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メインコミュ 第 83 話 公演前 2 / 5 パート

お姫さまの庭で

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(貴音の公演への準備が順調に進む中、みんなで 話題の映画『ワガママ姫と花の庭園』を見に来た)
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あ、プロデューサー! こっちです。 チケットはもう、人数分予約しておきましたからね。
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真美もこの映画、超見たかったんだ~! そこを誘って くるなんて、真美をクドくつもりなの、兄ちゃん?
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お説教なら山ほどするつもりだけど……まあレッスンも 順調に進んでるし、息抜きも大事だからな。
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律子にはステージ演出もお願いしているし、 たまにはこれくらい、いいだろう。
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今回の演出って、すごく貴音さんらしいよね。一緒に レッスンしてると、本当のお姫様みたいに見えるの。
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そりゃーお姫ちんっていえば、大人っぽくて、 バトルロイヤルなイメージだかんね!
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バトルはいりません。ロイヤル、高貴とか…… まあ、まさにお姫様とか、そういう雰囲気よね。
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狙い通りに演出できてるみたいでよかったわ。 でも、まだまだ改善の余地はあると思うから……。
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演出で希望があったら何でも言ってね、貴音。 遠慮はいらないわよ?
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希望、ですか……? それは……。
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ん? なにかあるのか、貴音? それなら律子の言う通り、遠慮しないで言ってくれ。
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……いえ、特には。 今から変更しては、皆の迷惑となるでしょうし……。
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皆が私らしいステージを期待してくれているのです。 ならば、私はただそれに応えるのみです。
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それよりもプロデューサー、 そろそろ映画が始まる時間なのでは?
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あ、そうだよ! ねえ、早く入ろう? わたし、もう待ちきれないよ!
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ロコもです~! アーティスティックなピクチャー、 早くチェックしないと~!
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あ、ああ……。それじゃあ入ろうか。
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いいこと? 私がやれと言ったら絶対にやりなさい。 早くここに新しいテラスを作るの! わかったわね!
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…………。
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だって……私みたいにワガママな女が、お花でいっぱい の庭園を作るって言っても……みんな笑うでしょう?
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…………!
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私のワガママで作った庭園を……みんなこんなに喜んで くれるなんて……。嬉しい……本当に、良かった……。
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…………。
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(貴音、誰よりも映画に入り込んでいるな。 なにか思うところがあるんだろうか……)
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映画、すっごくおもしろかったね! お姫様の ワガママが、すてきなお庭を作るためだったなんて!
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ピクチャーもグレイトでした! インスピレーションが スクランブルで、アイディアが止まりません!
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私も思わず見入っちゃったわ。 自分があの庭園に入り込んだ気になっちゃって……。
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うん。さいごのお花のシーンもキレイだったよね! でも……わたし、よくわかんなかった所もあったの。
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そうだったのか? 楽しんでたように見えたけど。 どの辺がわからなかったんだ?
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えっとね、どうしてお姫様は、最初からお花の 庭園を作りたいって言わなかったのかな……って。
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いじわるを言ってこっそり作るんじゃなくて、最初から みんなに、手伝って、って言えばよかったのに……。
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きっと、め~っちゃ恥ずかしがり屋さんだったんだよ! 超ツンデレなお姫様だったし。あれ、誰かに似てない?
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そうだな……多分お姫様は、ただ素直になれない だけじゃなくて、言い出すのが怖かったのかもな。
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きっと、そうです。ロコもプリンセスのマインドには シンパシーを感じました。
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それは……どのようなものなのでしょう?
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クリエイトは、自分が好きだからするんです。 だから人がなんていっても、関係ないんですけど……。
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関係ないけど、気にならないわけじゃ……。
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…………。
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そっか……お姫様も、お庭を作りたいって言うまで 時間かかってたし、すっごく悩んだんだね。
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そうだな、自分の好きなものを、他の人にわかって もらうのは、意外と難しいことなのかもな。
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うん。でも最後はお姫様も、本当のことを言えてよかっ たよね。みんなに喜んでもらえるのが一番だもん!
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……。 勇気を出して……皆も、喜ぶ……。
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もちろん、ロコは誰に何を言われても、ロコアートを クリエイトしていきますけど……って、タカネ?
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貴音さん、どうかした? もしかして映画、あんまりおもしろくなかった?
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……いえ。とても面白い映画でした。育、路子、 よい映画を教えていただき、真、感謝いたします。
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プロデューサーも、 本日は付き添ってくださり、ありがとうございました。
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ああ。それはもちろん構わないけど……。 もしかして、なにか言いたいことがあるんじゃないか?
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やはり、おわかりになりますか……?
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急ではありますが、公演のことで相談事ができました。 申し訳ないのですが、お時間をいただけますか?
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わかった。じゃあ、ふたりで帰ろうか。律子、 すまないけどみんなを連れて、先に戻っていてくれ。
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ええー! お姫ちん、真美たちには教えてくんないの?
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すみません真美。ひとまずはプロデューサーと 相談を……あとで必ず、お話ししますので。
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はいはい。邪魔しないの。みんな、劇場に戻りましょ。 プロデューサー、あとお願いしますね。
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ここでいいかな、貴音。それで、話っていうのは?
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はい、此度の公演のことです。私は皆の期待する、 皆のいめーじ通りの演出で構わないと思っていました。
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皆が思う私……『高貴な姫』の『えれがんと』な ステージを行うのが一番良いと……。
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私は故郷の期待を背負ってアイドルになった身。 皆の期待には、必ず応えなければならないのだと……。
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そうか……貴音にとって、アイドルをするのは、 みんなの期待に応える、ということでもあるんだな。
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そうかもしれません。無論、私にも好きなもの、 やってみたいことはあります。ただ……。
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怖いのです。私に似合わない、と…… 皆を失望させてしまうのではないか、と……。
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プロデューサー、私のわがままは、今日の映画 の姫のように、皆を……喜ばせられるのでしょうか?
選択肢
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決まってるだろう? 公演に来る貴音のファンが 見たいものは、イメージ通りの貴音じゃないと思う。
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みんなが本当に見たいのは……貴音。 わがままで望むままの、本当の君だ。
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本当の、私……。
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……ありがとうございます、あなた様。
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おかげで心が決まりました。公演をどうすべきか……。 す、少し恥ずかしいのですが、聞いてくださいますか?
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なるほど、そういう演出にしたかったのか……。 わかった! 貴音の希望、全力でかなえてみせるよ。
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ありがとうございます。ですが、今更このような希望を 伝えてしまうと、皆にも迷惑をかけてしまいますね。
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レッスンも順調に進んでいたものを……。 私がわがままを言ってしまったせいで。
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それはどうかな。皆はむしろ、喜びそうな 気がするけど……。なあ、どうなんだ?
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えっ……。
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そうだよ! 貴音さんの公演なんだもん。 貴音さんがやりたいこと、わたしもお手伝いするよ!
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もー、お姫ちんってばミズくさいんだからー! なんでミズがくさいっていうの、律っちゃん!?
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味がしない、よそよそしいって話ね。それはともかく、 私も同感。演出プラン、一緒に練り直しましょう?
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皆……聞いていたのですね……。
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ソーリーです。気になってついて来ちゃいました。 タカネの様子が、ちょっと変でしたから……。
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でも、タカネのやりたいことは、それはもうアートだと 思います! ロコもコミットさせてください♪
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初めての気持ちをアクチュアライズするのは、怖い時も ありますけど……一緒ならノープロブレムですよ!
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はい……本当に心強いです。 ありがとうございます……みちこ。
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ロコも、タカネの気持ちが聞けて嬉しかったです。 でもみちこじゃなくて、ロコはロコです!
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どうやら問題なさそうだな。とはいえ、 実際にレッスンはやり直しになるけど……。
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大丈夫だよ! 貴音さんが本当に好きなものを ファンの人に知ってもらうためなら、頑張れるもん!
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育……ありがとうございます。 育の期待した私とは、違うと思いますが……。
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私は少しだけ、わがままになると決めました。 気持ちの赴くままの私を、舞台から見ていただきます。
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皆。どうか私のわがままに、付き合ってくださいませ。
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