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メインコミュ 第 141 話 公演前 2 / 5 パート

春待つ蕾の見る夢は

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北海道某所、イベント会場……
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SE
ザワザワ……ザワザワ……!
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うわ~っ! 会場めちゃくちゃ広いね! 想像してたより全然大きなイベントだよ、これ!
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出演者の人数も、すごい……! やっぱり北海道って大きいんですね!
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みんな、遠くまでごめんねぇ。 長旅で疲れてないかい?
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姫はとっても楽しいのです! ひなたちゃんと 北海道に来られて、そー・はっぴー!なのですよ♪
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本場のみそらーめんに、うに、いくら、しゃけ……。 真、胸が高鳴ります。
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おーい、みんなお待たせ! 控え室はこっちだそうだ。 それと……ひなたにお客さんだぞ。
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えっ? お客さん……?
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せーのっ…… けっぱれーっ、リンゴ姫ーーーーーーっ!!!!
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ひえっ!? 農園のみんな……それに、ご近所さんたちも!
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ひなっこ! 応援に来たよぉ~。
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ばあちゃん! はや~、ビックリしたべさ……。 こんなに大勢で来てくれたのかい?
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そりゃ、ひなっこの晴れ舞台だもの。 手が空いてるもん全員で駆け付けたんだわ。
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H・I・N・A・T・A、ひなた! フレーッ、フレーッ、ひ・な・たっ!
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すごい……! みなさんの動き、完ぺきにシンクロしてる……!
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自作のうちわに、大きな横断幕もあるのです。 頼もしい応援団なのです♪
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えへへ、そうだねぇ。 ちょっこし、恥ずかしいけども……♪
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したっけばあちゃんたち、客席から見てっから。 みなさん、ひなっこをよろしくお願いいたします。
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こちらこそ、よろしくお願いします。……ひなた、まだ 時間はあるから、もう少し話してきてもいいんだぞ?
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ううん、大丈夫だよぉ。あたしも早く着替えて、 準備しないとねぇ。それに……。
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もう十分、勇気はもらったから!
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そして……。
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(イベントの前半戦、歌唱力とダンスの対決が 終わった。現時点で、ひなたの順位は……)
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やったー! ひなたがトップだって! ナンバーワンだよ、ナンバーワン! イェーイッ!
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さすがですね、ひなた。 共にステージに立つ者として、誇りに思います。
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ううん、貴音お嬢さんたち、みんなのおかげだべさ。 あたしは必死に、頑張ってるだけだから。
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私は納得の結果だと思うな。ひなたちゃんの パフォーマンス、すごかったから。特訓の成果だね!
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この勢いで、後半戦もいただきなのです♪ とびきり・ぱわほー!に駆け抜けるのですよ!
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あ、あの……765プロの、木下ひなたさんだよね? ちょっといいかな?
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え? な、なんだろうか……?
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(ん? 他の出演者達がひなたに……どうしたんだ? まさか、不穏な内容とかじゃ……?)
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あの、こんなこといきなり言われても、 木下さんも困ると思うけど……その……。
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す、すごいファンですっ!
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ええっ!?
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(ふう)
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私たち、ご当地アイドルなんだけど、 ひなたさんにずっと憧れてて! ずっと目標で……。
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前半戦のパフォーマンスも、なまらすごくて! 圧倒されちゃいました!
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ありゃあ~、ありがとうねぇ。 そんなに褒めてもらえると、くすぐったいけども……。
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でも、私たちも地元背負ってるから、 このままあきらめるわけにはいかないべさ!
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後半戦は、ひなたさんに胸を借りるつもりで ぶつかってくから。したっけね~! ありがと~!
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あ……う、うん! こちらこそ、よろしくねぇ~! …………。
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それでは後半戦、開始します。 表現力のパフォーマンス、よろしくお願いします。
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「「「よろしくお願いします!!!!」」」
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みんな、すごい気合いだべさ……!
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そうだな。目標で憧れのひなたに挑めるのが、 きっと嬉しくて仕方がないんじゃないかな。
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あたしに……。でも……。
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ユキちゃーん! 負けるんでねぇぞーっ! みんなが、ついてるぞーっ!
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……。
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(……ひなた?)
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………………。
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(後半戦も、残るはステージのみ。だが、ここにきて ひなたは、トップの座を明け渡してしまった)
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……。
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ひなたちゃん、えっと…… 大丈夫だよ! まだ巻き返せるから!
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そうそう、点差は全然ないしね! ステージに向けて、気持ち切り替えてこう!
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うん……ありがとねぇ。 でも、さっきの子達、本当にすごくて。
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あたしも頑張ったんだけども、 なんだか上手くできなくて……。申し訳ないべさ。
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……。ひなた。 もしや彼女達に遠慮しているのですか?
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ううん、そんなこと……。 ないと、思うけども……。
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……ギリギリの戦いだと、意識していなくても、 気持ちの差が結果に出たりするからな……。
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あー、それはあるよね。ダンスもさ、ほんのちょっと 気分が変わっただけで、全然別モノになったりするし。
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ひなたちゃん。もしかして、 さっきの人達のこと、応援してるんじゃ……?
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……うん。がんばって欲しいとは思ってるよぉ。 あの子たちは、あたしと同じだから……。
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でも、そう思うのも、 いけないことなんだろうか……?
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……。 では、ひなたちゃんは、負けてもいいのです?
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えっ!? そ、そんなこと……。 それとこれとは、話が違うっしょや?
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あたしにも、ばぁちゃん達がいるし。 あ、あたしだって、負けるわけにはいかないべさ!
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はたして、それだけでしょうか。
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え……?
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仲間のために、家族のために、誰かのために……。 そうした思いは、ひなたのいう通り、皆同じなのです。
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ひなたも、彼女達も……、 おそらくここにいる皆も、私も。
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た、貴音お嬢さんも……みんなも?
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……周りの気持ちに寄り添ってしまうのは ひなたのいい所だと思う。
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でも同じくらい、悪い所だと思う。
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プロデューサー……。
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だから思い出してほしいんだ。自分がどんな アイドルに憧れたのか……。どうして憧れたのか。
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どんな……、どうしてって。 あたしは、立派なアイドルになりたくて……。
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歌も踊りも上手で、お姫様みたいに綺麗で……。 アイドルは、誰よりもキラキラしてて……。
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……。 誰、よりも……。
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うん。アイドルがキラキラしてて、みんなに憧れられる のは、きっとこう思ってるからだと思う。
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誰よりも輝きたい、って。
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……。
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そうだよねぇ。あたしがアイドルになる前、 リンゴ姫になれたのだって……。
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あたしが誰よりも、ずっと憧れてたから……!
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……うん、そうだよな。 今も、その頃と同じ気持ちでいいと思う。
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うん! プロデューサー、ありがとさんです。 あたし、とんだ勘違いしてたべさ。
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あのね、貴音お嬢さん、まつり姫さん。歩さん、 紗代子さん。……どうか力を貸してください。
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あたし……。負けたくないべさ!
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その言葉を待っていたのです♪ 姫におまかせ、なのですよ!
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ひなたの覚悟、しかと受け取りました。 共に高みを目指して、いざ、参りましょう!
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ナンバーワンの座は譲れないよね♪ 大丈夫! どんな動きも、アタシが後ろで全部フォローするよ!!
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みんなでもう一度、ダンス合わせておこう! 私もすぐ着替えてくるね!
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そして……。
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765プロの木下ひなただよぉ! みんな、あらためてよろしくねぇ! ええと……。
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H・I・N・A・T・A、ひなた! フレーッ、フレーッ、ひ・な・たっ!
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えへへ、ありがとねぇ! ……あのね。 実は今、ちょっこし負けそうなんだけども……。
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このステージで、全部取り戻してみせるから、 よーく見ててねぇ! いくよ、『りんごのマーチ』!
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