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メインコミュ 第 140 話 公演前 2 / 5 パート

どうせ恋をするのなら

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(朋花は恋する気持ちを知るため、まずは 公演メンバーに、聞き取りを始めたようだ……)
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では……恋をすると、どうなるものなんでしょう~? みなさんは、どんな気持ちになりますか~?
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えーっと……。少女漫画とかだと、 相手の人のことで頭がいっぱいになったりする!
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そうですね。その人の姿を見るだけで、 ドキドキしたり、切なくなったり……。
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苦しい気持ちにもなると思うわ。
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気持ちを伝えたいけど、知られたくない…… そういう、葛藤みたいなものもあるんじゃないかしら。
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恋する気持ちを、相手に知られたくない……。 それは、何故でしょう~?
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恋が、成就しなかった時のことを考えて…… というのが、一番の理由な気がしますね。
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ギョクサイってやつだね。
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そうね。……そうなってしまうくらいなら、 知られたくない、と思うのかも。
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そんなぁ! がんばって告白したのに…… うう、すっごく切ないよ~……!
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なるほど…… 恋心というのは、複雑なんですね~。
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でもでも、恋を知る一番の方法は、 やっぱデートっしょ!
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朋花様も、デートすれば ドキドキすること間違いなしだよ!
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デートですか~……。 ふむふむ~……。
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みなさん、ありがとうございました~。 お陰で、とても参考になりましたよ~。
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プロデューサーさんにも、 この結果を伝えてきますね~。
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なるほど……恋をすると、 その人の事で頭がいっぱいになる、か……。
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ええ。ですが、同時に気付いたんです~。
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私は、そもそもプロデューサーさんのことを あまりよく知らないのではないか、と。
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俺の事……?
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はい。なので、あなたの事で 頭をいっぱいにするためにも……。
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私に、プロデューサーさんのことを 教えてください~。どんなことでも結構ですよ~?
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ざ、斬新だな……。 しかし、俺の事と言っても……。
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まさか、教えられないんですか~? 私のことは、以前、あれこれ聞き出しましたよね~?
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天空騎士団のことから、普段どんなふうに 過ごしているのかといったことまで、根掘り葉掘り……
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なのに、自分のこととなると、 答えられないんですか~?
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わ、わかった! 何でも答えるから……!
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ありがとうございます~。 では遠慮なく、聞かせてもらいましょう~。うふふ♪
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そして……
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うふふ……プロデューサーさんの個人情報が 集まってしまいましたね~。
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ああ……まさか、こんなに 色々聞かれるとは思わなかったよ……。
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もちろん、悪用はしませんよ~? ……いい子にしていれば、ですが~。
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ヒィッ!
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これで準備も整ったことですし…… さっそく、次の段階に進むことにしましょう~。
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プロデューサーさん。 明日はお休みでしたよね~?
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ああ、そうだけど……。
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では…… 明日は、私とデートをしてください~。
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翌日……
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朋花、お待たせ!
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プロデューサーさん、おはようございます~。 時間通りですね~。いい心がけですよ~。
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あ、ああ。それにしても、 意外な待ち合わせ場所だな……?
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ええ、ウィンドウショッピングをしようと思いまして。 流行を知るのも、アイドルの大切な仕事ですからね~。
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それはそうだな。 今週は、新譜が色々出ていたはず……。
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と、朋花様!? お疲れさまです! あの、見回りでしょうか……!?
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(!?)
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お疲れさまです~。ええ、そんなところですよ~。 あなたも、お仕事しっかり励んでくださいね~。
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は、はい、もちろんです! 天空騎士団の名を汚さないよう、励みます!
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(まさか、天空騎士団の人が働いているとは……。 デートというより、挨拶回りに来たような感じだな)
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次は、流行の映画を見ますよ~。 チケットはもう買ってありますからね~。
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おお、デートの定番だな! どれどれ……。
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もしかしてこれは、アイドルの話か……?
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ええ、参考になりそうですね~。 見てみましょう~。
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……。
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次は、ライブを見ますよ~。
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ライブ……これもアイドルなんだな。 お客さん、結構入ってるな。
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ええ。亜利沙さんイチオシの、 新人アイドルちゃん、だそうですよ~。
58
小さなライブハウスですが、 ステージも見やすく、設備も整っていますね~。
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(見学……いや、視察……?)
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お疲れさまです。これでデート体験は終わりですね~。 プロデューサーさん、どうでしたか~?
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いや……なんだか、いつもの仕事と あまり変わらなかったような……。
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あら……? そうでしたか~?
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そもそも、どうしてデート体験する事に なったんだっけ……あ、そうか。
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朋花が、恋愛……恋する気持ちを知るためだったな。 でも、この方法じゃ、ちょっと難しいかも……。
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……。 何故ですか~?
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だって朋花は、俺に恋してないじゃないか……。
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……。
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ドキドキするからデートをするのと、ドキドキしたい からデートをするのは、違うんじゃないかな……?
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もちろん、デートをしてみた結果、 ドキドキする事はあるだろうけど……。
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なるほど……?
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というか、朋花はどうだったんだ? デート体験をしてみて……。
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アイドルが恋をする事…… それを否定する気持ちに、変わりはないか?
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そうですね……。 やはり、裏切りではないか、と思ってしまいます~。
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そうか……うん。 確かに、そうかもしれない。でも……。
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そういう、大切なファンを裏切るとわかっていても。 それでも捨てられないほどの気持ちがあるなら……。
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それは、すごく大事なことのような気がするんだ。 いいか悪いかではなく。
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……。
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あとは……これを言ったら、本当は 怒られるかもしれないんだけど……。
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……? なんですか~?
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どうせ恋をするなら、ファンを裏切ったという その気持ちごと、抱えていてほしい……。
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と、思っている。 ……あくまで、俺はだけど。
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……。
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あなたという人は…… 何を言っているか、わかっているのですか~?
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それは……恋をしたアイドルに、罪悪感を抱えたまま、 アイドルでいろ……ということですよ~?
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そうだな。 ひどい事を言っているのかもしれないけど……。
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でも、朋花が言うように…… ファンの人達の気持ちは、確かに存在している。
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それに、アイドルにとっては……恋する事すらも、 自己を表現する手段のひとつにすぎないと思うんだ。
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はぁ……まったく。こんな告解じみた言葉、 他のみんなには、とても聞かせられませんね~。
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あなたのほうが、私よりよっぽど……。
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ごめん。 ええと……呆れたか?
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……いいえ。 呆れてはいませんが……。
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私は今、あなたのことが…… ようやく、すこしだけわかった気がしますよ~。
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(こうして、朋花のデート体験は終わった。 恋をするかしないかは、彼女自身が決める事……)
94
(そして、朋花がどんな答えを出したとしても。 俺がプロデューサーである事に変わりはないんだ)
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