1
楚々とした挨拶が、朝露を乗せた葉を揺らす。
ここは乙女たちの集う名門『聖ミリオン女学園』……。
2
学び舎で気品を育み、庭園にて優美に歌う。日々を
謳歌するため、今日も乙女たちは門をくぐるのです。
3
昴さん、この前はクッキーをありがとう。
とっても美味しかったわ。
4
わぁっ、本当ですか?
可憐さんに褒めてもらえるなんて、うれしいな……♪
7
(……可憐さんに、ウソついちゃった。
本当は、千早さんには渡せなかったのに)
9
……? なんだか、校内が騒がしいですね。
何かあったのかな。
10
生徒会選挙が控えているからかしら。みんな、
どなたを応援するかということに夢中なのよ。
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応援する候補が違うと、普段は仲のいいお友達同士が、
対立してしまったりすることもあるから……。
12
えっ……。それじゃ、応援する人が違ったら、
もう友達とは仲良くできないんですか?
13
いいえ、そんなことはないわ。たとえ応援する人が
違ったとしても、普段どおり仲良くしていいのよ。
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それが、『違う』ということだから。
貴女と私は違う。ただそれだけなのよ。
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あの。可憐さんは、生徒会長になろうとか、
そういうのはなかったんですか?
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ええ。だって生徒会長なら、
みんなを平等に扱わなくてはでしょう?
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それはきっと、私には難しいわ。
私、依怙贔屓してしまうほうなの。ふふ。
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ありがとう。でも私にとっては、昴さんが特別だから。
……だから、こうしていられるのよ。
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大切な妹の、妹。
それはとっても、素敵なことなのよ。