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メインコミュ 第 116 話 公演前 2 / 5 パート

夢見る才能

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(定期公演のレッスンが始まった。メンバーは、 未来、ロコ、亜利沙、朋花、それにあずささんだ)
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あずささんは、今日は仕事で参加できないんだ。 俺も打ち合わせで出なきゃいけないけど……。
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振り付けの先生によると、今回のダンスは難易度が 高めらしい。みんな、しっかり頑張ろうな!
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はいっ!
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ストップ! 松田さん、ロコさん、遅れてる! 天空橋さんも!
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少し難しいけど、ここが決まると決まらないじゃ 全体の印象が全然違うの。頑張ってちょうだい!
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はいっ。
8
アンダースタンドです……!
9
それじゃ、今日はここまで。 それぞれの課題は、次回までに復習しておいてね!
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はい! お疲れさまでしたー!
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SE
ガチャ、……バタン!
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……ふぅ~。今日のレッスン、 先生、すっごく厳しかったね……。
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新しい振り付け、難しかったですから…… ありさ、がんばらないと。
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そうですね~。わかっていても、 手と足がちっとも追いつきませんでしたから~。
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そっか……。だったらプロデューサーさんに 相談して、振り付けを変えてもらう?
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えっ? か、変えちゃうんですか?
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……。
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うん! だってこれ、全員が ちゃんと揃ってたほうがカッコイイんだよね?
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無理してバラバラになっちゃうくらいなら、 簡単にしてもらったほうがいいかなって。
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……。 未来ちゃん。本当に、それでいいんですか~?
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みんなと仲良しなのは、悪いことではありませんが…… それは、手加減する理由にはなりませんよ~?
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え!? そ、そういうわけじゃないけど……!
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では、どんな理由なんですか~?
24
え、えっと……。
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ま、待ってください、朋花ちゃん! ありさ、がんばりますから大丈夫です!
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ロコも、ノープロブレムですよ! 公演までには、できるようになりますから!
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ふたりとも……。
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いいですか、未来ちゃん。私たちは誰のために 公演をしているか……それを考えてくださいね~?
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あ……。
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(予定より時間が掛かったな。レッスンはもう 終わってるか……あ、あそこにいるのは)
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あずささん、お疲れさまです。
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まあ、プロデューサーさん。 今お帰りですか?
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ええ。あずささんも?
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はい。思ったより早く帰れたので、すこしだけでも レッスンして帰ろうかと……あら?
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あそこにいるのは、未来ちゃん……?
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本当だ……レッスン着のままで、どうしたんだろう。 おーい、未来!
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あ、プロデューサーさん。 あずささんも……。
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……?
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そうか……朋花がそんな事を。
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はい……。 私、朋花ちゃんのこと、怒らせちゃった……。
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私、こんなんだから、オーディションも 落ちてばっかりなのかな……。
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オーディションの事は、また別の問題かな。 未来は頑張っているけど、仕事には縁や運もあるから。
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そうよ、未来ちゃん。 私だって、いつも上手くいくとは限らないもの。
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私は、アイドルとして優等生というわけじゃないから。 苦手なことだって、たくさんあるし……。
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えっ……。 あずささん、そうなんですか?
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ええ。たくさん失敗して、悔しい思いをして…… そうして、ひとつずつ経験を積んできたの。
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でも、そうね。 私から未来ちゃんに、言えることがあるとしたら……。
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もしそれが、絶対にできないことなら、 公演のプログラムには入っていないと思うわ。
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そうですよね? プロデューサーさん。
50
はい。亜利沙もロコも、ダンスは苦手ですが…… 最初の頃に比べれば、かなり上達しました。
51
今のふたりなら、できると思っての事です。
52
……。
53
私、プロデューサーさんがそんなふうに 考えてるなんて、思ってもみなかった……。
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言ってないんだから、わからなくても仕方がないよ。 でも未来、ひとつ忘れてないか?
55
亜利沙やロコだけじゃない。 朋花だって、すごくダンスが得意なわけじゃないよな?
56
……!
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何でも自分を基準に考えてはいけないけど……朋花は きっと、ロコと亜利沙ならできると信じているんだよ。
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もちろん、俺もな!
59
プロデューサーさん……私……。
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私、朋花ちゃんに謝ってきます! まだ、劇場にいるかもしれないから!
61
いいけど、走るなよ!
62
はいっ!
63
SE
バタバタ……バタン!
64
走るなって言ったのに…… まあ、仕方がないか。
65
ふふっ。……プロデューサーさん。 未来ちゃんは、不思議な子ですね。
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不思議ですか?
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ええ。アイドルとしては、決して 順風満帆……というわけではないでしょう?
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そうですね。さっき本人も言っていましたけど…… ここのところ、オーディションも落ち続けていますし。
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でも、そうやって何度転んでも、 また立ち上がって走っていく……。
70
その背中を見ていると、 なんだか追いかけてしまいたくなるんです。
71
私も、未来ちゃんに負けないように走らなくちゃ、 って気持ちにさせられてしまって。
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それって、とっても 『アイドル』……なんじゃないでしょうか。
73
そうですね。未来は、 すごくアイドルだと思います。色々な意味で。
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でも……本人がそれに気づくのは、 まだまだ先かもしれませんね。
75
控え室にもいない…… 朋花ちゃん、もう帰っちゃったかな……。
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あっ、未来ちゃん!
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あれ、ありさちゃんとロコちゃん? ふたりとも、まだ帰ってなかったの?
78
なんだか気になって…… ミライこそ、まだ残ってたんですね。
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うん……あれ? レッスンルームに誰かいる? ……あっ!
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ええと……ここで止まって、次は……。
81
とっ、朋花ちゃん!
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? ……未来ちゃん? 亜利沙さん、ロコちゃんも。 まだ帰っていなかったんですか~?
83
朋花ちゃんこそ…… レッスンはとっくに終わったのに、何してるの?
84
私は、居残りですよ~。今日やったところ、 一番踊れていなかったのは、私ですから~。
85
できていないなら、できるまで練習する…… アイドルとして、当然のことでは~?
86
そ、それは、そうかもしれないけど……。 えっと……と、朋花ちゃん!
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なんでしょう~?
88
私、朋花ちゃんに「手加減」って言われて、 なんのことか、すぐにはわからなかった。けど……。
89
頑張る前から諦めるなんて、すごく、すーっごく 言っちゃダメなことだった!
90
私、朋花ちゃんに……ありさちゃんとロコちゃんにも、 失礼だったと思う! ごめんなさい!
91
ミライ……。
92
……未来ちゃん。ファンの子豚ちゃんたちは、 アイドルに、何を求めていると思いますか~?
93
え!? あ、アイドルのファンが、アイドルに? えっと、えっと~……?
94
それはもちろん、存在そのものが……!
95
亜利沙さんは、黙っていてくださいね~。
96
ハイ。
97
そうですね……では、ファンや子豚ちゃんではなく、 ファンになる前の、『お客さん』と呼びましょうか~。
98
お客さんは、決して、アイドルなら何でもいい…… というわけではありません~。
99
「この人は、推す価値があるかどうか」……。
100
私たちアイドルは、常にその視線に晒され、 判断され続けているんですよ~。
101
それは……そういう面もあると思います! でも、フィーリングやセンスの部分だって……!
102
もちろんです~。 楽しいから、かわいいから、好きだから……。
103
「誰かの目に晒され批評される」……アーティストの ロコちゃんなら、たくさん経験していますよね~?
104
うっ……。
105
アイドルである以上、私たちは、歩みを止めることも、 立ち止まることも、してはいけないんですよ~。
106
だから……それが苦しい人は、アイドルを 続けられないのかもしれませんね~。
107
……。
108
優しい未来ちゃんには、無理かもしれませんね~?
109
そ……そんなこと、ないもんっ!
110
私、個性的じゃないし、オーディション落ちて ばっかりだし。今は、何もできないけど……。
111
……。
112
今はできなくても、いつか…… 何でもできる、すごいアイドルになるっ!
113
絶対絶対、ぜーったい、負けないからっ!
114
……うふふ。 そう言うと思ってましたよ~。
115
優しすぎるのが、未来ちゃんの弱点ですが…… その気持ちを忘れなければ、大丈夫かもしれませんね。
116
朋花ちゃん……。
117
SE
ガチャ、バタン
118
あっ……あずささん! プロデューサーさんも!
119
みんな、お疲れさま~。
120
お疲れさま。実は、あずささんの仕事が予定より 早く終わってな。少し練習したいそうなんだ。
121
朋花、一緒に練習させてもらってもいいか?
122
ええ、もちろんです~。
123
わ、私も! 私も練習したい! いいよね、朋花ちゃん!
124
あ、その前に……未来に、話があるんだ。 今度の公演で……。
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