。
普段から、アイドル一直線だし」
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「でも、いつもすごく努力してるのわかるよ。
大変そうだもんね、アイドルなんて」
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「なのに、学校のイベントにも積極的だし。
合唱コンのリーダーとかもしてくれたよね?」
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あ、そうだね。だって、せっかくの行事だから。
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「うん。アイドルも全力で、学校のイベントも全力!
それが紗代子なんだよね!」
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「紗代子は、その方が落ち着くみたいだから、
いつも任せちゃってるんだけどさ」
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それはそうだね。
常に全力の方が、私はやりやすいかも。
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「もっと、頼って欲しいかも。紗代子って、
誰にも言わないで、ひとりで頑張っちゃうから」
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「だよね~。すごいことなんだけどさ……。
私たちだって紗代子のこと、応援したいんだよ?」
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「はー、急にゴメンね、マジな感じで。でもこれ、
ずっと言いたかったんだよね。言えてよかった!」
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私……ううん! 私も、聞けてよかった。
そんな風に思ってくれてたんだ……
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「だから学校でも、もっと色々言ってよね。
愚痴とかも聞くし、遠慮しなくていいから」
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「そうそう。私たちだって、紗代子のこと
応援してるんだからさ。全力でね!」
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うん……ありがとう! そしたら、
全力で甘えちゃうかも? なんて、あはは♪
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(紗代子の表情が、柔らかなものになった……
これなら心配なさそうだな。いい番組になりそうだ!)