MLTD Archive(β)
メインコミュ 第 110 話 公演前 2 / 5 パート

誰よりも輝いて!

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約束の日……
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……ふう、すっかり盛り上がっちゃったわね。 思い出話って、案外尽きないものね。
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そうだね。でも私、ビックリしたよ。伊織ちゃん、 すごく活躍してるのに、昔と変わらないんだもん。
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あ、でも……おでこの見せ方は変わったね。 ふふっ。
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ちょっと! 髪型を変えたって言いなさいよね、 まったく。……そうだ、活躍といえば。
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メイの方はどうなの? ダンス、続けてる? 確かプロを目指してるって言ってたわよね。
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あ……うん、ダンスね。 続けてるよ、一応。
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……なんだか歯切れが悪いわね。 一応って、どういうこと?
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続けてるのは本当なの。でもお父さんからは、 「いい加減将来のことも考えろ」って反対されてて。
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お父さんが?
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結果を出せば、認めてくれるはずって 思ってたんだけど、全然ダメで……。
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……もしかして、辞めるつもりなの?
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わかんない。 でも、お父さんの言うことは絶対だし……。
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……ねえ。よかったら見せてくれないかしら。 メイがダンスしてるところ。動画とかないの?
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いま見てもらった動画が、この前の大会で 優勝した時のなんだけど……。
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優勝? すごいじゃない。なのに辞めようか 迷ってるなんて、もったいないわよ。
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それは……そうかもしれない。 けど……。
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なによ、煮え切らないわね。 メイの意思はどうなの。続けたいんじゃないの?
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……。 ……続けたいよ、私だって。
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なら、そうすればいいじゃない。
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……そんな簡単に、言わないでよ。 私は、伊織ちゃんみたいにはできないんだから。
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伊織ちゃんみたいになんでも自由にやらせてもらえて、 それを認めてもらえる環境じゃないんだよ。
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……そんなことないわ。 メイが思うような自由、私にだって……。
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でも実際に、アイドル続けられてるじゃない。 伊織ちゃんとは事情が違うんだよ、私の家は……。
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……そうね。人それぞれ環境も事情も違うもの。 ちょっと軽率な言い方だったかもしれないわね。
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でもこれだけは言っておくわ。私は、自分で道を 選んだの。そこに親とか家柄なんて、一切関係ない。
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全部、私がどうしたいかよ。言い訳なんてしないで 歩んできたその結果が、いまの私なの。
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……。
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もしそれが信じられなくて、ダンスを辞めるって メイの決意も揺るがないなら……。
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最後に、私と共演してちょうだい。 そうすれば、全部わかるはずよ。
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(ミニイベントも、いよいよ今週末。 準備で慌ただしくなってくるころだな……)
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あれ、3人ともお疲れ様。 揃ってイベントの打ち合わせか?
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ううん、たまたま揃ってただけだけど…… ちょうどいいわ。みんなに話があるの。
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今週のイベント、急だけど1曲追加するから。 そのつもりでよろしくね。
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1曲追加……って、今からか? 流石に急すぎると思うんだが。
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う、うん。あたしもそう思うべさ。 伊織お嬢さん、何かあったのかい?
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ちょっと、週末にね。実は……。
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なるほど。その友人と共演するために、 楽曲を増やそうということですね。
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友達思いだねぇ、伊織お嬢さん。 きっとメイさんも喜んでくれるべさ。
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そ、そんなんじゃないわ! メイが踊ってくれれば、 イベントがもっと盛り上がるって思っただけよ!
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はは、そうか。わかった、 そういう事なら賛成だ。俺もサポートするよ。
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今回は伊織プロデュースのイベントだからな。 伊織がそれでいこうと思ったなら、やってみよう。
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ふふっ、話が早くて助かるわ♪ それじゃ、 真と千鶴にも伝えてくるわね。後はよろしく。
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伊織お嬢さん、すごいねぇ。 いまから歌う曲を増やすなんて。
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でも、定期公演の準備もあるだろうし、 無理しないといいんだけども……。
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きっと大丈夫だよ、伊織なら。 そう思ったから、俺もOKしたんだ。
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それに伊織は、やると決めたらやり抜く子です。 信じて、任せた方がよいかと思います。
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ですが、ひなたの心配する気持ちもわかります。 私たちも、できる限りの支援をしていきましょう。
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うん。みんなでがんばって、 ステージを成功させようねぇ!
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ミニイベント当日……
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みんな、おはよう。 紹介するわね、この子が今日のゲストのメイよ。
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め、メイです。 今日は一日、よろしくお願いします!
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うん、こちらこそよろしくね! メイちゃんのダンス、楽しみにしてるよ!
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あたしたちも一生懸命盛り上げるから、 がんばろうねぇ。
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さて、自己紹介も済んだことだし、 さっそく着替えてリハの準備を……。
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水瀬さん、すみません! 照明班と音響班が至急、 演出について確認したいことがあるそうなんで。
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わかったわ、すぐ行くわね。……というわけだから、 ごめんなさい。みんなは先に準備始めててね。
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あ、あの。演出の確認って、 伊織ちゃんがお手伝いすることなんですか?
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本日のいべんとは伊織ぷろでゅーすですから。 演出なども、すべて彼女の仕切りなのです。
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プロデュースと演出まで自分で……? 出演するためのレッスンだけでも、大変なのに。
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あら、驚いてますわね。意外ですの? 伊織が裏方のように働く姿は。
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はい。ステージに立って歌うだけだと思ってました。 それに、今日の会場だって……。
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伊織ちゃんがプロデュースするなら、お家に協力して もらって、もっと大きな会場を用意できたんじゃ……。
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あはは。確かに伊織のプライベートを 知ってたら、ビックリするかもね。
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でも伊織、前に言ってたよ。アイドル活動で、 水瀬家の力は頼らない!って。
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今回のいべんとだけではありません。 前回の定期公演も……そして、これまでも。
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伊織は家に頼ったりなどせず、自身の努力と 行動力だけで、成功に導いてきたのです。
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お家の力を使わなくても、一人で全部こなせるなんて。 その上自信にも溢れてて……すごいな、伊織ちゃんは。
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そうだねぇ。あたしも伊織お嬢さんには、 いっつも助けられてばかりだよぉ。
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ふふっ。確かにみなさんの言う通り、 伊織は優れた一面が印象深いですわね。
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ですがなにも、 いつも完璧というわけではありませんわよ?
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そうだね。昔は結構空回ったり失敗もしてたし。 上手くいかないことの方が多くて、ムキになってさ。
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でも、超が付く負けず嫌いだからね。 失敗を物ともしないっていうか。
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前回の定期公演の時もそうでしたわ。 出すアイディアが、すべて却下されてしまって。
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そうだったんですね。伊織ちゃんが失敗かぁ。 なんだか、想像つかないな。
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伊織とて、最初から完璧ではありません。 ですが、決してそこで立ち止まることはしないのです。
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高みを目指し、少しずつ成功を重ねていく…… その結果が、今の伊織なのです。
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伊織ちゃん……。
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公演終了後……
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今日はお疲れ様、メイ。出てくれてありがとう。 ステージ、どうだったかしら?
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うん、すごく楽しかった! 伊織ちゃんが一緒だって 思ったら、心強かったよ。今日はありがとうね。
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こちらこそ。メイのおかげで、 今日のイベントが更に盛り上がったわ。
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短い期間で、よくあれだけ仕上げてきたわね。 さすが、本気でプロを目指してるだけあるわ。
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ありがとう。でも、本当にすごいのは伊織ちゃんだよ。 私、ずっと誤解してた。
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もっとお家の力を借りてると思ってたのに……。 全部、自分ひとりの力で頑張ってたんだね。
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だから言ったじゃない。私は自分で道を選んだって。 ただ与えられるだけじゃ、物足りないでしょ?
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自分の手でつかみ取ってこそ、栄光には価値があるの。 だから、実家には頼らないで頑張るって決めたんだし。
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でも、メイはまだもうひとつ、 大きな誤解をしているわ。
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……え?
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確かに私は、実家に頼らないでひとりで 頑張るって決めた……でも、ひとりじゃないの。
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支えてくれる人や、仲間がいるから。 そのおかげで、私は頑張れているの。
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だからあんたも、頑張りなさい。このスーパーアイドル 伊織ちゃんが認めた実力の持ち主なんだから♪
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伊織ちゃん……わかった。ありがとう! 私、もう一度頑張ってみる!
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私も、伊織ちゃんみたいに強くなりたいから…… 輝いてみたいから!
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ふふっ。その気持ちがあれば大丈夫よ。 メイならきっと、成功するわ!
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そうだ、私の定期公演にも招待するわね。 客席から改めて、私のステージを見てみると良いわ。
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この伊織ちゃんのステージの輝きは、 絶対にお手本になるはずよ♪
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ありがとう。 楽しみにしてるね。伊織ちゃんの公演!
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あの子はもう、大丈夫そうね。 ……さて、私もあいつに伝えないと。
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……。もしもし、私よ。 次の定期公演で歌う曲……決まったわ。
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