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メインコミュ 第 66 話 公演前 2 / 5 パート

いっぱいの、いっぱいを。

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―佐竹飯店―
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ふう。ありがと美奈子、落ち着いたわ。 佐竹飯店って、お茶もおいしいのね。
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で? 美奈子はともかく、なんでみんないるわけ? 仕事は? レッスンは?
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真美、ちゃんと兄ちゃんからお休みもらったもん。 茜ちんとありさちんもね♪
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というわけで律子さん、今日はパーッと行こうよ! プロデューサーちゃんのおごりだよ♪
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ありさ、プロデューサーさんからことづかって ますから。「領収書よろしく」と!
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なに言ってるの。そんな経費、認めませんから。 もう今月の福利厚生費は余裕ないの!
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ふふ、お代なんていいですから、気軽に注文して くださいね♪ 肉まんなんてどうですか?
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もう……。ごめんね、気を使わせちゃって。でも せっかくだし……みんなに相談に乗ってもらおうかな?
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え、恋愛相談に?
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なんで恋愛をつけるの、どっからついたの! もう。 ……公演の相談に決まってるじゃない。
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…………。
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私ってほら、王道アイドルって路線でもないでしょ? そんな私のセンター公演って……どうしようかな、と。
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はにゃっ? ということは、律子さん…… やっぱりセンター公演引き受けるの!?
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そんな驚かなくてもいいじゃない。さっきは考えさせて って言っただけで……。つまり、もう考えたってこと。
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まあ、考えるまでもないんだけど。だって私、 最初から、……やる気はあるのよ。
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…………。
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な、なるほど……。よくわかりませんケド、 よくわかりました。とにかくよかったです!
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でも、公演をどうするか、ですか? うーん。 センター公演だからこそ、ちょっと難しいのかな?
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そうなの。全体は王道の構成にまとめなきゃって 思うんだけど、私の立ち位置的に考えると~、なんて。
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ま、朝までキーボード叩いていれば、何か出てくるか。 よしっ、まずはそこからね!
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ええっ、ダメだよ律っちゃん! そんなことしてたら、ラフレッシュできないっしょ!?
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は? ラフレ……?
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ホラ、夜更かしはダメって莉緒やんも言ってたしね! アイドルとしてどうなのかと! どうなのかと!
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ま、まあ、それはそうなんだけど……。
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そうだ! 今からお散歩でも行きませんか? 今日は天気もいいみたいだし。
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いいですねお散歩、最高です美奈子ちゃん! ささ、外に行きましょう律子センパイ! さささ!
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ええっ? でも、散歩なんて時間が…… ちょっと亜利沙? みんな!?
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う~ん! たしかに気持ちいいわね~。 解放感もあるし、空気もキレイだし。
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あー! 律っちゃんほら、ここ、この公園! 真美がウナギマンしたトコだよね!?
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え? ああ、そうね、そうそう! 亜美がカバヤキマンだったわね?
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あの……真美ちゃん、律子さん? そのエキセントリックな怪人は、なんなのかニャ?
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ふふ。私達がデビューしたばっかりの時ね、ここで ライブをしたの。でも、誰も立ち止まってくれなくて。
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それで真美たちがヒーローショーしたんだ~。 あ、律っちゃんはオニグンソー刑事ね!
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なるほど。律子センパイは、 最初からそういう感じだったんですね?
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そういう感じってどういう感じなのよ。 あくまで役の名前ですからね!
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とにかく、最初はライブする場所もなかったの。 こんな公園とか、道端で無理やり歌ったりもしたわ。
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だから劇場の話を聞いた時は、ほんとうれしかった。 その頃はもう、ちゃんとした場所で歌えてたけど。
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でも、いつでも歌えるステージができるって……。 夢みたいだったから。
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律子さん……。もしかして、そんな劇場での センター公演だから、大事に考えたい……とか?
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うん……。どうかな。 ただ興行収支が心配なだけっていうのもあるけど!
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…………。
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ふう。なんだかんだで遠出しちゃったわね~。 いつの間にかショッピングになってたし。
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ヒキニクマンゲーム、ずっと欲しかったんだ♪ まさか原宿に売ってるとは思わなかったよ~。
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私も楽しかったです! 本屋さんでは律子さんの 意外な乙女趣味も知っちゃいましたし♪
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少女小説がお好きとはいえ、『つま先立ち』シリーズを 全巻、オトナ買いするほどだったとは……。
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うああ!! その、乙女とか少女がどうこうは、 口外禁止ね。……恥ずかしいので。
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はっ! もしかして茜ちゃん、律子さんの秘密を 握っちゃった!? ついに自由が訪れるの!?
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人聞きの悪いこと言わないでっ。それじゃ私が普段、 茜を押さえつけてるみたいじゃない。
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な、なるほど……。くっ、茜ちゃんは今、 状況認識のすれ違いを激しく感じてます……!
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でも……今日のこと、みんなに謝らなきゃ。 ごめんね心配かけて。リフレッシュに付き合わせて。
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……はい!?
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律っちゃん、知ってたの!? 真美たちが兄ちゃんに 頼まれて、律っちゃんラフレシア大作戦してたこと!
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ふわああ! 真美ちゃん今、全部言っちゃいました!? まあ、もうバレてるみたいですけど!!
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バレバレ! 何がラフレシアよ、もう。 原型とどめてないじゃない……。
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おかげで、リフレッシュできたわ。 でもセンター公演のことを考えるとね。やっぱり……。
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すぐにドキドキしてきて。勝手に腰が引けて……。 あはは、バカみたい。あーあ、ダメだなぁ。
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でも……それは律子さんが、劇場のこと 大事に思ってるからですよね?
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そうだよ~。大事にし過ぎてグッズの売り上げの 心配までしてるの、律っちゃんだけだよ?
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……え。私だけなの? ホントに?
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いや、俺もちゃんと心配してるからな!?
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わっ!? ……プロデューサー? いたんですか!?
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ああ、ちょっと前からな。 律子たちが帰ってきたのが見えたから、出てきたんだ。
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出てきたって……わざわざ迎えに?
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というか、律子に渡したいものがあって。 やっと用意できたから……はい。
選択肢
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楽譜と歌詞。音楽プレイヤーに曲も入って…… これって、私の持ち歌……。
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律子のセンター公演で、歌って欲しい曲。 これだけはリクエストだ。
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この曲で、律子をしっかり見せてくれ。 ほかのことは任せるから。よろしく!
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私を、しっかり見せる……。 ふーん……。
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つまり、よけいなこと考えるな! ですか?
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とんでもない。企画はしっかり考えてもらわないと 困るよ。頼んだだろ?
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は? 私、まだプロデューサーに やるって言ってませんよね?
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えっ。ま、まさか……センター公演、やらないのか?
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やるって言ってたよ!
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真美っ! もう……。 いや、やりますよ? やりますけど。
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そ、そうか、よかった。 じゃあ改めて、忘れないでほしいんだけど……。
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みんな劇場が大事だと思ってるし、みんな仲間が大事 だと思ってる。……ここは、そういう場所だからな?
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ふふっ、そうですね。 知ってるけど……でも、肝に銘じておきます。
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それで、企画のほうはどうだろう。 何かもう、決まってたりするのか?
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いいえ。ぜーんぜん。まったくほとんど白紙ですけど? そんなすぐに決まるわけないでしょ!?
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そ、そうだよな。じゃあまた今度、 ゆっくり話し合う、ということで……。
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あ、でも、今日……。今ここで。 ひとつだけ決まったこと、言っていいですか。
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もちろん! 何が決まったんだ?
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公演メンバーです。真美、茜、亜利沙、美奈子! 今日はありがとう。本番もよろしくね!
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…………。
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もちろんっ!
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(眼鏡の奥に迷いの光は見えない。 さて、これから忙しくなりそうだ!)
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