1
(次の公演のセンターは奈緒……だいぶ気合いが
入っているみたいだけど、調子はどうかな?)
5
センターの景色はどんなんやろな~って……
想像するだけで、やる気がみなぎってくるわ~。
6
やる気いっぱいだな、奈緒!
その調子で頑張ってくれ。
7
あっ、プロデューサーさん!
おはようございます♪
8
もしかして、レッスン見に来てくれたんですか?
えへへ……よっしゃ、ますます気合い入ってきたわ!
10
おー! アタシと美奈子も、ばっちり手伝うからね。
みんなで、奈緒のセンター公演を成功させよう!
12
のり子も美奈子も、ありがとうな!
うう、ホンマ私は仲間に恵まれてるわ~。
13
あはは、大げさだって! それじゃあ、
まずは何から始める? 歌? それともダンス?
14
トークを挟んで、前半と後半のパートがあるから……
うーん?
16
いや、公演のセンターって、トークを仕切る必要が
あるから……しゃべる時間も多くなるよね?
17
ってことは、トークを磨くのも必要なんじゃ……。
18
そうかも! 私もセンターの時は、
いつもよりたくさんしゃべった気がする……。
19
それやったら心配いらんわ!
私、しゃべりは得意やし♪
20
ん? しゃべり……、しゃべり!?
せや、しゃべりこそ気いつけなアカンかったんや!
22
だって、センターってことは、思いっきり
アイドルらしくせんとアカンってことやろ?
24
う~ん、私たちアイドルの真ん中に立つわけだから、
アイドルらしくないよりは、らしい方がいい……かな?
25
せやろ? で、アイドルらしさと言えば……
ズバリ、東京弁や!
27
いや、ホンマやって! 東京弁でトークした方が、
ぜったいアイドルらしくなるんやって!
29
う~ん、あんまりピンとこないな~。
奈緒ちゃん、ためしにやってみてくれる?
31
今まで、地道に密かに練習を重ねてきた東京弁。
ついにお披露目やで~!
32
(何だか話が変な方向に向かってる気もするけど、
もう少し様子を見てみよう……)
33
コホン……。
みんな~! 今日は来てくれてありがとう~!
34
おおっ!?
確かに、アイドルっぽい気がする!
36
ふっふっふ、特訓の成果やな♪
ほな、どんどん続けていくで~!
37
プロデューサーさん!
トークのお題、お願いします!
38
それじゃあ、えっと……最近嬉しかったことで。
39
よっしゃ! 最近、一番嬉しかったことは……
やっぱり、センターになれたことやんな♪
40
……じゃなくて! センターになれたことかな♪
ずっと夢やった……じゃなくて、夢だった……のです。
41
キラキラしたみんなの笑顔を見ることができて、
ホンマ嬉し……ほんまは嬉しい……うぅ……。
43
あかん……。いちいち意識してしゃべらんと、
東京弁にできひん……。
44
うーん。その調子だと、奈緒の東京弁トークの
お披露目は、ちょっと難しそうだね。
45
ふふっ、そうだね。あんまり言い直してると、
お客さんも困っちゃいそうだし。
46
まさか、こんなところに落とし穴があるなんて……。
どないしよ~!? このままじゃライブが……!
47
ごめんなさい、プロデューサーさん!
やっぱり私には、センターなんて早すぎるわ~!
48
なんでやねん! ……っと。
何も早すぎないから大丈夫だよ、奈緒。
49
プロデューサーさぁん……。
大丈夫ってことは、私……。
50
今からでも、スラスラ東京弁で
しゃべれるようになれるってことですね?
52
ええ~! アカンやないですか!
センター言うたら、東京弁なんですって!
53
関西弁でトークすると、こう、
どうしてもコントみたいになってもうて……。
54
私、初めてのセンターなんやから、
アイドルらしくビシッと決めたいんです!
55
アイドルらしく、か……。そうだな。
だからこそ、奈緒は関西弁のままでいてほしいんだ。
57
奈緒の初センター公演に来てくれるお客さんが観たいの
は、どこかのアイドルっぽい誰かじゃなくて……。
58
自分らしさを思いきり発揮して、堂々と胸を張っている
新しいアイドル……じゃないかな。
60
そっか。関西弁じゃない奈緒ちゃんが新鮮なのって、
ただ……奈緒ちゃんらしくないってだけなのかも!
62
そうだよ! らしくない方がいいわけないって。
やっぱ奈緒は、ボケたりツッコんだりしてくれないと!
65
えっと…………。
私、このままでええんかな?
66
いいと思う! 私も、いつもの奈緒でいてくれた方が、
絶対ステージを楽しめそうだし!
67
いつもの奈緒ちゃんで、いつも通りにやってみようよ。
その方がきっと、みんな笑顔になれるよ!
68
せ……、せやな! どっちみち、まだ東京弁で
うまいことしゃべられへんし、しゃーないな。
69
東京弁はお預けや! 今回はまあ、いつものノリで、
センターからみんなを盛り上げてみせるわ~!
72
そうと決まれば、いつもどおりにレッスン開始や!
ふたりとも、いっくで~!
74
(のり子と美奈子の後押しもあって、奈緒もようやく
迷いを捨てられたようだ。これで前に進めそうだな!)
76
(いよいよ明日は、公演当日。
奈緒の調子も、いい感じで仕上がっている……)
79
えへへ、なんでもないんですけど……。ただ、
プロデューサーさん、まだおるかな~って。
80
なぁなぁ、まだおるなら、
私もここにおってええ?
81
いいけど、明日はライブだろ?
早く帰らなくていいのか?
84
心配いらないよ。のり子と美奈子も言ってただろ?
奈緒の笑顔を見ると、元気になれるって。
85
難しく考えず、いつも通りにステージを楽しむといい。
そうすれば、お客さんは喜んでくれるから。
87
あはは、さすがプロデューサーさんや。
私が怖気づいたんも、お見通しやな~。
88
そりゃあ、初センターだからな。
直前になって、緊張がぶり返すのも当たり前だよ。
89
でも、奈緒なら大丈夫だよ。そういう緊張感も
ひっくるめて、思いっきり、楽しんでこい!
90
うん。泣いても笑っても、もう明日やもんな……。
うんっ!
91
プロデューサーさん、ありがとう!
おかげで、なんやスッキリしましたっ!
92
せっかくプロデューサーさんが思い出させて
くれたんやし。明日は絶対成功させるな!
93
お客さんみんなを、メッチャ楽しませて、
メッチャ元気にしてくるから、楽しみにしとってな!
95
(不安もプレッシャーも、センターにはつきものだ。
でも奈緒なら、笑顔と元気に変えていけるだろう!)