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(いよいよ紗代子たちの特訓が始まることになった。
特訓にふさわしい練習をするため、とかで……)
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みんな、まずは歌の特訓だよ!
あの夕日に向かって、走り込もう!
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よーし、気合い充分!
アイドルの特訓には最高のロケーションだよね!
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そうだな。アイドルの特訓とは何か、難しい所だが……
無茶だけはしないようにな!
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わかってるって!
でもさ、どれくらい走ればいいんだ?
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そっか……! わかったぜ、紗代子!
オレ、マジで、すっげー燃えてきた!
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よし! そうと決まったら、さっさと始めようぜ!
ぼやぼやしてると、日が沈んじまうからな。
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紗代子さん、私も力の限り、ついていきますね。
よろしくお願いします!
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うん、二人もよろしくね。
それじゃみんな、行こう!
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はぁ……はぁ……。ごめん、オレもうダメかも……!
足が動かないよ、紗代子……!
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しっかりしなよ! 昴なら、まだ行けるはずだよっ!
一球入魂の野球魂はどこいったの!?
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昴ちゃんは、ここであきらめるの!?
夕日はまだ、あんなに燃え上がってるのに……!
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そ、そっか……。
あの夕日は、まだ沈んでないんだっ。
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ごめん紗代子、オレが間違ってた!
オレ、まだ走れるから!
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そうだよ昴! そうこなくっちゃ!
特訓は、まだ始まったばっかりだからね!
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はぁ、はぁ……でも、さすがに、
ひたすら走るってのは、大変だな……。
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はぁ……はぁ……そ、そういえば……
あの、紗代子さん。歌の練習のハズだったんじゃ……?
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はぁ……みんな、お疲れさま~!
いったん、ここまでにしよっか!
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はぁ、はぁ、はぁ……。
な、なんだか……息が、血の味がします……!
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がんばったなユリコ、はぁ、はぁ……。これも、
日頃のレッスンのおかげ、か……はぁ、はぁ……。
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二人ともお疲れさま! タオル、ちゃんとみんなの分も
持ってきてるから、汗をふくのに使ってね。
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あ、あとレモンのはちみつ漬けも作ってきたから、
よかったら食べてね。きっと元気になるよ!
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わぁ、ありがとうございます♪
さっそく、いただきますね!
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私の特訓に付き合ってもらってるんだから。
これくらい当然だよ。
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まだまだドリンクとか、いろいろ持ってきたから、
遠慮しないで、どんどん栄養とってね!
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……みんな、お疲れさま。一時はどうなることかと
思ったけど、なんとかやりきったみたいだな!
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はい! これなら本番の公演も、最後まで
全力でやりとげられそうな気がしてきました!
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ん~っ、おいしい! 生き返ったよ~。
レモンとはちみつって、やっぱり最強タッグだよね!
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サイコーにおいしかったぜ、紗代子♪
さて、休憩はこの辺にして、次は千本ノックな!
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ふふっ、ノックじゃないよ、昴ちゃん。
次はダンスの練習だから。千本ダッシュだよ!
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元気も回復したし、体も温まりまくってるし。
今度こそ、オレの底力をみせてやるぜ!
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おっ、昴やる気だね?
だったら、アタシもフルパワーでいくよ!
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フフッ、次のステージの始まりだな。
ユリコ、いけるか?
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追い詰められて、もうだめだと思った時にこそ、
真の力が覚醒する……。そういうものだと思います!
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ジュリア、百合子……のり子さんも、昴ちゃんも。
みんな、ありがとう!
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最後まで、みんな一緒に走り抜けようね!
まずは1本目! よーい、どん!
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(ダダダダッ! ダダダダッ! ダダダダッ!
ダダダダッ! ダダダダッ! ダダダダ……ッ!)
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だ、ダメだ……。
ごめん、みんな。アタシを置いて、先に行って……。
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なに言ってるんだよ、のり子!
あの夕日に笑われちゃうぜ!
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ほら、行こうよ。オレたちと一緒に、
紗代子のステージに立つんだろ!?
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そうですよ、のり子さん。この壁を乗り越えた先に、
新しい自分が待っているはずです!
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昴、紗代子……。フフ、そうだよね。
アタシ、なに弱気になってたんだろう。
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リングに上がる前に、あきらめるプロレスラーなんか
いないよね。アタシ、まだやれるよ!
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はぁ、はぁ……、とはいえ、やっと半分、か……。
さすがに、足の感覚がなくなって来たな……
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はぁ……はぁ……そ、そういえば、あの……、
紗代子さん、これ……ダンスの練習、ですか?
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ラスト~っ……1000本目……っ、
よ~い……ど~ん……っ。
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はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……。
プロデューサー、もう1歩も動けません……。
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そうだろうな……。
ここまで出来るなんて、俺もすごく驚いてるよ……。
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はぁ、はぁ……もう、本当に空っぽ……。
今倒れたらアタシ、3カウント絶対取られちゃう……。
69
オレも、もう、絶対ムリ……延長30回までいった
試合でも、もっと全然、マシだった気がする……!
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はぁ、はぁ……。
でも、たまにはこういうのも、いいんじゃないか?
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はぁ、はぁ……、そう、ですね。
私、ここまでやり切ったの……初めてで……。
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限界なんて、とっくに超えてて……最後はもう、
指先しか動いてなかった気もしますけど……でも……。
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私でも、こんなに……がんばれたっていう、自信じゃ
ないんですけど……貴重な経験が、できました……!
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ああ……少なくとも、ウチらは、
ここまで、やれるってことだ。ははっ!
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あ……。もしかして、紗代子さんは……
この特訓で、そういうことを、教えるつもりで……?
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ううん、そんなこと、ちっとも……。
私はただ、やり残したくなかっただけで……。
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でも……、この特訓にゴーサインを出してくれたって
ことは、もしかしてプロデューサーは……?
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いや、そもそも、ここまでやるとは思ってなかったよ。
ただ、そうだな……。
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やり切ってほしかったのは確かかな。前だけを見つめる
紗代子にも、その紗代子を応援してるみんなにも。
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そして見事にやり切ってくれた。
本当にみんな、たいしたもんだ!
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プロデューサー……。ありがとうございます。
私、うれしいです。……その、期待してもらえて!
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私、公演でも限界まで……ううん、限界を超えて、
プロデューサーの期待に応えてみせますね!
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うん、そもそも限界を知らないと、
それを超えることなんてできないもんね!
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けどオレたち、もうわかっちゃったもんな!
この先、怖いもんなんてなんにもないぜ!
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限界なんて吹っ飛ばして、駆け抜けるとするか。
いけるとこまで、どこまでもな!
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追い込まれて覚醒したのは、きっと……
私たちの心ですね!
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ありがとう、のり子さん、昴ちゃん。
ジュリアも百合子も、プロデューサーも!
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今度の公演、最高のステージにできると思います!
歌もダンスも、まだまだこれからですけど……。
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でも、絶対にできます。自信があるんです。
最後まで、絶対にやり抜けるって!
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(言い切った紗代子の瞳は、力強い光を湛えている。
その光は、もしかしたら……)
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(紗代子が追い求める、アイドルとしての輝き。
その光が、映り込んでいるだけかもな!)