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(新曲のため、美也が初恋をしてみると言い出した。
……本人には、何か考えがあるみたいだ)
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それではさっそく『アイグラ!!』のアンケート取材を
受けた人に、お話を聞きに行こうと思います~。
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『アイグラ!!』のアンケート取材……
そういえば、初恋についての質問があったな。
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はい~。いろんな人の初恋を聞いてみたら、
何かわかるかもしれませんから~。
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確かに、悪くないアイディアだな。
わかった、そういうことなら付き合うよ。
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というわけで、まずはおふたりに聞かせてください~。
春香さんと風花さんの初恋は、どんな人でしたか~?
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ええっ!? ず、ずいぶん
ストレートな質問だね、美也ちゃん……。
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この間はお話が途中で終わってしまいましたから。
その続きを、と思いまして~。
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そういえば、そうだったね……。初恋かぁ……
改めて口にするのって、なんだかその……。
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……? あ、気が付かなくて悪かった。
プライベートな話だし、俺は席を外して……。
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い、いえっ! プロデューサーさんに
聞かせられないとか、そんなことありませんっ!
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だ、だよね……! むしろプロデューサーさん
には、聞いていただく責任があると思いますっ!
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責任……? わ、わかった。
とりあえず同席させてもらうよ。
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それじゃ、話すね、その、私はやっぱり、優しい人……
かなぁ。いざという時、頼りになって……。
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私も、優しい人だなぁ……。あ、でも仕事は
きちんとしていて、厳しいところは厳しくて……。
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ふむふむ……。おふたりは、優しい人を
好きになったんですね~。勉強になりますよ~。
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わかりました、ありがとうございます~。
それではこの調子で、どんどん行きましょう~。
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翼ちゃんは素敵な人、歌織さんは優しい人、
琴葉ちゃんは、尊敬できる人……。
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みんなが協力してくれたおかげで、
たくさん回答が集まりましたな~。
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これでアンケート取材の経験者は、ほとんど
まわったな……どうだ美也? 参考になりそうか?
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そうですね~……。
まだ、イメージが湧かないような……む~ん……。
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そうか……初恋が、まだ美也の中にないものだとしたら
いくら参考があっても難しいよな。
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でも美也の歌なんだし、
美也の考えた歌い方でいいと思うけど。
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はい~。けど、初恋って、
なかなか見つからないものなんですね~。
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そうだな……見つけるというより、
そばにあるものなのかもしれないな。
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恋って、相手がいて初めてできる事だろ?
だから相手がいないと、難しいのかもしれないなって。
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相手がいて、初めてできること……。
なるほど、大事なことを忘れていました~。
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たしかに、そのとおりですよ~。
将棋も囲碁も、対局をするには相手が必要です~。
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プロデューサーさん、ありがとうございます。
ひょっとしたら、掴めるかもしれませんよ~。むふふ。
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美也ちゃん。初恋の研究はどうなのです?
何か成果はあったのです?
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はい~。『アイグラ!!』のアンケート取材を
受けた人に、話を聞きに行きましたよ~。
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そこで初恋について、プロデューサーさんと
一緒に、聞き取り調査をしました~。
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なるほど、回答済の人に……それならみなさん、
答えがありますね。流石、宮尾さんです。
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それから、恋は、相手がいないと
できないことだというのも、わかりました~。
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なので私は、プロデューサーさんに
初恋をしようかと思います~。
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なるほど、美也ちゃんがプロデューサーさんに
初恋を…………え?
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ええっと……今のは、聞き間違いじゃないよね?
美也ちゃん、それはどういう……?
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はい~。聞き取り調査の結果と、いつも私のそばに
いてくれるのはプロデューサーさんなので……
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プロデューサーさんを好きかもしれない、
と思ったら、何だかそんな気がしてきたんですよ~。
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そ、それは、あの……なにかの勘違いとか、
そういう可能性もある、かも……?
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そうなのです、美也ちゃん! 一番近くにいるからと
いって、必ずその人が王子様になるわけでは……!
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おや~? 私は、みなさんも同じかと
思っていたのですが~……違うのでしょうか~。
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宮尾さん……只者ではないと思っていましたが……。
想像以上だぞ。
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みんな、お疲れさま!
おっ、なんだか盛り上がってるみたいだな。
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はい~。実は私、プロデューサーさんに、
初恋をしようと思いまして~。
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えっ、本人に言っちゃうの!? っていうか、
プロデューサーさん、そうなんですか!?
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プロデューサーさん。美也ちゃんとの恋バナ、
姫にくわしく聞かせてほしいのです。……ね?
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プロデューサー。私も、ぜひ聞いてほしい話が
あります。……できれば、今すぐ。
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あの……私は、信じてますよ……?
プロデューサーさんのこと……。
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いやっ、ちょっと待ってくれ!
何がどうなって、そんな話に……。
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(劇場の中だと騒がしいので、外に出た。
それにしても驚いた……)
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何だか、騒ぎになってしまいましたね~。
すみません、プロデューサーさん……。
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そ、そうだな……。しかし美也、
どうして初恋相手を俺にしようと思ったんだ?
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はい~。聞き取り調査の結果です~。優しくて仕事が
できて、尊敬できて、いつもそばにいてくれる……。
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私の周りで該当する人は、
プロデューサーさんしかいません~。
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何より、いつも大事なことを教えてくれるのは、
プロデューサーさんですから~。
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はい~。今回も、恋はひとりではできない、
ということを教えてもらいましたよ~。
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プロデューサーさんに教えてもらうと、
私の目から、ウロコが落ちるんですな~。
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まるで、世界が新しくなるみたいに~……。
今までにも、何度もそういう事がありましたから~。
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(美也なりに真面目に考えた結果なんだろう。
無下にはできない、とはいえ……)
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もしかして……私がプロデューサーさんを
好きだと、困りますか~……?
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そうだな……美也とは、アイドルと
プロデューサーという関係だし。恋は難しいかな……。
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やっぱり、プロデューサーさんに恋をするのは
やめたほうがいいんでしょうか~……。
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美也が、美也なりに……
真剣に考えた結果だというのは、わかるよ。
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でもそれは、美也が新曲を歌う必要にかられて……
俺に「恋をしよう」と思ってしたものだしな……。
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だから無理に、「これが初恋だ」なんて
思うようにしなくてもいいんじゃないかな?
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もっとも、恋は人の気持ちだから。何が本物で本物じゃ
ないかなんて、俺が決める事ではないけど……。
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それが本物の恋であるかどうかより、美也が
感じている気持ちの方が、大事なものだと思う。
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……プロデューサーさん。
ではひとつ、お願いを聞いてくれますか~?
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10年後の私が、やっぱり
プロデューサーさんのことを好きだったら……
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10年後か……その頃の俺がどうなっているのか、
保証はできないけど……。
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それはお互い様ですよ~。ふふふ。
お話してくれて、ありがとうございます~。
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いや、こちらこそ。きちんと考えたつもりだけど、
答えになってるかどうか……。
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私は、とってもうれしかったですよ~。……それでは、
そろそろ、みんなのところへ戻りましょう~。
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プロデューサーさん。
新曲お披露目公演、がんばりましょうね~。