2
お、おはようございます!
あの、皆さん、ご迷惑お掛けしました!
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お医者さんにも、ちゃんと許可をもらいました。
今日から、またよろしくお願いします!
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お帰りなさい、静香ちゃん! ……うん。
顔色も声も、すっかり良くなったみたいだね。
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はい、ありがとうございます。
もうすっかり元気ですから!
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あんなにみんなに心配かけておいて……
ほんと、子どもみたいね。
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まあまあ。それじゃ、全員揃ったところで
改めて定期公演のレッスン開始だ。
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俺は打ち合わせで抜けないとなんだけど……
みんな、後はよろしく頼んだ!
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ふぅ……振り付けは、なんとか頭に入ったかな。
あとは……。
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お疲れさま、静香ちゃん。
少し休憩して、ドリンク飲まない?
12
あ、歌織さん。
ありがとうございます、いただきます!
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ふふっ。
静香ちゃん、なんだかとっても楽しそうね。
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いえ、特に何かあったわけじゃないんですけど……
レッスンに出られるのが、嬉しくて楽しいっていうか。
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レッスンに出られるのが、嬉しくて楽しい……?
静香、変わってるの。
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そうですよね。レッスンはきついし大変なのに、
変だなって、自分でも思うんですけど……。
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……いいんじゃないの。
楽しいのは、いいことでしょ。
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あ、そろそろ休憩終わりだね。
じゃあ次は、全員で頭から通してみようか?
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失礼します。
……お疲れさまです、プロデューサー。
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あ、静香、お疲れさま。今日は付き添いできなくて
悪かったな。レッスン、どうだった?
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順調です。私が参加しない曲を中心に
進めてもらっていたので、遅れもほとんどありません。
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そうか、よかった。
……その様子だと、体調も問題ないみたいだな?
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はい。過保護なプロデューサーに、
しっかり休ませてもらいましたから。
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まぁ、そう言わないでくれ。
体のケアは、大切だからな。
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はい、わかっています。
……ありがとうございました。
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プロデューサー。私、レッスンを
休んでいる間に、気づいたことがあって。
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看病は、母がしてくれたんですけど……
父も、何度か部屋に様子を見にきてくれたんです。
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お父さんにしてみたら、静香は大事な娘さんだ。
心配するのは当然だと思うよ。
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はい。……父から見た私は、まだまだ子どもで。
だから……いろいろ心配なだけなんだって。
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プロデューサーも、風花さんや歌織さんも
ですけど。私は、大勢の人に見守られているんですね。
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それはきっと、当たり前じゃなくて……
ありがたいことなんだなって、思いました。
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でも、私だっていつまでも子どもじゃありませんから!
大丈夫だってこと、絶対に納得させてみせます。
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プロデューサー。
これからも、私を助けてくれますか。
43
静香が望む限り、ステージに立ち続けられるように
努める。それが俺の役目だよ。
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プロデューサー……
あ、ありがとうございます……。
45
そ、それじゃ私、帰りますね!
お疲れさまでした!
47
(自分では「まだまだ子ども」だと言っていたけど。
静香はちゃんと、成長していっている……)
48
(いつかお父さんに認めてもらうまで……
一緒に頑張ろうな、静香!)
49
(静香の新曲お披露目公演は、無事終了した。
そして、次の日……)
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はい、765プロ……あっ、制作プロダクションの……
お世話になっております。
51
ジャパン音楽フェス?
はい、もちろん知っていますけど……。
53
ジャパン音楽フェスに、ソロ出演……
わ、私がですか!!?
54
ああ。先方のプロデューサーが、この前の
劇場公演を観に来ていたんだそうだ。
55
アイドル枠のひとりとして、静香に話が来ている。
どうだ、参加してみないか?
56
で、でも、ジャパン音楽フェスって、
あの有名なジャパン音楽フェスですよね?
57
そんな大きな仕事、
私の一存で決めるわけには……。
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もちろん、社長からは出演の許可をもらった。
宣伝にもなるし、出演は大歓迎だけど……
59
最終的には、静香が出たいかどうかで
決めていいそうだよ。
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あ……。えっと、あの。
す、すこし考えさせてください……。
61
え? ……静香、出ないの?
楽しそうなお仕事なのに。
62
あんまり、うれしそうじゃないのね。
静香なら飛びつくかと思ったのに。
63
大きいイベントだってこと、気にしてるみたいだけど。
……もしかして、怖いの?
65
変なところで臆病なのね。……劇場の中だけの
アイドルで、いたくないんじゃなかったの?
66
未来が今、ひとりでいろいろ頑張ってるのだって……
あなたがそう言ったからなんじゃないの?
69
いいえ、プロデューサーさん。
私は同じアイドルとして、納得できません。
70
静香。
あなた、どうしてアイドルになったの?
71
え!? ど、どうしてって……
それは、小さい頃から歌が好きで……。
72
そういうことを聞いてるんじゃないの。
わかってるでしょ。
73
私は……歌うことが、好きだからよ。
でも……。
74
でもフェスに参加するってことは、私が劇場の看板を
背負うってことでしょ。そんな、簡単じゃないわ……。
76
志保ちゃん、もうその辺で……
焦らなくていいのよ、静香ちゃん。
77
そうだよ、静香ちゃん。志保ちゃんも。
まだ考える時間はあるんだから。
79
ミキは、志保の言うことちょっとわかるかな。
ジャパン音楽フェスでしょ?
80
出演するのは、アイドルだけじゃないし。
ブレイクしたいなら、チャンスだって思うな。
82
静香、志保。ふたりが真剣な事はわかってる。
心配しなくても、大丈夫だ。
83
静香、回答期限まではまだ時間はある。
ゆっくり考えよう。
86
(そろそろ、フェス参加への回答期限だ。
静香と志保は、まだ少しギクシャクしているが……)
87
(静香は、失敗=アイドルを続けられない可能性を
考えている。プレッシャーは、相当あるはずだ)
88
静香と向き合えて、静香が答えを出す
手助けになりそうな事というと……。
89
お、静香。ちょうどよかった。
ちょっと、付き合ってくれないか?
91
ちょっ……プロデューサー!
どうして、テニスコートなんですか? レッスンは!?
92
みんなと相談して、今日はそれぞれ
自分の課題をこなす事になったんだ。
93
静香は、俺とテニスで勝負だ。
思いっきり打っていいぞ!
94
急にそんなことを言われても、
ラケットも、ウェアだって……。
95
ラケットとボールは用意してある。
草野球みたいなものだから、大丈夫だ!
98
もう……わかりました!
やればいいんですよね、やれば!
100
はぁ、はぁ……
さ、さすが、実力が違うな……完敗だ……。
101
もう……だから言ったじゃないですか。スニーカーに
履き替えたとはいえ、スーツでなんて無茶だって。
102
でも、さすが……って言っていいのかな。
すこし見直しましたよ。
103
プロデューサーがこんなに
諦めが悪いなんて、思ってませんでした。
104
諦めが悪いのも、
プロデューサーの仕事のうちだからな。
105
それ、本当ですか?
また適当なこと言ってません?
108
わかってます。……プロデューサー、
私に気分転換させようとしてくれたんですよね。
109
ありがとうございます。
……お陰で、ちょっとスッキリしました。
110
そうか、よかった。
全力でコートを走った甲斐があったよ。
111
……志保の言うとおりなんです。
私、ここに来て怖がってる……。
112
きっと、今がすごく心地いいからで。もしここで
失敗して、夢が遠ざかったらって考えたら……。
114
はい。……でも、踏み出さなかったら、
夢には近づけないんですよね……。
115
みんな、ちゃんと前に進もうとしているのに。
私、こんなところで……。
116
プレッシャーを感じるなとは言わない。静香の、
夢を叶えるための努力は、ちゃんと見てきたつもりだ。
118
フェスに出演するアイドルは、事務所や劇場の看板を
背負っている。それは本当に、その通りだと思う。
119
その上で、今回は静香に任せてもいいと思ったんだ。
121
もちろん。ステージに立った静香が、お客さんを
ガッカリさせるはずがないって、信じてるからだよ。
123
……も、もうっ! プロデューサー、
卑怯ですよ! そういうの……!
125
だから、ダメとかじゃなくて……
も~~~っ!
126
わかりました、やります! やってみせます!
けど、その代わり……。
127
私が失敗した時は、プロデューサーも
ちゃんと責任取ってくださいね! ……一緒に!