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(今日はプリンセスミュージカルのオーディション、
一次選考だ。みんな……頑張ってくれ!)
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それではまず自己紹介と、課題の
『あなたらしいプリンセス』をアピールしてください。
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はーいっ、765プロのせくしー担当、双海真美です!
よろしくお願いしまーす!
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ってことで、真美のプリンセスは、せくしー!
せくしーポーズ100連発いっきまーす! あっはん♪
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高坂海美! 私のプリンセスは、可愛くて、優しくて、
女子力が高い! あとバレエが得意、筋トレも大好き!
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ドレスで優雅に動けるよう、身体も鍛えてます!
それじゃ、見てください。『プリンセス体操』!
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私にとってプリンセスは、誰かを笑顔にできる人です。
笑顔にする方法といえば……、マジック。
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というわけで、プリンセス・マジックショーの始まり
です。それでは、今から鳩を出します。
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私は英国の出身で、大和撫子に憧れています。
私の思う姫君とは、大和撫子そのものです。
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そんな大和撫子を表現するため……
これより、舞を一差しご披露いたします!
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はいほー! 765プロの、徳川まつりなのです。
魔法の国からやってきたプリンセスなのです。
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はい、宜しくお願いします。
ええと……それでは、課題をどうぞ。
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「みなさん、ごきげんよう♪ 本日はお城の
パーティーに、ようこそおいでくださいました」
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「庭の白百合も、みなさんのお越しを喜んでいます。
どうぞ、心ゆくまでお楽しみくださいね……」
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みんな、お疲れさま!
この前のオーディションの結果が届いたぞ!
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待ってましたー! どうどう? 審査員の人、
真美のせくしープリンセスのトリコになった??
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真美、エミリー、海美、瑞希。
残念だけど、落選だそうだ。次の機会に頑張ろう!
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やはり……。でも、いい経験になりました。
これからも精進します。ありがとうございました!
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う~。プリンセス体操じゃなくて、
女子力体操とかにすればよかったかな~?
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鳩を逃がしてしまったのが敗因かもしれません……。
ところで、徳川さんはいま呼ばれていませんでした。
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な、なのです。
プロデューサーさん、もしかして……。
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そうなんだ。……まつりは、最終選考に残った!
やったな!
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まつりん、すごいすごーいっ!
さっすが、劇場のお姫様だねっ☆
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よかった……。まつりさん、本当によかったです!
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やっぱまつり姫はまつり姫だよね~。
プリンセスだけに、プリンセスだよね!
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最終選考ですから、お祝いは早いかもしれません。
ですが、おめでとうございます。
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……。みんな、ありがとうなのです! でも、
瑞希ちゃんの言う通り、本番はこれからなのですよ!
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でもでも、このまま一気に合格するしかないっしょ!
兄ちゃん、最終選考ってなにすんの?
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ミュージカルの一幕を、実際に演じるそうだ。
王子様にダンスに誘われる場面らしい。
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ほ? それは……
もしかして、クライマックスのシーンなのです?
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そうみたいだな。台本も届いてるから、
まつりはよく読んでおいてくれ。
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王子様かぁ、どんな感じかな~。えっと……。
「私と踊ってくれませんか? ミズキ姫?」
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お、いいねいいね!
「なでしこ王子、ワタクシと踊って~ん♪」
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お、王子様が誘われるのですか!? ええと……
「真美姫、共に舞いましょう」
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こらこら、遊びじゃないんだぞ。
どうせなら、まつりの参考になる練習をしないと。
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大丈夫なのです。とっても参考になるのですよ!
のびのびとした、自由な……自由な演技。
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台本も読んだし、姫も練習するのです!
みんな、王子様役をお願い、なのです♪
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ワン、ツー、スリー、フォー!
……ここは大丈夫。次は……、あ。
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お疲れさま、まつり。まだ残ってたんだな。
少し休憩にしないか?
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プロデューサーさん……。
そうですね。姫もそう思っていたところなのです♪
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定期公演のレッスン、頑張ってくれてありがとう。
ミュージカルの最終選考もあるのに。
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ぜんぜん平気なのです。どちらも大切なお仕事なので…
姫は、大変なんて思わないのですよ。
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……ならいい。
でも、もし悩みがあるならいつでも言ってくれ。
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最終選考の台本を読んだ後、まつりが何か迷ってるよう
に見えたから。……思い過ごしならいいんだけど。
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……。心配してくれて、ありがとう。
ふふっ、さすがはナイト様なのです。
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プロデューサーさん……。
少しだけ、姫のお話を聞いてくれますか?
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その、台本のことで……姫はちょっぴり
迷っているのです。ぐるぐるまつりなのです。
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最終選考の課題、クライマックスのシーンに……
アドリブを入れたくて。
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もちろん、そんな冒険はしない方が安心なのです。
台本通りのプリンセスは、王道のお姫様。
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でも、今のまつりの中にいるプリンセスは、
きっと今回の台本とは違うことをいうのです。
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まつりらしいプリンセスを見せた方がいいなら……
見せてもいいのなら、アドリブを入れたい。
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でも、そうじゃなかったら、しない方が良くて……。
決められないのです……。
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今回の役、まつりはどうしてもやりたいのです。
誰にも譲れないのです。
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だって、あのプリンセスは……
私たちの、憧れのお姫様だから。
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というわけで! ナイト様はどっちがいいと
思いますか? お姫様らしさと、まつり姫らしさ。
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聞かれても困ると思いますけど、
参考までに、教えてほしいのです♪
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でもお姫様って、俺にとっては、まつりのことだから。
お姫様らしいっていうのは、まつりらしいって意味だ。
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だから、俺が一番お姫様らしいと思えるのは……。
まつりの好きな方だよ。
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……。ふふっ、やっぱり……
プロデューサーさんは、ズルいのです。
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そ、そうかな?
とにかく、どうなっても全力でフォローするから!
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早速ですけど、とりあえず今すぐ、
フォローをお願いできますか?
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えっ? 今すぐって……
今なにか起きたっけ?
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じつは、姫はもう一か所、ダンスを練習したいのです。
でもパートナーがいないのです。壁の花なのです。
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……ふふっ。
しゃる・うぃー・だんす、なのです! ナイト様♪
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おお、姫! こちらにいらしたのですね。
舞踏会、最初の一曲が始まりました。ぜひ私と……。
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はぁ、はぁ……王子様! よかった、探しました。
一番最初は、あなたと踊りたかったから。
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ただお待ちするだけの毎日は、もうウンザリです。
だから……!
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シャル・ウィー・ダンス? 王子様!
あなたをお迎えに参りました♪
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ありがとうございました。
……徳川さん、一点だけ聞かせてください。
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最後、完全にアドリブでしたよね。王子に誘われる前に
姫の方から誘ったのは、どうしてですか?
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……まつりが知っているこの物語のプリンセスは、
ただ待っているだけの女の子じゃないのです。
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自分で夢を叶えにいく強さをもっているはず……。
そう思ったから、なのですよ♪
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……初代公演のプリンセスは、そういうキャラクター
でした。私たちの歴史を大事にしてくれたんですね。
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あなたの作品への理解と、アドリブをやりきった
勇気に、心から敬意を表します。
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ありがとうございました。どうぞ、プリンセスの
望むままに……ダンスをお楽しみください!