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(今日から、可憐センター公演のレッスンが始まる。
恵美に、特訓を手伝って欲しいと言われたけど……)
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あっ、プロデューサーさん!
お疲れさまです。どこか行かれるんですか?
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お疲れさま、風花。
うん、ちょっと恵美に呼ばれてて。
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もしかして、可憐ちゃんの特訓ですか?
私もなんです。
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風花も? 一体、何をする気なのかな……。
まあとにかく、行ってみよう。
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み、美希ちゃん……。
こんな感じで、ど、どうかな……?
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可憐、もっと思いきってやらないとダメなの!
こんなカンジで……はいっ、ポーズ!
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えっと……え、えいっ! こんな感じかな……?
うぅ、やっぱり恥ずかしい……!
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篠宮さん、今の勢いはとてもよかったと思います。
どうしても恥ずかしいなら、私も一緒に……。
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ストップ、ストップ!
可憐、そこでやめちゃったら、特訓にならないよ~?
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プロデューサー。
あなたはまた、覗き見を……?
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いや、そうじゃなくて、恵美に呼ばれたんだけど……。
これが特訓なのか? グラビアの撮影みたいだけど。
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にゃはは♪ プロデューサー、大正解!
人前でポーズ取るのって、けっこう勇気がいるっしょ?
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可憐がステージで気を失わないために、特訓中なの。
ミキは、ポーズの先生ね。
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それで、あの……プロデューサーさんにも、
見てもらおうって、め、恵美ちゃんが……。
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なるほど……。確かに、集中的に見られる事を
意識するのは、いい方法かもしれないな。
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そういうこと! だからプロデューサーも、
可憐から目を逸らしちゃダメだよ? わかった?
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目を逸らさないか……
わかった、努力するよ。
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えっと、恵美ちゃん。
それじゃあもしかして、私が呼ばれたのって……?
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もちろん、美希と一緒に先生役だよ!
やっぱグラビアは、風花のほうが経験多いからね♪
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あ、やっぱりそうなんだ……。
うう、想像はしてたけど……。
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い、いきなり迷惑でしたよね? 風花さん……。
私の都合ばっかり、ごめんなさい……!
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ううん! そんなことないよ、可憐ちゃん!
私でよかったら、なんでも聞いて?
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風花さん……あ、ありがとうございます……!
あの、質問を、みんなで考えたんです……。
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では、代表して読ませていただきます。まずは……
『豊川さんは普段、どのような心構えで撮影を?』
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こ、心構え? えっと、そうだなぁ……
ファンの人達に、よろこんでほしいと思ってるかな?
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うん。あとは、衣装やシチュエーションのことも
考えて……どんなポーズがいいだろう、って。
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風花、ホントすごいよね~。アタシも読モだったから
撮影は慣れてるけど、好き勝手やってたからな~。
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ミキも、恵美と一緒かな。
ミキがかわいければ、みんなよろこんでくれるの♪
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じゃあ今度は、風花がポーズ取ってみてくれる?
やりながらのほうが、可憐もわかりやすいと思うな。
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じゃあ、ちょっと恥ずかしいけど……
あんまりわざとらしくなく……こ、こんな感じかな?
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うん、風花はやっぱり慣れてるな。
経験値が違うというか……。
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も、もうっ、プロデューサーさん!?
変なこと言わないでください~っ!
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可憐も、思いきってやってみるの!
ちゃんと指先まで、セクシーを意識してね!
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わ、私も……!
わかりました、ち、挑戦してみます……うぅっ!
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プロデューサー、目を逸らしちゃダメだよ!
ちゃんと可憐のコト、まっすぐ見つめて!
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わわっ、また気を失っちゃった!?
可憐、しっかりして! 可憐~~!!
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(その後、可憐は何度か気絶しながらも、
特訓に食らい付いていった……頑張れよ、可憐!)
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(明日はいよいよ、可憐のセンター公演だ。
準備は整ったし、あとは本番を迎えるだけ……)
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可憐か、お疲れさま。
……どうしたんだ? 暗い顔して。
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す、すみません、あの……
明日の、公演のことなんですけど……。
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やっぱり……わ、私なんかに、
センターは無理なんじゃないかって……うぅ……。
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可憐、急にどうしたんだ? 今日までレッスンも、
特訓だって、あんなに頑張ってきたじゃないか。
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は、はい。けど……
どうしても、勇気が出なくて……怖いんです……。
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せっかく、恵美ちゃんたちが力になってくれたのに……
こんなにも、応援してくれてるのに……。
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わ、私が失敗してしまって……みんなの
期待を裏切ってしまうことが、こ、怖いんです……!
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思い出してくれ、可憐。可憐はスカウトされた後、
街中で俺の事を待っていてくれたじゃないか。
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自分では気付いてないかもしれないけど、
可憐は人一倍、勇気を持っているんだ。
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そ、そんなことありません……!
私なんて、こんなにも臆病なのに……。
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いいや。スカウトに答えるために、いつ来るかも
わからないプロデューサーを、雑踏で待ち続けたんだ。
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あ、あのときは……その、
ただ、必死だっただけで……。
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そうだな。今だって可憐は、必死に戦ってる。
そんな可憐だから、みんな応援したくなるんだよ。
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それに、もし可憐がみんなの力になってあげたとして。
失敗しちゃった相手を、嫌いになるか?
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そ、そんな!
みんなを嫌いになんて、絶対、なりません……!
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私、みんなのことが好きです……。
だから、ち、力になってあげたい……! あっ。
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うん。みんなも、同じなんじゃないかな?
成功するとか、失敗するとかは関係なくて……。
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ただ、可憐の力になりたいんだ。
だから裏切られたなんて、そんな風には思わないよ。
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みんな、可憐のセンターを楽しみにしてる。
……どうだ? 頑張れそうか?
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か、可憐!?
しまった、また気絶してしまったか……!
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いえ、だ、大丈夫です……。
あの、気絶したんじゃなくて……。
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びっくりして、声が出なかっただけなんです……
私、大事なことを忘れていたんだって……。
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あの、プロデューサーさん……
やっぱり、私……最後まで、がんばります……!
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失敗しちゃったとしても、に、逃げたくないです……。
今日まで、みんなにたくさん支えてもらったから……。
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よく言ったな、可憐!
よし、最後まで一緒に頑張ろう。
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はい、でも……で、できるでしょうか?
こんな私でも……。
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もちろん、できるさ。今の可憐にできる
精いっぱいのステージを、みんなに見てもらおう!
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は、はいっ! 今の私にできる、精いっぱいで……
が、がんばります……!
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(優しげな瞳の奥に、小さいけど強い光が灯った。
……明日の公演は、期待できそうだな!)