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(次の公演のセンターは、杏奈に決まった。
少し不安だと言っていたけど、様子はどうだろう?)
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はぁ~、今日もいい汗かいたわ。
杏奈、百合子、レッスンお疲れ~!
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はい、お疲れさまです! 杏奈ちゃん、すごかったね!
さっきのダンス、完璧だったよ!
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ホンマやで。レッスンとかライブん時の杏奈は、
めっちゃハイテンションで、いつも別人に見えるわ。
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わかりますっ! キラキラしてて……
ザ・アイドルって感じですよね!
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(レッスンの時の杏奈は、そんなに調子がよかった
のか。俺の心配は余計だったかな……?)
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……でも………………ううん、なんでもない。
………………。
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今、何か言いたいことがあるみたいだったけど、
遠慮なく言っていいんだぞ?
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…………あの、ね……、杏奈、練習は……
うまくできたけど……本番は……心配…………。
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……杏奈、劇場に来て……、春香さんや千早さん達を
見て…………本当のアイドルだって思った……。
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……本物って、すごい……よね。杏奈が思ってた
のより…………ずっと……すごかった…………。
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んー、せやなあ。
今の私らよりは、だいぶ光ってるなあ……。
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春香さん達も……立つことがあるステージ……だよ。
きっと……今の杏奈じゃ……、足りない…………。
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それって……すごい! 杏奈ちゃんもすごいよ!
今よりもっと上を目指すってことだよね!?
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私も見習わなきゃ……一緒に頑張ろう、杏奈ちゃん!
私にできることなら、なんでもするから!
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うんうん、これでも私ら、一応センター経験者
やからな! 杏奈のためなら、力になるで~!
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百合子さん……奈緒さん……。
…………ありがと。
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でも、何から始めたらいいのかな? レッスンは、
もうしてるし……プロデューサーさーん!!
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うん、みんなの意気込みはわかった! でも、
何をすべきかは考えてみるから、少し時間を……。
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正義のアイドル魔法使い仮面、亜美と真美、参上っ!
……もっちー、本物のアイドルになりたいのかね?
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その願い、この、愛の美少女アイドル戦隊、
亜美と真美が、かなえてしんぜようー!!
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名前が変わってるじゃないか! 亜美も真美も、
遊ぶなら、向こうで遊びなさい。杏奈は忙しいから。
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えー! せっかく、真美たちがお手本になって、
悩めるもっちーに色々教えてあげよーと思ったのにー。
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そーだよ、兄ちゃん! 亜美たちがもっちーに、
『真・アイドル奥義』を授けようと思ってたんだよー。
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亜美と真美がお手本に……? まあ、二人も杏奈の言う
『本物のアイドル』ではあると思うが……。
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……でも、杏奈…………、
二人の話……きいてみたい…………な。
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うーん、杏奈がそう言うなら……。
じゃあ、亜美、真美、頼むよ。
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んっふっふ~、そうこなくっちゃだよ~。
んじゃ、さっそく修行始めるよ、もっちー?
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さあ、もっちー、これはお仕事だって思って、
本気で真美たちのマネをしてみてねー!
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まずは、これだっ!
『うっうー! ハイ、ターッチ! いぇい!』
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うっうー! ビビッとハイ、ターッチ! イエイ!
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いいよ、いいよー!
『キリキリ働きなさーいっ! にひひっ♪』はいっ!
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GOGO~! キリキリ働きなさーい!
に、にひひっ♪
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んじゃ次は、『穴掘って
埋まっておきますぅ……ぐすっ……』はいっ!
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あ、穴掘って、イエイ!
埋まって……おき、おきますぅ……!
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OK、次! 『んっふっふ~! 亜美のナイスバディ
光線で兄ちゃんはメロメロ~ン!』はいっ!
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……ん、んっふっふ~! 杏奈のナイスバディ光線、
で……兄ちゃんは…………はうう!!
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あ、杏奈、しっかりしろ! ちょっと休んで、
気持ちを落ち着けるんだぞ? それにしても……!!
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こらっ、亜美、真美! 何が『真・アイドル奥義』だ!
二人が杏奈で遊んでるだけじゃないか!!
52
わー、兄ちゃんが怒ったー!
でもでも、面白かったっしょ!?
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ライブも面白いよー! みんなと一緒に歌うのって
サイコーっしょ! では、さらばじゃー!
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……大丈夫。でも…………杏奈、本当のアイドルが
…………少しわからなくなった…………かも。
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あかんやん! も~、あの二人はー!
杏奈を余計に不安にさせて、どないするんや~!
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でも、ちょっと見応えありましたけどね、
『真・アイドル奥義』発動中の杏奈ちゃん……。
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あっ、ごめんね、杏奈ちゃんは大変だったよね。
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……ん、もう平気。
…………ちょっと疲れた……けど。
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あの二人の言うことを全部聞いていたら、
そうなるんだよな……。
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だから、半分くらいでちょうどいいんだ。
あれでもたまには、いいことも言ってくれるんだぞ?
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ええこと……。
はっ、亜美のバディに兄ちゃんがメロメロ~ン?
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そこじゃない。
というかメロメロンでもないからな?
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あっ! 最後に『ライブも面白い』って……。
亜美ちゃん、そう言ってたよね?
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…………うん。杏奈はライブ……緊張する、けど、
亜美ちゃんは……面白い、サイコー…………って……。
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でも、亜美ちゃんたちは全然緊張しないんでしょうか?
やっぱり、ライブに慣れてるから?
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そんなことないんちゃう? 私は何回ライブ出ても、
最初の時と同じように緊張しまくるし……。
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それはずっと変わらへんのちゃうかな~。
亜美と真美も、きっとそうやと思うけど。
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じゃあ、真美ちゃんたちも緊張はしているけど、
面白がろうと頑張ってる、ってことですか?
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はは、そこまで真面目に考えてないと思うけど。
ただ、あの二人はよく知ってるんだろう。
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ライブは、ものすごく『楽しめる』ものだって。
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楽しいものやなくて、楽しめるもの、かぁ……。
あははっ、なんや、わかるようでわからんなあ!
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…………そっか……。やっぱり、すごい……んだね。
……本物の……アイドルって………………。
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『本物』って言うけど、杏奈たちだって、
もう本物のアイドルだぞ。
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もちろん、先輩たちに恥ずかしくないステージに
しようって杏奈たちの向上心は、大事なものだ。
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けど、亜美たちみたいに気楽に、楽しもう!
……って気持ちも、忘れないでいてくれ。
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……そだね。杏奈……いっぱい、楽しむ……。
……みんなと、一緒に。
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……杏奈……一人で考えると…………時々
考えすぎちゃう……こともある……から…………。
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その時は……今日みたい、に……
お話……聞いて……もらえません……か?
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なんでも話して、杏奈ちゃん。そして、
一緒に公演楽しもうね! 頑張ろう!
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杏奈……なんだか……ワクワク、して……きたよ、
……プロデューサーさん♪
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(いい笑顔だ。公演は一人で行なうものじゃない……)
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(杏奈の背にそえられた百合子の手、奈緒の手、みんな
の手……。俺はその手を繋いでいこう!)