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メインコミュ 第 100 話 公演前 2 / 5 パート

アイドル、天海春香

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(定期公演のレッスンがスタートした。 春香のソロ曲については、まだ答えを聞いていない)
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みんな、ここまでの流れは把握できたか? それじゃ一回、通してみようか。
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はい、わかりましたー! ……あれ? 春香さん、通し始まりますよー?
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……え? あ、ごめん! ちょっと考えごと しちゃってた! すぐ準備するね。
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だ、大丈夫ですか? 春香さん。 何か、気になることでも……。
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ううん、大丈夫だよ! 心配かけてごめんね!
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そ、そうですか……。 ……。
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……うん! これで一通り、確認できたね。 みんな、気になったところはない?
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春香さん。『Harmony 4 You』の後 なんですけど、わからないところがあって……。
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あ、うん! えっと、そこはね……。
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春香さん、やっぱり ちょっと元気がない気がします……。
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う、うん……なんだか、そんな感じがするよね…… ソロ曲のことで、悩んでるのかな……?
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……。
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(悩んでいても、みんなをしっかり気にかけて、 レッスンを進めてくれる)
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(こういうところは、いつもの春香だ。 けど……)
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なるほど……とてもよくわかりました! 春香さん、ありがとうございます!
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どういたしまして! みんなは、大丈夫かな?
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私は、大丈夫ですー! 可憐さんは?
19
わ、私も、大丈夫です。
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それじゃ、もう一回今のところやってみようか? プロデューサーさん、いいですか?
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ああ。それじゃ、始めてくれ!
22
…………
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ふぅ……。
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春香ちゃん、お疲れさま。 ここにいたんだね。
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あれ……琴葉ちゃん? どうかしたの?
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うん。……春香ちゃんが 悩んでるみたいだったから、気になって。
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あっ……そ、そっか。ごめんね。 なんだか心配かけちゃって……。
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ううん、それはいいの。 むしろ、もっと頼って欲しいかな。私たちのこと。
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私は、アイドルとしては春香ちゃんの後輩だし。 まだ頼りないかもしれないけど……。
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そ、そんな! 頼りないなんてこと、全然ないよ。
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本当? よかった。 じゃあ、改めて言うけど……。
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何か悩みがあるなら、相談してほしいな。 みんなも心配してるよ。
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琴葉ちゃん……。
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……うん、えへへ、そうだね。 私ってば、ひとりで考えこんじゃってたみたい。
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えっと……聞いてもらっても、いいかな? 次の公演で歌う、ソロ曲のことなんだけど……。
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プロデューサーから 提案された曲、やっぱり迷ってる?
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うん。『I Want』は大切な曲だし、思い入れも あって、歌いたいって気持ちはすごくあるんだ。
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でも、他の曲と比べると、尖ってるっていうか…… 普段の私のイメージとは、違うかなって。
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普段の春香ちゃんだと…… 『明るい』とか、『元気』、かな?
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私たちは、『優しい』もあると思ってるけど。 ……どっちにしろ、だいぶイメージが違うよね。
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うん。ずっと応援してくれてるファンのみんなは、 そういう挑戦も受け止めてくれると思うんだけど……。
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今回は、初めてのお客さんもいるから。この曲で、 アイドルとしての私の魅力を届けられるのかな?って。
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みんな、ビックリしちゃわないかな?って、 ちょっと心配で……。
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うーん……たしかに、春香ちゃんの気持ちもわかるな。 私も、同じ立場だったら悩むだろうし……。
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もし、琴葉ちゃんだったら…… こういう時、どうする?
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そうだね。お客さんが、春香ちゃんに どんなものを求めているかにもよると思うけど……。
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でも私は、歌でも、お芝居でも…… そこにある本気って、伝わると思うから。
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本気……?
49
そう。本気。
50
……。プロデューサーさんは、 どうしてこの曲を選んだのかな……。
51
私、「考えてみてほしい」って言われたのに。 自分の曲なのに、ちっともわからなくて……。
52
わからないなら、聞いてもいいんじゃないかな? プロデューサーに。
53
……。聞いても、いいのかな。 考えたけど、わからないんです、って。
54
聞いてみても、いいのかな。 プロデューサーさんに……。
55
どうしてこの曲を選んだんですか、って。
56
いいんじゃないかな。 ……がんばってね、春香ちゃん。
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うん。……ありがとう、琴葉ちゃん。
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…………
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『プロデューサーさん、相談したいことが あります。明日、時間をください』
60
(春香から、メールが来た。 きっと、定期公演のソロ曲の事だろう)
61
(無理を言っているのかもしれないな……)
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『俺もちょうど話したい事があった。 明日、レッスンが始まる前に事務室に来てくれ』
63
おはようございます、プロデューサーさん。 すみません、時間作ってもらっちゃって。
64
おはよう、春香。ちょうど連絡しようと 思ってたところだったから、大丈夫だよ。
65
えっ、そうだったんですか? あの、プロデューサーさんのお話って……。
66
その前に、春香の話からだな。 ……やっぱり、ソロ曲の事か?
67
は、はい。……あの。他にも、色んな曲があるのに ……どうして、『I Want』を選んだんですか?
68
私、考えてみたんですけど。 まだ、わからなくて……。
69
だから……プロデューサーさんが この曲を選んだ理由が、知りたいんです。
70
そうだな……。 俺も、最初は別の曲を候補に考えていたんだけど……。
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でも、思ったんだ。この曲なら、春香の色んな 魅力を繋げることができるんじゃないかなって。
72
え? 魅力を……繋げる、ですか?
73
うん。普段の春香の魅力を見せたいなら、 『春香らしい』と感じる曲は、他にもあると思う。
74
でも、途中で気づいたんだ。それだけじゃ、 もったいないのかもしれないって。
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もったいない……。
76
例えばだけど。春香はいつも、仲間のみんなの事を よく見てるよな。今回の公演のレッスンでも、そうだ。
77
自分のセンター公演でも、どうしたら他の子の 良いところが見せられるか、いつも気にかけてる。
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それは……えっと、そうした方が、最終的に 良い公演になる気がする、っていうか……。
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みんなが良い方が、いいなって思っちゃって。
80
そこが、春香のすごいところだよ。自然と そういう風に考えられるところ、っていうのかな。
81
そ、そうでしょうか……。
82
うん。……春香は、『I Want』を 初めて聞いた時、どんな風に思った?
83
私は……初めて聞いた時は、 すごくビックリしました!
84
カッコイイ曲だったし、歌詞も刺激的で…… 正直、私に歌えるのかな?って。
85
うん、そうか。今はどうだ?
86
今は……上手に歌えているかどうかは、 自分ではわかりませんけど……。
87
でもこの曲は、プロデューサーさんや 作曲家さん達が、私のために作ってくれた作品です。
88
だから、しっかり歌わなくちゃ、って思ってます。 曲の世界を、伝えられるように。
89
そうだな。どちらかというと、曲の方に、 春香が自分を合わせていっている感じだと思う。
90
その表現力は、春香がこの前までやっていたような、 お芝居に通じるんじゃないかって思ったんだ。
91
あっ……。
92
別人を演じているようなこの曲は、 女優としての春香から、アイドルとしての春香を繋ぐ。
93
『女優』として春香を知って、今回のステージを 観に来てくれる人達に、はまる気がしたんだ。
94
それで、繋ぐ……。
95
ああ。ステージでも演技でも、自分を見せる事を 怖がらない。不器用でも、果敢に挑戦する……。
96
そんな春香だからこそ、できる事だと思うんだ。
97
……。
98
みんなと歌う曲では、全体が良く見えるように 気にする。それはチームなら、当然の事だけど……。
99
少なくとも、この曲の主役は春香だ。 お客さんは春香しか見ていない。
100
この曲で、春香の全部を見せよう! それがお客さんの、一番見たいものだと俺は思う。
101
私の、全部を……。
102
ああ。
103
……どんな、歌であっても。 そこにある本気は、伝わる……。
105
琴葉ちゃんが、言ってたんです。……あの時は、 どういうことか、よくわからなかったんですけど。
106
プロデューサーさん。 本気なら……それでいいんでしょうか?
107
それだけで、ぶつかってもいいですか?
108
もちろん。春香の、やりたいようにしてほしい。 俺も、それを見たいと思うよ。
109
プロデューサーさん…… ありがとうございます。
110
プロデューサーさんが、どうして 『I Want』を選んだのか……わかりました。
111
私、挑戦してみようと思います。 ……どんな場所にいても、私は私ですから。
112
いまの私を、全部ぶつけて…… 私のすべてを、みんなに見てもらえるように!
113
春香なら、きっとやれる。応援してるよ。
114
プロデューサーさん……えへへ。
115
今から、みんなの感想が楽しみだな。
116
そうですね。感想……あっ!
118
あの、プロデューサーさん。 お願いがあるんですけど……!
119
お願い?
120
はい! あの、公演が終わった後に……。
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