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(エミリーのセンター公演のレッスンが始まって、
数日。ここまで、全てが順調に進んでいる……)
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エミリーちゃん、すごいねぇ。もう全部の
振り付けを覚えちゃったなんて、驚いたべさ。
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私なんて、なかなか覚えられなくて大変だったのに……
さすがだね!
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ありがとうございます。
そう言っていただけて、とても光栄です。
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でも、舞の稽古がここまで円滑に進んだのは、
みなさまが支援してくださったおかげです。
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一番は、エミリーちゃんががんばってるからだと思う!
この調子なら、本番もうまくいきそうだね。
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わたしも、とっても楽しみです!
早く公演の日にならないかな……♪
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はい、私もです。……あの、仕掛け人さま。
仕掛け人さまは、先ほどの稽古をどう思われましたか?
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うん、よかったよ。調整が必要なところはあるけど、
公演までまだ時間もあるし、焦る事はないかな。
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エミリーちゃん。
あの、大丈夫……かな……?
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あ、わ、私の勘違いだったらごめんね!?
ちょっと、元気がないように見えたから……。
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その……エミリーちゃん、本当は何か、
気になってることがあるんじゃないかな……?
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エミリー、そうなのか?
もしそうなら、遠慮しなくていいんだぞ。
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実は……今のまま稽古を進めていいのか、
すこし、不安に思っています。
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エミリーちゃん、こんなにできてるのに不安なのかい?
レッスン、順調に進んでると思うんだけども……。
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ええ、稽古の進捗は順調です。ですが……
主役公演をするには、何か足りない気がしてるんです。
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何か足りない、か。
たとえば、どんな事だろう?
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それが……なんだかふわふわしていて、
私にも、うまく言葉にすることができないんです。
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私は、みなさんが主役公演で
活躍する姿を、近くで見ていました。
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その時のみなさんと、今の自分を比べると、
やはり何かが足りなく思えてしまって……。
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う~ん、なんだろか? あたしはレッスンの
とおりに、がんばっただけなんだけども……。
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わたしも、いつもみたいに、
歌とダンスを一生懸命がんばっただけです。
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そ、それなんです! いつもどおりなんですけど、
いつもどおりではない、すこし特別なもの……。
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星梨花さんとひなたさんが披露されたような……
そんなものを、私も、ごヒイキ様方に届けたいんです。
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けど、私にとってのそれが何なのか……
何をすればいいのか、見当もつきません……。
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いつもどおりだけど、すこし特別……。
改めて言われると、なんだか難しいことかも……。
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大丈夫です! みんなで考えればきっと見つかります!
そうですよね、プロデューサーさん?
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ああ、そうだな!
みんな、エミリーに力を貸してあげてくれ。
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うん、あたし、がんばるよぉ。
エミリーちゃん、一緒に考えようねぇ。
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もちろんです! エミリーちゃん。
新しい自分に生まれ変わるのは、物語の定石だよ!
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みなさん……ありがとうございます!
とても心強いです♪
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それじゃまずは、基本的な事から考えてみようか。
エミリーは、今回のステージを誰に届けたい?
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それは、ごヒイキ様方ではないのですか? みなさまに
よろこんでいただくために、舞い歌うのだと……。
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でも、いつもどおりだと、
何か足りないって話なんだよねぇ。難しいべさ。
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いっそ、歌とダンスの他に、何か取り入れてみる?
主人公が、新しい必殺技を習得するみたいに!
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それだと、いつもどおりじゃないな。ファンの人達は、
どんなエミリーでも受け入れてくれるだろうけど……。
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そうじゃなくて、もっと単純に考えてみよう。
みんなが、公演に何を求めて来るのか……。
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それは……やっぱり、エミリーちゃんがセンターだし、
エミリーちゃんのステージじゃないでしょうか?
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わたしもそう思います! わたしがお客さんだったら、
歌って踊るエミリーちゃんを、たくさん見たいです!
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俺も同じだ。エミリーの全部が詰まったステージを、
お客さん達は見たいんだと思う。
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だから難しく考えないで……エミリーの理想のために、
もう少しわがままになってもいいんじゃないか?
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で、ですが……私はもう、今回の主役公演について、
いろいろな要望を出してしまっています。
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大和撫子らしい、雅で奥ゆかしい舞台にしたいと。
さらにわがままを言うなんて、ご迷惑では……。
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そんなこと、全然迷惑だなんて思わないよ!
だってこれは、エミリーちゃんのステージだもん。
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うんうん、そうだべさ。エミリーちゃんが、
やりたいようにやるのが一番だよぉ。
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プロデューサーの言うこと、わかります。
でも、エミリーちゃんの気持ちもわかるかも……。
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あ、ご、ごめんね! 私なんかが、偉そうに
わかるだなんて言っちゃって……。
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えっと、私も同じだったから。みんなが「大丈夫」って
言ってくれても、なかなか踏み出せなくて……。
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……エミリーは、どんな大和撫子になりたいかって、
みんなに伝えたのか?
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は、はい。貴音さまや紬さん、それに
雪歩さんのような方が、理想の大和撫子だと……。
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ええっ!? あれって、そういう意味だったの!?
も、もっと言い過ぎだよ……。
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憧れてるって、言ってましたよね。エミリーちゃんの
ステージ、おふたりにも見てもらえたらいいですね!
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まぁ、どうしましょう!? おふたりに
見せるには、今のままでは雅さが足りません!
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そんな中途半端な舞台をお届けしては、
きっと、ごヒイキ様方にも気づかれてしまいます!
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うん、そうだな。
それなら、エミリーはどうすればいいと思う?
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私は……この主役公演を、貴音さまや紬さんに
胸を張って見せられるようになりたいです!
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振り付けを覚えただけでは、足りなかったんです。
私の理想の大和撫子そのままに、舞い踊るには……。
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今の私では、まだまだ足りません。
どうか、みなさんのお力を貸していただけませんか?
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みなさん……ありがとうございます!
私はとても、幸せ者です♪
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したっけ、レッスンに戻るべさ!
楽しみが増えた気がするねえ。
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でも雅さって、どうしたら身につくんだろう?
勇者で言う、勇気と同じですよね?
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大丈夫です! またみんなで考えれば、
きっと答えを見つけられます!
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はい! 必ず、ごヒイキ様方によろこんでいただける、
素敵な舞台にしてみせます!
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(上を目指し、理想を追い求める事を諦めない。
……それも立派な、大和撫子の姿だ!)